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柚科葉槻の怪談噺。  作者: 柚科葉槻
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そういえば伯母の家で起こったこと。

 今年の三月、父方の祖母が亡くなった。

 痴呆症や胃ろう・心臓の手術など大変なこともあったが、彼女も老衰で静かにこの世を去った。


 さて、彼女は群馬県前橋市にある老人ホームで亡くなり、出身地もその土地であったから、そのまま自宅に戻ることなく市内の斎場に移され、葬式が行われた。

 本当は都内在住の伯母(父の姉)にこちらまで来てもらわないといけないのだが、生憎伯母は体調を崩していて、参加を見送った。

 葬式自体は厳かに終わり、彼女は荼毘に付された。


 そして約一ヶ月半後、お世話になっている前橋市内のお寺で四十九日の法要が執り行われることになった。

 その頃には伯母の体調も良くなっていたこともあり、ちょうど近くに住み始めた私が彼女をエスコートして地元へと戻った。


 二、三日伯母の家は留守になるが、元々某セキュリティ会社を入れていることもあり、それほど心配なく家を出る。


 そして翌日の朝、セキュリティ会社から連絡が来た。

 曰く、階段と廊下を見張っていた人感センサーが反応した、と。


 警備員が急行し確認したが、窓が割られているといったような不自然な点は見当たらなかったという。


 法要を終え、また伯母をエスコートして彼女の家まで帰って来た。

 警備員の言う通り、不審な点はない。

 高齢な伯母に変わって中の様子を先に見てくるのは私の役目だった。

 その時の緊張感は今でも震えそうなほど覚えている。


 結果は何もなかった。

 荒らされたような形跡も、何かが盗まれるといったことも。


 何もないのに人感センサーが反応することはごくたまにあるらしい。

 例えば窓越しに鳥などが通った際の影や、太陽光などである一点が温まるなどして。


 ただ、単純にタイミングが良すぎたのだ。


 伯母の様子を見に、祖母が家までやってきたのか。

 それともよく伯母宅に来ているらしい伯父が、祖母を弔うのため帰ってきたのか。


 そういえば祖母は老人ホームに入る前、私や兄がなかなか二階の自室から降りてこないと、よく様子を見に階段を登ってやってきていた。

 今回も祖母は、階段を登って子供や孫たちの様子を見に来たのだろうか。

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