第一話 とある俺、ダンジョンに異世界転移する!?
残酷描写は保険です。題名はまた変更するかもしれません。
とある俺は、毎日のように異世界妄想して小説サイトに足繁く通っていた。今日の夜は、風呂上がりにベッドで小説を読んでいたうちに眠ってしまったようだ。
「ん?」
俺は、身を起こした。周りは切り取られたような岩壁が広がっている。上下左右も全部岩壁だ。どうやら、ここは洞窟か何からしい。壁にはロウソクがあり、ほの赤い光で洞窟内を照らしている。
「ここはどこだ……?」
向こうの方が開けているので出口だろうか。
しかし、そちらから悲鳴のような声とモンスターのような鳴き声が、おどろおどろしく響き渡った。
「こ、こえー……」
思わず逃げ腰になり、気弱な声が口から洩れた。
熊か何かの巣穴だろうか。
歩こうとして、何かに毛躓くところだった。
視線を下げると、宝箱があった。ビンが数本入っている。
「な、なんだ? ■スイッチ<美味しいフルーツ味>?」
ご丁寧にもラベルにしっかりとそう書かれてあった。
清涼飲料水みたいなジュースだろうか。
そういえば、さっきから妙な喉の渇きがある。
しかも、美味しいフルーツ味という興味を惹かれるジュースが手元にある。
そのうえ、どことなく異世界チックではないか。
「宝箱を開けたから飲んで良いはずだよな?」
俺は気楽な気持ちで、喉を鳴らしながらそれを飲み干した。
「う、うまいぞ!」
飲んだことがないほど美味だった!
【ブルーガは、スイッチを収得した!】
「何か知らんけど、美味かった! ブルーガって、もしかして俺の名前なのか?」
俺は首をかしげる。が、いくら考えてもわかるはずがない。
「まあ、難しいことは良いか!」
俺は上機嫌で残りのビンを手に、そのまま出口に向かった。
【これは、とある俺ブルーガの、ダンジョンでアイテムを集めて街で売ったり買ったりしながら生活していく、行き当たりばったりだけど何故か上手くいく、楽しい暮らし&ときどきスイッチな小説である!】