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第3話 能ふ者
あれから、何日経ったことだろう。
体の中で、何かが変質していく音がする。視界は赤く染まり、肌の表面に冷たい鱗のような模様が浮かんできた。
外の闇から、また新たな怪異が「生き餌」の匂いを嗅ぎつけて近づいてくる足音が聞こえる。
……美味しそうな匂いがする。
……ああ、つまり、そういうことだ。
腑に落ちてしまった。
私もいずれ、あれに呑まれる。神の一部となるのだ。
そうしてまた、新たな疑似餌をここに据えて、寄ってきた怪異を貪るのだろう。
ああ、それはきっと、どんなにか美味なのだろう!
食べ残しでなく。人の身の限界を超えて、貪る彼岸の味。
想像しただけで涎が滴り落ちる。
はやく。
たくさんたべて、
「あれ」の一部になりたい。
汚く濡れた口元を袖で拭い、私は次の獲物を呼び寄せるため、暗闇の中で静かに呼吸を整えた。




