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再び地元の友達から聞いた話。1
お菓子屋さんの友達から、再び不可思議な話をいくつか聞けた。
一つは彼女の家が管理している土地に現れた人物について。
彼女の家の前に、道を挟んで小さな土地がある。
土地といっても低木と茂み、雑草が生えたちょっとした空き地だけであり、特にこれといって何かに使っているわけでもない。
場所も道路と歩道橋と畑に囲まれたような扱いにくいところで、たまに手入れをするくらいの土地であった。
そんな空き地に夜、女がいた。
発見した友達のお母様曰く、見かけたことのない女の人。
彼女は何かをそこに埋めていたように見えたらしい。
自分たちの土地ではあるが、夜半の闇の中、奇妙な女に近付く勇気はない。
次の日になって、お母様は例の女がいた場所に向かった。
何か痕跡でも残っているかと思ったが、しかし何も無かったという。
土をいじったような跡も、人が居たような形跡も。
散歩していた人がたまたま入り込んでしまったのか、それともその土地に何か用事があった人なのか。
それ以来、その女は現れていないらしいので、真相は分からない。