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不運の集大成で死んだら、悪神のミスで絶対死なない豪運おもちゃにジョブチェンジしました  作者: 社会不適合者
聖剣エクスカリバー編

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第六十話 話を聞かないド変態

 ロキが神界に帰ったあと、ラグナロクは満面の笑みで俺を見ていた。

 もともと俺にべたべたとしていたが、今はそれに輪をかけて過度になっている。

 ただ、今までのラグナロクになかった感情の端が見えるようになっていた。


「ラグちゃん?今はもうなんともないの?」

「ないよ。体も痛くないし、ほら見て?」

 そういって、ラグナロクはパッと離れるとその場でひらりと一回転してスカートを数センチ持ち上げた。


「あれ?あんなに破けてた服も元通りになってる?」

「ラグ、神様の一部を得たときに服も元通りになったの!それにね」

 ラグナロクは剣の姿に姿を変えた。


「おおお!鞘のフリフリも綺麗に元通りになってる!!」

『でしょでしょ?』

「すげーっ!ラグちゃんガリガリしなくても喋れるようになったの!?」

『すごいでしょー!』

 ラグナロクのどや顔を感じる。


「でも、あれだな。ガリガリするのは困るけど、あれはあれで思い出って感じかぁ」

 ハジメ自身は単純に思い出という言葉を使ったのだが、ラグナロクはそう受け取ってはいなかった。


『ハジメはガリガリした方が好きなの?任せて!』

 ラグナロクはふわふわと浮かびあがると、床にガリガリと文字を掘り始めた。


「あぁぁぁあああ、せんでいい!せんでいい!!ガリガリはもうしなくていいから!!」

『……?』

 またラグナロクは人型に姿を変えて、なんで?という表情をしていた。


「ラグちゃん楽しそうだね」

 なんだか疲れを感じるハジメはラグナロクに言葉をかける。


「楽しい!ハジメといっぱいおしゃべりしたい!」

 ラグナロクはルンルンでハジメに抱き着きなおしてくる。

 暑苦しいなぁと感じはするものの、背中に感じる体温に安心感を感じるハジメだった。


「あっ!そうだ。ラグちゃんちょっとついてきてくれ!」

「ん?」

「ドリトンとアリスが変態の対応しに行ってるんだった。なんか手伝いに行かないと」

「変態?」

 俺はラグナロクを背中に貼り付けたまま、ドリトンとアリスのいる医務室へ急いだ。

 医務室からはどうにもいかがわしい声が聞こえてくる。


「わ、わわ、私の言うことが聞けないというのですか!?」

「主よ!そのようなことは!ですので、この私の顔にその美しい拳を今一度!今一度めり込ませていただきたいのです!」

「ハッ!まずは椅子になれと申されるのですね!?今すぐ!!」

「だからそんなこと誰がしてほしいと言ったんですか!!!」

「またハズレを引いてしまいましたな!ハッハ!」

「ハッハ!じゃないんですよ!!!」

「それでは主は何を求められるのですか?」

「だから普通にしてくださいと言ってるじゃないですか!!!」

「普通としても、私はこれが普通ですので、お好みを仰っていただければすぐにでも!もっとなよなよとした方がよろしいか!?それとも強気な私を屈服させたいのでありますかな!?どちらにせよ私は全力で受け止めさせていただきますぞ!!」

「あっ!ちょっと!ふたりとも私を一人にしないでください!!!」

 何だこの会話。

 ドア越しに聞こえる声量ってどんだけ白熱してんだよ。

 変態というのは、ただの変態じゃなくてド変態の間違いじゃないのか?

 すると、ドアが開きドリトンと玉藻が出てくる。


「あーありゃ駄目だな」

「せやな。うちらの手に負える代物やないわ。真正の変態やで」

「だよな。地球でもああいうのは、お巡りさんこの人ですって言われるタイプだわ。近づかん方がいい」

 どうにも二人の反応が、呆れるを通り越して、身震いしているように見える。


「お、おい、アリスは大丈夫なのか……?」

 俺の言葉に二人がこちらを向く。


「おっ!!黒い姉ちゃんじゃねーか!!帰ってきたんだな!!」

 ドリトンがすぐに反応して駆け寄ってくる。

 玉藻もこちらに気づいて近寄ってくる。


「おかーちゃん、おかえり」

「ただいま玉藻。よく頑張りましたね」

「え、ええねん。そんなん大したことないわ」

 玉藻はラグナロクに褒められたことにどこか照れているようだった。

 ラグナロクは俺から離れると、玉藻の頭に手を置き優しく撫でている。

 俺としても驚きだった。

 こういう反応をするラグナロクを見るのは初めてだったからだ。

 記憶を取り戻したラグナロクが少し話が饒舌になっただけでなく、これが本来のラグナロクなのだろう。

 と、すると、あの狂犬になっている時のラグナロクは本来のラグナロクなのかどうなのだろう?


