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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
25/66

第25話 すごい精霊さんがお友達。

「家庭教師の方に教えてもらっていたのですね。」


「いえ、かていきょうしではなくて、」


精霊さんに教えて貰いましたしね。家庭教師というよりお友だちです。


「せいれいさんにおしえてもらったんです。」


「精霊? 精霊は古語が得意なのですか?」


得意とかではなく、それしか使えませんね。


「せいれいさんはこごしかつかえないんです。

だから、おはなしするためにはこごをおぼえないといけないんです。」


「あらぁ、精霊さんは古語しか使わないのですか。初めて知りました。

そう言えば昨日、ティシェールさんは精霊を使役できると言っていましたね。そこで古語を教えてもらうなんて新しい考えですね。」


「えーと、それなんですけどね。ティーはせいれいさんをしえきする、っていうよりてつだってもらってる、ってかんじなんです。」


「あ、そうよね。精霊さんはお友だちなのよね。」


様子を見るに、6歳のティーは主従関係を捉えやすくするためにお友達と考えてる、とか思ってますね?

そうじゃないんですよ。


「ティーがえらいとかじゃなくて、おともだちなんです。まりょくをあげたりとかもしてないですよ? というよりできませんけど。」


そういえば、って言いたいんですね。ティーは魔力が少ないし、それ以前に認識すらできてませんでしたからね。


「本当に対等、えー、お友達なのですか?」


漸く分かってくれましたか。その通り、ティーと精霊さんとは横の繋がりで繋がっているのです。


「そうです。ティーがこまってるとせいれいさんがてつだうよー、っていってくれるんです。」


「それは、初めて聞きましたね。とても珍しいことです。

では、精霊を認識、はっきり見えなくても協力してもらえるのですか?」


コス先生って勉強熱心? 知的好奇心旺盛? ですね。


「ティーはせいれいさんたちがみんなしっかりみえるので、わかんないです。

でも、とにかくみんなやさしいですよ。ティーがひまだといっしょにあそんでくれるますし。」


「え!? 一体ではないのですか? 一体何体の精霊と...」


ん? つまり、大抵は精霊さん一人とだけお友達ってことですか?

ふーん、無条件に周りの精霊さんがみんな協力してくれるのはティーひとり? そうなんですか。

無条件、って言いますけど都合が悪かったら断ったっていいんですよ? 対等なお友達というのはきっとそういうものだと思うんです。


「えーと、ですね。ティーのばあいはだれと、ってきまってるんじゃなくてですね。まわりにいるせいれいさんにてつだってください、っておねがいするんです。」


「つまり、精霊がいさえすれば無制限に使役、ではなくて、協力してもらえるのですか?」


「うーん、そうなりますかね。いやだったらことわってほしいんですけど、よろこんで! とかいってとんできちゃうんですよね。

ティーはせいれいさんたちになんにもできてないのに。」


え? ティーと一緒にいられること自体が嬉しいからいいんだ、ですか。

でも、やっぱりティーも何か精霊さんの役に立ちたいんですけどね。魔力がいっぱいあればたくさんあげられるんですけど。


「随分精霊に好かれているのですね。魔力が少なくても既に最強に近い位地にいるのでは?」


「そうなんですか?」


「精霊は魔法が得意な種ですからね。精霊を好きなだけ使える、いえ、手伝ってくれるのであれば魔法の種類も量も限界はないということになりますよ?」


はわー、そうなのですか。精霊さんは凄いですねえ。


「あ、ですが、だからと言って魔法をサボったりしては駄目ですよ?」


「もちろんです。」


自分で魔法を使える方が嬉しいじゃないですか。

こう、グルグルー、ってしてるのをギュー、ってしてモヤモヤ、とかしてドバーン! みたいなですね。


「でも、大会などは精霊たちがいれば勝ち抜けるでしょうね。

期待していますよ。頑張ってくださいね。」


「はい! ありがとうございます。」


期待されてますよ、精霊さん! これからは頑張って活躍していかないといけませんね。

一緒に頑張りましょう!

もうすぐゴールデンウィークですね。というかもう既にゴールデンウィーク?

まあ、深雪は課題が沢山あるのでそれと格闘しなければいけないんですけどね。お休みのはずなのに勉強ばっかり...。


今度こそ溜めずに、計画的に、毎日小分けにてして、消費していきたいです。

頑張ります!

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