参観日の家族参加型授業で嫁たちが無双する(序章)。
三日連続更新の三日目です!
追伸。嫁の数を双子一人扱いにしてました( ´•_•。)全部で25人です!
次の授業は数学だ。
「…というわけで、この答えは何になるかなあ?ディスクくぅん?」
ダークエルフのディスクはこのFクラスでトップの成績であるだけではなく、学年でも3位という頭の良さだ。
「15aです」
「正解でぇす。やはり君ィはこんなFクラスよりもボクちんが担任するAクラスに来るべきだねぇ」
「お断りします」
と即答するディスク。
このレキュラムというAクラスの担任(35歳で髪の毛薄いオッサン)は数学の授業に来るたびにあんな風に言ってはディスクを引き抜こうとしている。
まさか参観日にも言うとは思わなかったけど。
「それに僕がAクラスに行く意味はありません」
「なぜだぁい?まさかSクラスに行きたいとか言うんじゃないよねぇ?」
「いいえ。このクラスはすぐにAクラスなど追い越してしまうからです!」
ザワッ!!
保護者たちから「そんな事できるはずが…」「今年のFクラスは違うというのか?」などと驚く声が漏れる。
「良く言ってくれたぞ!ディスク!」
「そうだよな!俺たちはSクラスがライバルなんだ!Aクラスなんか目じゃないよな!」
「ディスクくん、ステキ!」
クラスメイトたちが口々にディスクを褒めたたえ、決意を新たにする。
「くぅっ!それならば、午後からボクちんのAクラスとこのFクラスで『特別対決』をするぞぉ!チミ達は保護者たちの前で恥を晒すがいいぃっ!」
そう言うと授業中にも関わらず、先生は出ていってしまった。
「なあ、はやて。あとは自習ってことでいいのかな?」
「レイジの言う通りだと思うよ。でも午後の特別対決の練習をした方がいいよね?」
「特別対決って、予定にない臨時的な対決だったよな?」
「どちらかクラスの担任が認めたら出来るそうだから、やることは確定だね」
『特別対決』は一方的に申し込める代わりに、相手に種目を決める権限を与えるというデメリットが存在する。
「やっぱり俺たちが最も得意な騎士戦だよな?」
ジェイソンは立ち上がって拳を振り上げるが、ディスクがそれを否定する。
「いえ、今の僕たちのレベルではAクラスに勝てません。だからここはクラス代表戦でレイジに闘ってもらってはどうでしょうか?」
「俺が?みんながそれでいいのならやるけど?」
俺がそう言って周りを見渡すと、
「頼むぞレイジ!Aクラスの奴なんか一撃粉砕だ!」
いや、粉砕はさすがにしないと思うぞ。
「ぶっちぎりで勝ってくれよ!」
え?レースなの?粉砕しろって言うから格闘技かと思ったけど?
「レイジの頭のキレを見せるっす!」
頭のキレも要るの?!代表戦ってどういう競技なんだ?!
「代表戦はクラスの代表同士が『ブレイブチェス』で対決するっす!」
ブレイブチェスとは駒ひとつひとつに『競技』が記されたチェスで、相手の駒を取る時にその競技で勝負し、勝ったら駒を取る事が出来るが、負けると元の位置に戻されてしまう。
ただしポーン(一番弱い駒)とキングで取る場合に限り、競技は行わないとのこと。
「でも今日は普通の代表戦にはならないわよ」
そう言いながら教室に入ってきたのはうちのクラスの担任のリビア先生(三つ編みメガネで自称永遠のハタチ)だ。
「参観日には特別な対決になると決まっているのよ。それは家族参加の対決よ!」
各々のクラスの代表者とその家族が一緒に代表戦をするってことか。
「Aクラスには15人兄弟のエリアン・バセスクが居るわ。その両親も含めて17人で出てくるはずよ」
すごい兄弟だな。
日本なら大家族番組が取材にいきそうだ。
「バセスク家ってあの格闘一家の?!」
「知っているのかライジェン?!」
クラス1の情報通、ライジェン・サンメンゲンをみんなが見つめる。
「家族全員が様々な格闘技をやっていて、素手でも武器でもトップクラスに強いそうだ」
「知力で有名な人は居ないの?」
「そういう人は居ないけど、ブレイブチェスの競技は格闘や競走などの運動系が多いから、困らないと思うよ」
なるほど。
「代表はレイジでいいのだな?それなら家族を連れて屋内運動場に移動してくれ」
「人数制限は?」
「二親等以内なら何人でも良いことになっている」
「それなら久遠たちに出てもらえるな」
「無論なのじゃ!」
そして屋内運動場…というかドーム球場くらいの大きさがあるんだよなあ。
その中央に大きなチェス盤が置かれ、周りには代表者とその家族の座るエリアがあり、あちこちに様々な競技の準備がしてある。
そしてクラスメイトたちは客席エリアから見守ってくれる。
「ふっ、そっちは貴様を含めてたった10人か。それで我々バセスク家に勝てると思ったか!」
尊大な態度でそう言っている生徒がおそらくAクラスの代表者、エリアン・バセスクだろう。
14人の兄弟は上は30歳くらいから下は10歳くらいまでのようだ。
そしてただならぬ闘気を放っている彼の両親がその後ろで仁王立ちしている。
「ほう?あいつがFクラスの留学生くせにいい気になっている奴か?」
「そうだよ父さん!たかがEクラスに勝ったくらいでえらそうにしてやがるんだ!」
「我々バセスク家がどれほど優れているか、完膚なきまでに叩き潰して教えてやろう!」
「はい!父さん!」
盛大なフラグ立ててくれたから、これは折れってことだよな?
