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リーチ
BINGOも中盤に差し掛かりごく少数だがリーチで立っている人がいる。
そのなかには錬の仲間もいるのだが、一応仲間の社長なので錬は心のなかでは落胆していた。
(身内が一番始めにBINGOすれば実質マイナス無しで参加費だけふんだくれるのに。誰か立ってくれ)
そんな思いと裏腹に仲間は立つ事なく立って欲しくない男がトリプルリーチだと言い立ち上がった。
「錬、君の作戦は迚素晴らしいよ。だけど、運がボクを選んだみたいだね」
にやつきながらガストンはBINGOの紙を見せつけてくる。
72を引き当ててしまうとガストンがトリプルであがってしまう。
だが、錬は薄々感じていた。
次に72が来ることを。
なぜならこのBINGOにはバレずらいように細工を仕組んで老いたからだ。
錬は箱を持つ手が震え次の番を引けずにいた。
「さぁ次を引いてくれよ」
ガストンの声で会場にいる人々が固唾を飲んで次の番号が発表されるのを待った。
錬は恐る恐る次の番号を引こうとすると一人の少女が立ち上がり駆け寄ってくる。
「一列揃った」
少女はこの場を凍らせ一言を無垢で純粋な笑顔で言い放った。




