第1話
朝のプラットホーム。
たくさんの人で混雑しているなか如月 晃は某高校へと通う。
彼のまわりからの評価は暗い、話しずらいと言った評価が多いが実は彼はとても奥手で彼の中身は明るいのだ。
そんな彼は今日もいつもと同じように学校へと向かう。
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pipipi…
電話がなるなか一人の男が電話をとる。
「あン、こいつがターゲットか?しかしなんでわざわざ朝のラッシュの時にやるのか!?普通ならもっと目立たない時からやるのではないのか。」
「いや、その騒ぎに上じて北から逃げてくれ」
「ふぅん、まぁ俺らはクライアントから任されているだけだからまだいいが…浅田さんもかわいそうに…」
彼が持っていたファイルには浅田一郎と書かれていた。
そして彼は銃を手にとり部屋を去った。
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浅田 一郎は都内有名セキュリティ会社「セーフティー」の幹部であり、同じ幹部の川田 洋一が不正をしたことを知って命を狙われていたのだ。
それを知らず駅を歩く浅田
「やっと、証拠がそろったか。これで川田を捕まえられる。なぁ山田」
「はい、旦那様。この後午前10時より刑事の田中氏がやって参ります」
山田と呼ばれた男、彼は浅田家に仕える執事で銀髪オールバックの初老だ。
と、そんな会話をしてた時、「パンッ」とした音がするといきなり浅田の横にあった看板に丸い穴が開いた。
「旦那様、こちらへ」
山田の顔は驚きに満ちて、これが浅田を狙ったものだとすぐに分かったが浅田はきょとんとしながら立ちすくんでいたのだ。
慌てて山田は浅田のことを物影へと連れて行こうとした。
その時思ったのは一体あの少年は何物なのだろうか?といった疑問だった。
彼は少年が何かをして浅田のことを助けたのを見たのだった。
その少年の動作はとても熟練されたものであり、昔、軍にいた山田でさえその動きは完璧には掴めなかったのだから。
彼の背中から冷や汗がにじみでているが彼は自分の使命、浅田を守ることを思い出し慌てて行動を起こしたのだった。
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(何者だ?)彼の顔は驚愕に満ちていた。
仮にも彼は裏の世界で銃のスペシャリストとしてもしられていて「流星のカイト」と呼ばれていた。
そんな彼でもこんな敵は初めてだったのだ。
「こちらカイト。ターゲットを発見した。狙撃するぜ」
「きちんとぶちぬいてくれ」
そう言われながら彼は銃を構える。
(あいつの頭は貰った)
そう思い引き金をひく。いつもはこれで終わる。
しかし今回ばかりは違った。
急にターゲットの近くにいた少年。彼の気配は一般人のそれだったのだか…
彼が不意にあげたかばん。何かにあいさつするようにあげたその角に銃弾が当たりターゲットに当たらなかった。
彼は偶然だと思いもう一発撃とうとしたらスコープごしに目があった。
そして彼の口はこう言っていたのだ
「俺の前ではやめてくれ」
恐ろしかった。何十年と裏の世界にいた彼もそれには恐怖しか浮かばなかった。
しばらく呆然とする間にターゲットは跳弾でも届かない影に隠れてしまった。
そして不気味な少年は隙だらけな恰好で、しかし撃つことができないままさって行ったのだった。