「なあ、二人とも、アリスはあのままでいいのか?」

「ええねん。あの腐れド変態。こっちの話なんて一言も聞かんもん」

 すごい悪意しかなさそうな言い方だな。


「ハジメ、気になるなら医務室に入ってみればいい。アリス嬢がいれば暴れたりもなさそうだし大丈夫なはずだし、何かあれば、なぁ」

 そういってドリトンはラグナロクに視線を向ける。

 ラグナロクは当然という顔でドリトンを見返した。


「そうか?じゃあ、ラグちゃん。ちょっと入ってみるか」

 うんとうなずくラグナロクがまた背中に貼りつくのを待って俺たちは医務室に入った。


「どうですこの座り心地に特化した姿勢を!さあ!急ぎこの私の背中に主の臀部を降ろしてくだされ!!」

 だめだこれ。

 頭が追いつかん。

 というか追いつきたくない。


「ハジメ様!!ラグちゃんさん!!」

 救いを得たようなアリスの視線が俺に集まり、後ろのラグナロクにも視線を向ける。


「むむむ?その男はいったい!?」

「こ、この方は私の旦那様です!!」

 あっと、いつの間に一足飛びに旦那様になっちゃってるの俺!?

 それにそんな言い方したらラグちゃんが黙ってねーぞ??

 俺は背中のラグナロクに視線を向けるが、意外なことに、ラグナロクはうんうんと頷いていた。


「側室がハジメを旦那様というのは間違いじゃないもの」

 そういや、正妻とか側室とか言ってたなこの二人。


「側室とな!?つまり、この男は主を誑かし、そのうえ側室などと言って愛すら注がぬ不埒者ということであるな!?」

 その言葉をド変態が言うと、一気に背中の体温が消えた。

 ん?と背中に目を向けるとラグナロクの姿は無く、ド変態に視線を向けると、ラグナロクがド変態の胸倉を掴んで振り回していた。


「だぁれぇがぁ不埒者だぁ!?てめー吐いた唾飲むんじゃねぇぞこの腐れド変態がぁあああ!!!」

 おいおいおいおい!!

 ちょっと待てちょっと待て!


「ラグちゃんストップ!相手一応怪我人!!ド変態は間違いないけど怪我人!」

 こっちの狂犬モードもラグちゃんなのね。


「お前、アタシのハジメに感謝しとけよ」

 そう捨て台詞を吐くと、ド変態をベッドに放り投げた。

 いつの時代の不良だよ……。


「なんともガサツなご婦人だ。主とはえらい違いではないか」

 ド変態は落ち着いて服を整えると、ラグナロクの殺気をものともせず、俺に話しかける。


「そこの男。わが主の伴侶で間違いないのだな?」

「お前さ、ちょっと態度改めるとかないわけ?」

「これは重要な事なのだ。答えろ」

「なんだこいつ。人の話聞かねーな」

「ずっとこの調子なんです」

 そういうアリスはもうへとへとという感じだった。


「間違いねーよ。ラグナロクとアリス。二人とも俺の妻になる人だ」

 俺はためらいなく言い切った。

 ラグナロクはデレデレで変わらなかったが一番強いリアクションをしていたのはアリスだった。


「はははハジメ様!!嘘じゃないですね!?言質もとりましたよ!?縛り付けますからね!?」

 うん。後半はいらないな。


「縛り付けられるのは困るが本心だ。嫌か?」

「とんでも無いです!!!すぐにお父様にご報告しなくては!!」

 そういうとアリスは部屋を飛び出した。

 ちょっと、このド変態と俺とラグちゃんを残して部屋を出て行くのはやめていただきたい。


「わが主にも愛を注ぐと約束するか?」

「なんでお前にそれを宣言しなきゃならねーんだよ。まぁそれは間違いないけどな」

「そうか。ならばこれも神の導きなのであろう。うむ。相分かった。それではこの時より、貴方は、私の主の旦那。つまりお館様というわけであるな!」


 ……は?

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