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不運の集大成で死んだら、悪神のミスで絶対死なない豪運おもちゃにジョブチェンジしました  作者: 社会不適合者
魔剣ラグナロク編

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第十九話 フリフリは必須項目

 俺は一緒に行くというアリスの静止も振り切って城を飛び出した。

 もちろん背中にはむき身のヤンデレがぶら下がっている。

 走るたびに刀身が鈍く背中に当たって痛いし、当たり所が悪ければ皮膚までいかれるイカレた仕様はそのままに。

 今朝王城で城下で一番腕のいい武器屋の場所だけ聞き出し、俺はそこめがけて全力ダッシュをキメていた。

 着いたところは何と言うか、ボロい?見た目のまるで古民家のようないで立ちの建物だった。

 確かに看板に、ヘパイストスの素敵な武具工房と書かれてるから間違いはないのだろうけど、ヘパイストス?これも確か神様だったような。

 てか、もはや北欧神話飛び越えてギリシャ神話まで越境してないか?


「ごめんください」

 おっと日本スタイルが出てしまった。


「はいはい、お客さんいらっしゃ、ああ?」

 やっぱり目を引くんだねこのヤンデレ。


「お客さん、ずいぶん珍しいものぶら下げてるね。それラグナロクでしょ?」

「知ってるんですか!?!?」

「知ってるよ。ロキが趣味で作った頭おかしい魔剣でしょ?」

「なんでそこまで」

「あーアタシ、ロキのペンフレンドだから」

 ぺ、ペンフレンドだと??

 今時メールを飛び越えてSNSが全盛なのに、文通だと??

 いや、この世界じゃまだ手紙も現役か。

 冒険者カードはあんなに最先端なのになぁと思いながら話を進める。


「ペンフレンドですか。久しく聞いてなかった言葉ですが、それなら話が早い。このキモいメンヘラの鞘、作ってくれませんか?」

「いいけど、支払いははどうするのよ?」

「一応手持ちはこれだけ」

 そういって俺は昨日のクエストで得た報酬を冒険者カード越しに全て見せた。


「あははは、お兄さん面白いこと言うね。こんなんじゃ鞘の素材代にもなりゃしないよ」

「マジですか」

「そりゃそうさ。だってその娘、普通の鞘じゃ鞘ごと切れちゃうから特注にしないとだし」

 強いってのは本当らしい。


「いくらぐらいになります??」

「そうだねぇ、少なく見積もっても、この金額の五倍は必要だね」

「ご、五倍。あのクエストをこいつぶら下げて無駄遣いせず後四回やれってか。それはさすがに……」

「だろうね。さてどうしたもんか」

「ちょっとラグナロク、アンタのご主人が困ってるよ。どうするんだい?」

 するとラグナロクは武器屋の床に文字を書く。


「あああ、だから傷つけちゃ駄目だって」

「かまいやしないよ」

「店員さん!」

「料金に上乗せするからさ」

 ぐっ……。

「あとアタシは店員じゃなくて店主。店主のヘパイストス。へパさんでいいよ」

「あんた神様かよ!?」

「おっ詳しいね。じゃああれだアンタ日本からの異世界人か」

「そうですけど」

「じゃあ話が早そうだね」

 あらら?

 そんな会話をしていると、ラグナロクのメッセージが書きあがった。


「「仕事。する。だから先に作って」」

「はいはい。アンタ愛されてるねぇ」

「冗談じゃないですよ」

「よしきた。じゃあどんなのにするんだい?」

「ありがとうございます!じゃあとりあえず刀身隠せればいいので、無難な感じで安めにお願いします」

「でもいいのかい?その娘は不満そうだけど」

「オーダー……。あるの?」

「「ある」」

 そうかよ。もう好きにしてくれ。

 それからラグナロクはへパさんが持ってきた薄い木の板にガリついて必死にオーダーを伝えていた。

 帽子をかけるような柱状の家具に捕まって書いているのがなんともシュールだった。


「よし。これなら明日の昼前にはできあがるよ。武器そのものを作るわけじゃないからね。ただ、魔術の付与だけは受取時に行うから取りに来た時にここでやるよ」

「わかりました。結構早くて助かります」

「任せときな。裸のその娘がいちゃついてくるのは今日が最期だから楽しんどきな」

 なんかセクハラされたぞ。


「いや、裸って……。剣なのですが?」

「だから今鞘なしで衣服なしってことよ」

 おや。わりとセンシティブな問題。


「もしかして、それって俺本来だと裸の女性首にぶら下げて街中移動してたことになります?」

「なるね」

 うぉぉぉおお。俺の黒歴史が増えてしまった。


「まぁアンタの言う通り武器をそこまで気にする人いないけどね」

 確かに。俺黒歴史回避?

 まぁ今は鞘の完成を楽しみにしよう。

 翌日俺は、またしてもラグナロクを首にぶら下げて街中を走っていた。

 何としてもさっさと鞘を付けたいのである。


「と、とりきましたぁぁあ!!!」

「すごい圧力を感じるね。これだよ」

 何だが見た目に違和感を感じる。

 鞘そのものは普通っちゃ普通。なんだか格子状の網タイツみたいな感じで、刀身が透けて見える感じなのだけど、なぜに鞘の根元からフリフリのシースルーなフレアが広がっている?

 まるでゴスロリのスカートをシースルーにして鞘に履かせたみたいになっているのだが。


「これ、お前が注文したの?」

「「した」」

「フリフリも?」

「「フリフリも」」

 もう店側もわかっているから、ラグナロク用に薄い木の板を用意してくれてるのは助かるのだが、俺はこれからゴスロリのスカートを背中にぶら下げるのか?

 大分嫌なのだが。

 まぁ背中が切れるよりマシか。


「さて、魔術の付与を始めるよ」

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