「レイジ、がんばって!」
客席から手を振ってくれるはやてに手を振り返して応えると、クラスメイトたちも次々に声援とともに手を振ってくれる。
こんなに友達ができるなんて、本当に留学して良かった!
「只今より、AクラスとFクラスの特別対決である代表戦を行うわ!」
いよいよ開始か。
進行をしてくれるのは体育教師のレノン先生(細マッチョな女性)だ。
「バセスク家は17人、綿山家は10人でいいのね?」
「まだ全員ではないのじゃ!」
「久遠、全員呼んだのか?!」
「当然じゃ!用事を済ませた者からここに来る手筈になっておるのじゃ!」
みんな来てくれるなんて嬉しいな。
でも、もう始まりそうだから参加は無理かな?
「慣例通り、代表戦の家族参加は試合終了までに来たら有効とするわ!」
それは助かる!
「では、開始!」
チェス盤の前に俺とエリアン・バセスクが座り…
「先手は俺だあっ!」
とエリアンは言うなり駒を動かした!
「勝手に先手を取るとかどこのデュエルだよ?!」
「先手後手は先に動かしたもの勝ちっす!」
はやてのつっこみにリアが答えてくれているのがここまで聞こえてくる。
「チェスはあんまりやらないけど…こうかな?」
将棋ならそれなりにやれる。と言っても俺はそんなに強くないけど。
チェスも指すくらいは出来るけど…これでどうだ?
「ふっふっふっ、そんなことしていいのか?ビショップがポーンの餌食だぞ!」
ビショップを取った時に行う競技は競技は『腕相撲』。
しかしポーンで取る時は競技を行わなくても取る事が出来るルールになっている。
「貴様はかなりの怪力のようだが、みすみす特技の駒を手放すとはな!」
「エリアン兄さん!ちょっと待ってください!」
「なんだ?シリアヌ?」
「それを取ると、17手先にクイーンが奪われます!」
「何だと?!貴様!謀ったな?!」
慌てて駒を動かそうとした手を引っ込めるエリアン。
いや、今の手はそこまで考えてなかったんだが。
「ふっ、危ういところだったな。しかしバセスク家の頭脳とも言えるIQ145の天才児シリアヌが居る限り、戦略において我らの敗北は無い!」
あの子はまだ10歳くらいの男の子なのにそんなに頭がいいなんてすごいな。
「それならレイジには私が力を貸そう」
そう言ってジャンヌが俺の横に座り、言うとおりに駒を動かしていく。
「エリアン兄さん、チャンスです!そこでルークがポーンで取れます!」
「今度は大丈夫だろうな?」
「17手先にチェック(王手)がかけれます!」
「よし!」
そしてしばらく盤面は進み…
「レイジ、そこでナイトを中央に移動させるのよ」
「わかった」
俺はジャンヌの言うことを疑うことなく指していた。
「そ、そんな馬鹿な!」
「どうしたシリアヌ?!」
「見えていた勝ち筋が消えた?!それどころか圧倒的不利な状況に?!」
「なんだって?!」
エリアンと俺は盤面を見つめるが、どこがどうなってるのか現時点ではよく分からない。
「チェスなど実戦に比べれば大したことないのよ」
そう言ってジャンヌは不敵に笑い、シリアヌは歯噛みをして悔しがる。
「だ、だがこのチェスは競技を行わなければ駒を取られることは無い!バセスク家はどの競技でも負けることは無いのだ!」
エリアンは定石を無視していきなりこちらの本陣にクイーンを飛び込ませてきた!
「ここならポーンは届かない!そして全ての競技で勝てば我々の勝ちだ!」
「それはどうかしら?」
「なにっ?!」
そこに現れたのは遅れて到着した俺の嫁たちだ!
「全部で25人の嫁だと?!」
「みんな美女や美少女ばかりじゃないか!」
「なんてうらやましいっ!」
さあ、ここから一気に勝負を決めるぞ!
お読み下さりありがとうございました!




