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神戯大戦   作者: シノウミ
一章 異世界転生編
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屋台のご飯と魔法の適性

「お腹空いたしそろそろ昼ごはんにしないか?」

「そう致そう、早くご飯にするでござる!」


 さっきまでぐったりとして疲れきっていたシオリがすごい勢いで元気になり食いついてきた。

 そんなにご飯が食べたかったのか、いや、昨日の夜も今日の朝もすごい食べてたし食べるのが好きなのだろう。


「屋台が結構出てるしいろいろな屋台を回ってみないか?」


 前世では屋台の店なんかそうそう見れなかったから気になっていたのだ。


「私も屋台回ってみたいです。いつも気になっていたのですが食べれたことがないので」

「では、料理の屋台が集まっている広場に行くでござるか」


 そこは何というか壮観だった。どう言ったらいいだろう、夏祭りの出店が全部食べ物系になっている感じだろうか。めちゃくちゃいい匂いが四方から漂ってきている。この空間はやばい、何を食べるか見て回っているだけで時間がなくなってしまいそうだ。

 2人には場所取りをしておいてもらって1人で買いに行く。シオリは肉の串焼きをクリスはパンの中に肉などが挟まれているもの、ハンバーガーみたいなものかと思ったがサンドイッチの方が近かったをとりあえず買いに行く。串焼きは10本かな、シオリがどれくらい食べるのか分からないから多めの方がいいだろう。サンドイッチっぽいのも6個買っていく。

 あとは俺の好きなやつなのだがどうしようか、美味しそうなのが多すぎる。

 肉まんみたいなやつがあったのでそれにした。ただ中身は何なのか知らないのでどんな中身なのか期待しておく。

 両手に大量に料理を持って2人の元へ戻る。

 2人に食べ物を渡して食べ始める。2人はお金を渡そうとしてくれたがここは俺のおごりとして、払っておく。買い物に付き合ってもらったお礼だ。


「それにしても、クリスのさっきの服屋でのシオリのコーディネートはすごかったな」

「本当でござる、拙者あんなに着せ替えられるとは思わなかったでござるよ」

「あれはちょっとはしゃぎすぎました。普段自分がコーディネートされる立場だったので他の人をコーディネートすることがなかったので」


 そんな感じで他愛もない話をしながら食べていく。それにしてもどれもこれも美味しい。俺が選んだまんじゅうはあんこのようなものが入っていた。肉ばっかだったのでいい口休めになる。肉は美味しいのだが何の肉なのか分からないので少し怖いが気にしないようにしよう。美味しいものは美味しいそれでいいのだ。

 ちなみにシオリはとなりですごい勢いで平らげていっていたり。本当にその体のどこにその量のものが消えていっているのだろう。


 ご飯も食べ、生活に必要そうなものも全て買ったので宿に戻る。

 宿に戻ると早速クリスに魔法を教えてもらうことになった。シオリも魔法に興味があったようで俺と一緒にクリスから教えてもらうことになった。


「それでは最初に2人の魔法の適性を調べたいと思います。この石を持ってもらって風だったら風の精霊に乞い願うと言っていただきます。そして、石が反応するかしないかと反応の強さで適性を調べます。精霊は全部で7種いると言われています。風、水、火、地、光、闇、無、時の精霊です。それではシュンさんからやってみてください」


 クリスから渡された石を持って唱える。


「風の精霊に乞い願う」


 すると、豆電球くらいの明るさで光った。

 おお、この強さがどれくらいなのかはわからんが風には適性があるようだ。


 他のやつもばんばん調べていく。

 光ったのは風、火、地、水、闇、無、時だった。

 そして火と時を調べた時は眩しくて目が開けられないくらい光った。無は普通の電球くらいで水と闇は豆電球くらいだった。悲しいのが地で本当にぼんやりと光っただけだった。

 全属性が眩しくなるほど光ることを期待していたのだが流石にそれはなかった。全くティナのやつは優しくない。最強を目指せとか言うならそれくらいのサービスはしてくれてもいいものだと思う。

 ただクリスの反応は面白くて、途中からもう苦笑いしているだけになっていた。やはりこんな多くの属性を使えるのは珍しいのだろうか。


「え、えーとシュンさんは6種の精霊が使えるってことですね。私が知ってる中で最も多くの精霊を扱える人で5種でこの方は数代前のエルフの代表だったのですがエルフ史上で1番大戦に勝ち上がった方です。この方より多いとかシュンさんって本当に人ですか?」

「人だな、人じゃなかったら俺は一体何になるんだ」


 人ですか?と言われてしまった。これは俺が異世界から創生神によってこっちに転生されたと言うことを伝えた方がいいのだろうか?笑い話になるだけだと思って言ってなかったがいい機会かもしれない。


「2人に言っておきたいことがあるんだ、さっき人って答えたけど、俺は異世界から創生神によって転生させられてこっちに来た人なんだ、昨日こっちに来たばかりだ、だからこっちの世界のことは何も知らないし昨日何も持っていなかったんだ」

