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少女の思い
少女の一言があり場が凍っていたが、すぐに蓮は少女に何が欲しいか問う。
すると、無垢純粋な満面の笑みで大きな花を選んだ。
「これがいい」
「本当にこれで良いのかい」
「うん」
「じゃあどうしてこれがいいの」
「お母さんが病気で寝込んでるから、大好きなお花いっぱい見せてあげようと思って」
「そうか、これでお母さんを喜ばせてあげてね」
「うん、ありがとうお兄ちゃん」
「どういたしまして」
ペコリと頭を下げると少女は体いっぱい使って、ギリギリ持てるほどの花束を抱き締めて駆けていった。
その状態を見守っていた大人たちは先程まで我先にしていたことが恥ずかしくなったのか、俯いていた。
「じゃあ続きをしましょうか」
錬の言葉でみんな続ける意思を見せたが、先程までの熱意を感じなかった。
その状況を見て錬はニヤリと笑ったが、その事に気づいた人間はごく少数だろう。
「では次の番号は『ガラガラガラガラ』26番です」




