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参観日の家族参加型授業で嫁たちが無双する(その2)。

あけましておめでとうございます!

今年も嫁100をよろしくお願いいたします!


追伸 レイジのチームがひとり足りてませんでしたので久遠を加えました。申し訳ございませんm(_ _)m

実戦的合気道『永源会』の創始者であり明日香先輩の祖母である永見真琴。


女性でありながら他流試合を好み武道の世界に彼女ありと恐れられた猛者だと言う。


今は会長の座を退いて世界を『武者修行』して回っているという、生涯現役の生ける伝説だと先輩から聞かされていたのだが…。


全く気配を感じさせずに俺の横に来れるなんて、俺の身内以外では初めてじゃないだろうか?


それに普通に立っているだけなのに…どうやって勝てばいいのか想像が付かない。


どう考えてもこちらがやられてしまう気がする…と思えてしまうのが先程おばあさんが言っていた『相手の気を飲む』と言うことなのか?


「ほっほっほ。まさかわしに勝とうと考えるとは、さすが綿山徹人の息子じゃな」

「お父さんを知ってるんですか?」

「もちろんじゃ。しかし今は明日香の戦いを見届けようではないか」


改めて舞台上の二人を見ると少しずつ間合いが狭くなっていく。


しかも間合いを詰めているのはムエタイの使い手であるフルモルではなく、合気道の使い手である先輩の方だった。


「合気道は基本的には受け身なのではないですか?」

「父親から合気の基本は学んでいるのじゃろう?」

「そうなんですが、俺は不器用なものですから脱力無しの力ずく合気なので」

「ほっほっほ。相手の力と自分の力を合わせて自在に操れるのであればそれも立派な合気じゃ」


じゃあそれで良かったのか。

合気道って奥が深いんだな。


「明日香と戦ったのじゃな?」

「ほんの少し投げ合いをしただけですよ。綺麗に投げられましたけどね」

「ほっほっほ。だから明日香がひとつ上の『くらい』に達しておるのじゃな」

「え?」

「お主との戦いで明日香は進化したのじゃよ」


進化?!


ジリジリ間合いを詰められていたフルモルは一瞬下がりかけたが、ギンッ!と鋭い眼光と共に気合いを入れ直し、一気に間合いを詰めながら右手でジャブのような素早いパンチを放つ!


ぱんっ


巨漢のパンチとは思えないほどの軽い音がしてフルモルの右手のパンチは先輩の右手によって払い除けられる。


「な?」

「どうした?来ないのか?」


不敵に微笑む先輩が何とも魅力的で、それが俺の嫁さんなのが何とも嬉しいことだ。


「うおおおおおっ!おおおおっ!」


無数にパンチを放つフルモル。だが明日香先輩はその全てを余裕の表情で払い除けている。


「兄さん!何故蹴りを使わないんだ!」

「うるさいうるさいっ!何も知らない奴が偉そうに言うな!くそおおっ!」


いつの間にか舞台の端まで追い詰められているフルモル。


「相手が下がるように捌いていたのか」

「ほっほっほ。しかも捌きながら蹴りを出せなくしていたのじゃな」

「まさかそれがひとつ上のくらい?」

「そうじゃ。相手の攻撃を捌く時に相手におもりけていくようにしておるのじゃ。見よ!」


「くっ!」


フルモルの攻撃が止み、突然床に膝を着く!

有効そうな攻撃を受けた訳では無いのになぜ?