「………」


 2人が反応をしてくれない。いや、ちゃんと反応はしているのだが2人で顔を見合わせている。


「嘘みたいな話だけど本当なんだ」

「そう、ですか。まぁ私も昨日なんであんなところであったんだろう?とかいろいろ疑問に思っていたので腑に落ちるところもあります。それに創生神様がこちらに呼ばれたのならこの魔法の適性も納得がいかなくはない話です」

「そうでござるな、転生などと言われてもよくわからないでござるがここで嘘を言っても何もないでござるしな」


 とりあえずよかったのかな?2人には信じてはもらえたようだ。


「じゃあ、次はシオリの適性を調べてみよう」


 とりあえず、魔法の適性の方に話を戻してみる。


「さっきのシュン殿の結果の後にやるのはなんだか嫌でござるな、まあ言っても仕方ないことでござるな」


 シオリの結果は風と無の2種だった。風は豆電球くらい無はぼんやりと光ったくらいだった。


「シオリさんは普通の反応で安心しました。シオリさんのように剣士なのに2種も使えたらいい方だと思います」


 俺に対する含みのある言い方のようにも聞こえないではなかったがここは笑って流しておこう。

 そういえばクリスの適性はどうなんだろう?


「クリスの適性ってどうなんだ?」

「やっぱり聞いてきますよね、本当は2人の結果が普通だと思ってたので言って驚かせようと思ってたんですがシュンさんがぶち壊してくれました。私の適性ですよね、私の適性は風、水、光、無の4種です」

「それって多い方なんだよな?」

「はい、エルフの代表は大体が4種です、少ない時は3種で代表の時もあります。まあ私達エルフは種族柄魔法の適性は結構高くて、特に風の精霊によく好かれます。逆に火の精霊と相性が悪いらしく、なかなか適性の者がいないのです」

「なるほど、じゃあクリスが風を調べたら眩しいくらい光るのか?」

「そうですね。たぶん光ると思います。では、適性も調べたのでこのまま魔法についての説明をしていきたいと思います」


 今日の授業は魔法についての説明で終わった。なかなか興味深いことが多かった。

 魔法というのはこの世界では精霊の力を使って行使するのが普通らしい。だから精霊に乞い願うなんだな。そして、魔法を使うときに精霊に自分のマナ、前世的にいうと魔力と精霊の力とを合わせることで威力を調節するらしい。魔法は使いすぎるとマナ欠乏症になるので気をつけないといけないらしい。

 そして、無詠唱はこの世界では結構普通らしいのだ。高位の魔法使いは大体無詠唱らしい。ただ無詠唱はマナの量が詠唱より必要とされるので唱えられる時は唱えた方がマナ欠乏症になりにくくていいらしい。

 無属性の魔法は空間魔法など多岐に渡るのでクリスも全ては把握していないらしく、知っている魔法を教えるとのことだった。また無属性は適性度によっては使えないものもあるらしい。

 そして驚いたのが時属性だ、これはまず適性の人自体が珍しいらしい。だからあまりどのような魔法なのか知られていないらしい。クリスも知らないようで時の魔法の魔道書か時の精霊と話すことが出来たら使い方が分かるようになるとのことだった。

 そう、精霊と話ができるらしい。これは適性が高くないとダメらしいが火と時は話せるだろうと言われた。クリスは風の精霊と話したことがあるらしい。精霊と話すにはその精霊の所縁の地に行くのが1番言いそうだ。たくさんいるから話しやすいのだろうか?時の精霊の所縁の地は知らないとのことだった。


 今日の授業はこんな感じだろうか。すごい長かった。前世で勉強していた時と同じ気分になって、魔法という興味ある分野じゃなかったら確実に寝ていた。シオリは少しうとうとしていた。


「それでは、明日の修練の時にでも初級の魔法を試してみましょう」

「なるほど、なら朝は早く起きて寝坊しないようにしないとな」

「不安なら拙者が起こしてあげるでござるよ」


 それはいいかも知れない。毎朝起こしてもらえるとか最高で朝からやる気マックスになるだろう。ただ、なんとなくダメ男的な感じがしないでもないので頑張って自分で起きるとしよう。


「いや、やっぱ自分で起きるよ。ちゃんとした生活送るためにも自分で起きれるようにならないといけないと思うしな」

「そうでござるか、それはいい心がけだと思うでござる」

「ちょっと残念ですね、あまり起きないようなら魔法を使って起こすっていうことをしようと思っていたのですが。でも寝坊したらそれで起こしてあげますね」

「あははは、わ、わかった」


 クリスなりの冗談だったのだろうか?いや、目がマジっぽかったな、試してみるのもいいかも知れないがどんな魔法で起こされるか怖いので頑張って起きるとしよう。


 この後は何事もなく夕食を済ませて、なんとなく始めてみた腕立て、腹筋、背筋、スクワット100回3セットを寝る前に行う。


 これにランニングを足したら最強になる代わりにいつかハゲてしまうのだろうか?


 そんなことを考えながら眠りについた。




次回更新は12日の予定です。

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