参観日の家族参加型授業で嫁たちが無双する(その9)。
連続更新3日目です!
「よくも我の素顔を晒してくれたな!」
悪魔はそう言って睨みつけてくるが、タレ目のぽやぽやした顔つきで睨まれても怖くない。
「覚えていろ!絶対貴様は殺してやるからな!」
悪魔はそう言うと空間へ溶け込むように消え…させない。
「なっ?!何故転移できぬ?!」
「俺が首根っこを掴んでいるからな」
「それなら貴様もろとも転移するはず!」
「転移されないように踏ん張っているからな」
「先程吹き飛ばなかったこといい、貴様の『踏ん張る』は一体どうなっておるのだ?!」
過去に飛ぶのも耐えられるくらいだから空間跳躍を耐えるくらいわけは無いのだろう。
自分でもどうしてこんなことが出来るのか分からないけど。
「逃げたいなら奪った魂を吐いていけ」
「矮小な人間の分際で何を…」
俺は拳を握りしめて悪魔の腹に当てる。
「お、脅しても無駄たぞ!お前は女の腹を殴れないのだろう?」
「それならこうするか」
俺は悪魔を後ろ向きに小脇に抱えると手を振りかぶった。
「おしりペンペンなら許されるからな」
「なあっ?!そんな屈辱的なことをされてたまるか!それに女の肌に傷を付けてもいけないのだろうが!ん?貴様、床に手を当てて何をしている?
「いや、久しぶりにやるから復習をしてるんだ。はあっ!」
俺は床に対して零距離の掌底を放つ。
ぱんっ
軽い音がするが、床はなんともなっていない。
「な、なんだ。びびらせおって!うわあっ?!」
いきなり周囲3メートルくらいの床が陥没して俺と悪魔はそこに落ち込む。
「これが外に傷をつけずに内部に攻撃をする技、『外無傷内部攻撃掌底』だ」
「名前がそのまま過ぎるのじゃ!」
すかさず久遠がツッコミを入れてくれる。
「お父さんが技名を教えてくれなかったからな」
「それならあとでカッコイイ名前を考えるのじゃ。それより早くそやつのおしりペンペンをして魂を吐き出させるのじゃ」
「じゃあさっそく…」
「いやだあああああっ!」
足をバタバタさせて泣きわめき始める悪魔。
「そんなことされたら死んじゃうからーっ!魂なら吐き出しますっ!だから離して!離してくだしゃいいいっ」
泣いている上に話し方まで変わったぞ。
この話し方の方がのほほんとした顔に合ってるよな。
「先に吐き出せ」
「う、うげっ」
悪魔が何かを吐いたような仕草を見せると、むくりと副担任たちが起き上がる。
「全部吐いたよ!だから逃がしてよお!」
「その前に教えろ」
「なにをだよ?」
「お前の名前は?」
また舞い戻ってくるかもしれないから名前くらい把握しておかないとな。
「私の本名って真名のこと?アメ…リアだよ(ドゴンッ)ひ、ひいっ?!」
俺が床を殴ると悪魔のパンツが少し濡れた。
ちょっとやりすぎたかもしれないがいい加減なことを言わせる気は無い。
「嘘はいけないな」
「うう、だって悪魔が真名を明かすとそいつに服従しないといけないんだもん」
「それなら通り名でいいから」
「私の通り名はもっと嫌だあっ!」
「じゃあ『アメリア(仮)』でいいや。俺は綿山レイジだ。よく覚えておけよ?もし復讐を考えるなら俺だけを狙うんだぞ。もし俺の周りの者にちょっかいを出したら」
「出したらどうなる?殺されるのか?!貴様にそんなこと出来ないよな?」
「お前の上司は男の悪魔か?」
「そうだよ!私なんかよりずっと強い大大大悪魔なんだからね!」
「それならお前の上司の所に行って挨拶させてもらおうか」
「ひいっ?!」
俺の顔を見てガクガクと震えるアメリア(仮)。
「じゃあな。二度と来るなよ」
「く、くそうっ!もっともっと強くなって必ず復讐してやるからな!私の魔名は『狂気の悪魔ソルベス』だ!忘れるな!」
俺が彼女を解放した瞬間、悔しそうにそう言って姿を消した。
悪魔って真名と通り名以外に『魔名』っていうのがあるのか。
今度戻ってくるなら男の上司付きの方が戦いやすいから助かるんだけどな。
「はっ?!私は一体?」
「私たちは確かに魂を奪われたはずでぇす」
俺は慌てて会場に戻ると、丁度Aクラスの副担任と担任が目を覚ましたところだった。
「それよぉりも試合放棄をした綿山レイジは負けでーす!」
「勝手に決めるなでござる!そもそもレイジ殿のおかげで魂を取り戻してもらったのでござるぞ!」
アヤメさんはそう言ってくれるが、別にそいつらに感謝されようなんて思ってやった訳では無いからな。
「とりあえず子守りの続きをするか」
「その必要は無いわ」
そう言ったのは審判役の先生ではなく、学園長だった。
「学園長がなぜここにぃ?!」
「これだけ盛り上がっていて私が見にこないわけがないでしょう?それよりももう勝負はついたわ」
「本当でぇすかあ?!やっぱりこいつが負けたのでぇすねえ!」
「違うわ」
学園長が俺の方に向けて右手を上げる。
「この勝負はレイジくんの勝ち!つまりFクラスの勝利よ!」
「なぜでぇすかあ?!そんなばかぁなあ!」
信じられないのは俺も同じだ。
一体どういうことだ?