「体が…重いっ?!一体どうなっているんだ?!」

「もう終わりだよ。ふふっ」


そう言うと先輩はフルモルの額に右手を銃のような形にした指先を押し当てる。


「さよなら…ばーんっ」

「うがあっ?!」


先輩の声で本当に銃で撃たれたかのようにフルモルは仰け反り舞台から落ちていく。



「勝負ありっ!勝者、永見明日香!」



「やった!先輩っ!凄いっ!」

「ふふっ、見てくれたかレイジくん。これが私の新しい力だよ!…っておばあ様?!」

「何じゃ、お前の旦那様の横に居たのに気づいておらんかったのか」

「面目次第もございません」

「目の前の相手と旦那様に集中し過ぎじゃな」

「だってえ、レイジくんと勝負した時に掴んだヒントから編み出した技を見て欲しくって」


そう言いつつ少し頬を染めてモジモジする先輩が何とも可愛らしい。


「相手に錘を架けていくように荷重を加えて動きを封じる合気、『錘架かがね縛り』じゃな」

「えっ?この技の名前があるのですか?!すると…私が初めて作ったのじゃなくて既にある技?」

「まだその先もあるのじゃが…」

「くうっ!いつかおばあ様も知らない合気の技を作ってみせます!」


そうして舞台から降りてきた先輩は俺の胸に飛び込んでくる。


「おかえりなさい、先輩」

「ただいま…その、なんだ」


先輩がじっとこっちを見つめてくるので、その頭をなで…


「何じゃ、キスするのかの?」

「「違いますっ!…えっ?」」


俺と先輩の声がハモり、おばあさんの方を見たらもうそこには誰も居なかった。


「合気で高速移動とかできるの?」

「近い間合いを一瞬で詰めることは出来ても目にも止まらない速さの移動とか出来ないはずなのだが、…おばあ様は普通ではないからな」

「ともあれ(なでなで)お疲れ様」

「あっ、う、うん」


先輩の頭を撫でるとそのまま俺の胸に額を押し付けてきてくれる。




「くそっ!さては魔術を使ったな?この卑怯者め!」


とエリアンが地団駄を踏んで悔しがっている。


「無手であれば魔術でも催眠術でも有効なんだろ?」

「ちっ!」


俺が言い返すと忌々しそうにエリアンは舌打ちする。



さて、敵陣に飛び込んだクイーンを何で狙ってくるかな?


「エリアン兄さん、ここはナイトでクイーンを取りましょう!」

「そんなことは分かっている!」


エリアンはかなり苛立っているようだな。


「俺はナイトでクイーンを取るぞ!クイーンを取る時の競技は球技で俺が選ぶのは!」


スックと立ち上がるエリアンの兄たち6人。


彼らはすでに同じユニフォームを身につけており、その身長の高さからも彼らの行う競技が伺える。


「バレーボールか!」

「フッ」



「ハンドボールだっ!」


それを聞いてバタバタと倒れる俺とノリの良い一部の嫁たち。


「ハンドボールは7人だから1人足りないぞ!」

「何を言っている?7人目は俺だ!」


ブレイブチェスには相手チームの代表者が出る時はこちらも代表者を出さなければならないというルールがある。

だから今回は俺も強制参加だ。


しかしハンドボールか。

体育の授業で少しやったくらいでそこまで得意じゃないけど…みんなはどうなのかな?


「拙者、ハンドボールのルールは学校で覚えたでござる」

「うちらは球技なら何でも得意やで!」

「わてらにまかせとき!」


忍者である赤羽アヤメ、人気アイドルグループBWAに所属する双子の桃山ももやま真綾まあや沙綾さあやが参戦表明してくれる。


「どうやらワレの出番であるな」

「ツバサ?その口調はどうしたの?」


『わたくしは…』とか『…ですわ』『…ですの?』とか言ってたのに?


「フィーネにワレはもっと個性を出したらどうかと教えられたのだよ」

「ツバサさん!それは内緒のはずですのに!」


ああ、フィーネとツバサの口調がほとんど同じだから変えてもらったのか。

この前フィーネの部屋にツバサを引っ張って行ったのはその相談のためだったんだな?


「ツバサが出るなら我も出よう」


次に立ち上がってくれたのは白虎神のブラン・ティーゲル。

一人称が同じ『我』でもイントネーションが違うんだな。ツバサの『ワレ』は何となく関西っぽい感じがする。


「『虎に翼』ということわざ通りの活躍を見せよう」


猫に小判的な?


「どちらかと言えば鬼に金棒じゃ」

「えっ?久遠、俺何も言ってないけど?」

「そこは夫婦だから通じたのじゃ」

「凄いな久遠!」

「照れるのじゃ!それより早く整列するのじゃ!」


赤くなっている久遠も参加してくれて、俺たちはコートの中央に整列する。



「なんだ、そんな奴らで勝てると思っているのか!俺のアルト兄さんたちは全員プロのハンドボール選手だぞ!」


何でもハンドボールはルーマニアではサッカーに次ぐ人気スポーツでプロリーグまであるらしい。



「特別ルールで前後半10分、間の休憩は2分だ!」


そりゃあ駒を取るたびに普通の試合の長さは出来ないよね。



「いくぞっ!おらっ!ボールをよこせっ、」


いきなりのラフプレー!

ボールを持っているアヤメに大きな体ごとぶつかって行くような動きでボールを奪いにかかる選手A!


名乗らなかったしエリアンも教えてくれなかったから彼らのことはABCでいいよね。


(決して名前のネタが切れたわけじゃないから!という作者の叫び)


それはさておき、彼らはプロのハンドボール選手と言ってたけど、エリアンの家族はみんな格闘家とか言ってたから、あんなラフプレーはお手の物なのだろうな。


それこそ審判の死角を突いてうまくやっているつもりなのだろうけど…


「甘いでござる」

「なっ?!増えた?!」

「分身の術でござるよ」


アヤメがAに触れられる直前で左右に分身し翻弄する。


「ボールを持っているこっちが本物か!」

「違うでござる」


Aが右側のアヤメに触れると煙のように消えて、いつの間にかもう1人のアヤメの方がボールをドリブルしてゴールに向かっていた。


一体どうやったんだろ?

あとで聞いたら教えてくれるかな?


「シュートでござるっ!あっ!」


シュートしようとした所を、持っているボールをBに叩き落とされて奪われてしまう。

おしいっ!


どうやら初めていい勝負が出来そうで楽しくなってきたぞ!

お読みいただきありがとうございました!

今年も皆さんに幸多かれ!

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