「それなら見てみなさい」
学園長が指さしたのは俺が子守りをしていた部屋。
そこではすやすやと女の子が眠っていた。
「ど、どうして寝ているのですかぁ?!」
「レイジくんを待っていて、待ちくたびれて寝たのよ」
え?なにそれ?!
俺の苦労は一体…
「それでもエリアンが先に寝かしつけたはずでぇす!」
「先生、申し訳ないが俺は寝かしつけることは出来なかった」
「なぜですかぁ?!」
「一緒に遊んでいたら目が冴えてしまったらしくてな」
そう言いながらも悔しそうな様子は見せないエリアン。
「俺の負けだレイジ」
そう言って手を差し出してくれるエリアン。
俺はエリアンの手を取りがっちりと握手をする。
その時双方のクラスから大きな拍手と歓声が沸き起こった。
「何を言ってるのでぇーす?!Fクラスなんてゴミに負けて、恥ずかしいとか思わないのでぇすかあ?!」
「恥ずかしいのはどちらの方かしら?Aクラス担任ボラード・バルブ。そして副担任のルイス・エビン」
学園長はすっと彼らの後ろを指さした。
そこには捕縛された8人の副担任の姿があった。
さらに子守りをしていた女の子と瓜二つの女の子が6人も!
「彼女たちはあなたたちの地下研究室から救い出してきたわ。まさか禁忌とされているホムンクルス製作を研究してクローンを作っていたなんてね」
「くっ!」
「さらにはセヴィスという合成獣を作り出し、そこに悪魔を降ろして邪な願いを叶えようとは…許し難い所業よ!」
「ふふっ。ふふぅふふふふうっ!」
ボラードは妙な高笑いをすると胸元からスイッチのようなものを取り出す。
「まさか爆破装置?!」
「甘いでぇす!そんなものではありませぇん!これは…」
「さっき魔法陣を作り出したスイッチか!」
「そうですぅ!それポチッとお!……は?あれぇ?」
いつの間にか手の中のスイッチが無くなって慌てるボラード。
「ど、どこへいったのですかぁ?!」
「ここよ」
「マリア姉さん!」
持ち前の超スピードでスイッチを奪ってくれたらしい。
「いつ私を呼んでくれるかと待っていたのに、出番が来なくて残念だったわ」
「え?マリア姉さんも対抗戦に出てくれるつもりだったの?」
「家族だから当たり前でしょう?なのにお嫁さんたちばかり当てにして…でも役に立てたみたいで良かったわ」
「おのぉれえ!だぁが甘いわあ!なぜ副担任のクローンが居るのに私のクローンが居ないと思ぅう?」
ん?そういえばどうしてなんだろうか?
「こういうことでぇえすうっ!うおおおおおおおおっ!」
ボラードは自らの服を引き裂きながら巨大化していく。
ゴンッ
「あぐわっ?!」
屋内だから巨大化し過ぎて天井にぶつかったようだ。
「くそぉっ!外に出るぞお!」
窓を突き破りながらボラードはさらに巨大化していき、ついには身長30メートルの巨人になった。
「どうだぁ?!恐ろしぃだろう!」
「ダメだ!みんな見るんじゃない!」
誰もが巨大化したボラードから目を背けた。
なぜなら下着も含めた服全てが破れているため、大切なところが丸見えになったからだ。
「もうっ、光の精霊よ!」
するとフィーネが慌てて光の精霊の力で見えなくしてくれた。
ナイスだ!
「そんなことをしなくてもぉ、すぐに私は全てを超越した姿になるのですう!」
ボラードの皮膚が不気味に脈打ち、鱗のようなものに覆われ、さらには頭に角が生えて翼まで生えてくる。
その姿はまるで…
「ドラゴン?!」
「そうですうっ!これこそがぁ世界最強の、ギガントドラゴンなのですうっ!」
お読み下さりありがとうございましたm(_ _)m




