嫁が五人増えるの?!
お盆連続投稿二日目!
「なんと、レイジは陛下の姪の斎姫を助けに?」
「あの工房に居るらしいんだが、何とか助け出したい」
「だが助けたならば関わった者は族滅となろうぞ」
「族滅?」
「一族根絶やしにされるのだ」
うわあ。
もし斎姫を見つけた時に慌てて助け出していたら、あの工房の関係者が一族根絶やしにされるところだったのか。
危ない危ない。
「それならやっぱり焼かれたフリをさせて助けるしかないか」
「陛下の目の前で焼くのにどうやってごまかす気ぞ?」
「ジャンヌの時は幻影と爆薬を使ったけど、今回は兵馬俑の中に居るわけだから声だけで十分だな」
「へいばよう?」
「俺の時代の強兵筒の呼び方だよ。で、焼くのは明後日なんだな。じゃあそれまでに準備をしておくか」
「どうするつもりぞ?我は力になれぬか?」
「手伝ってくれるの?」
「我の夫になってくれるのであれば手伝おうぞ」
「それなら…俺は綿山レイジ。君の名前は?」
「我は紅。奴隷ゆえ名字は無い」
「そっか。じゃあ俺と結婚してくれる?」
「当然ぞ」
ここに嫁リストの巻物は無いけど、何だか彼女とつながった感覚がある。
「祝言を上げたわけでもないのに、何だか心が温かくなったぞ」
「俺と結婚を誓うだけで本当の夫婦になれるんだよ」
「なるほど、ならば…」
「じゃあ作戦を教えるから手伝って…な、何をしてるの?」
「何をとは?」
「いや、どうして急に服を脱ぎ始めたのかなって?」
「当然夫婦がすることをするためぞ」
「それはまだ俺が学生だからだめっ!」
「ガクセイ?」
「詳しくは未来で話すから!…あっ、未来に連れていける人数大丈夫かな?確か連れていけるのは斎姫ひとりしか無理って聞いていたけど」
「なんだと?!」
『その心配はない』
「え?誰?この声?」
「この声は白虎神様?!レイジにも聞こえるのか?!」
『まだ若き女神であるロリーナは過去に力をほとんど及ぼせぬため、小人数しか時代を超えさせれぬ。しかし我ならば賛族全てを未来に送ることができよう』
「それは誠ぞ?!」
「えっ?どういう意味?」
「無論、我の仲間たちもレイジの嫁となるということだ!」
「えっ?それって確定事項なの?」
「我と、蒼と黒と白と闇のことだ」
書き出された名前を見て首をかしげる俺。
「なんで闇だけ色じゃないの?黒とかぶってるっぽいし」
「奴隷になる時に五行の色を我らに付けられるはずだったが、『黄』は皇帝の色であり王としての読み方も持つので逆の意味の闇をあてがわれたのだぞ」
「何だか気の毒だな。でもあんちゃんとかヤミちゃんなら可愛らしいかも」
「可愛らしいと言っても我らは全員20歳ぞ」
「年齢とか気にしなくていいよ。俺の嫁さんには4000歳以上の人とか居るから」
「それは仙人ぞ?」
「神様だから」
「まさか…嘘ではないだと?我の旦那様は誠に偉いお方ぞ」
「いや、偉いのは俺よりも嫁さんたちのほうなんだが」
それにしてもロリーナは4000年以上生きているはずなのに白虎神から見たらまだ若い神なんだな。
神様の年齢の概念ってどうなってるんだろ?
『神の年齢は人間の言う年齢とは別のものだ』
「ちょ、白虎神様?!心の中の疑問に答えないでもらえます?!」
『つまり、我くらいの『年齢』になれば時間も心も自由に見通せるのだ』
「要は女神ロリーナは格が低くて『年齢』が『人間の年齢』の範疇だから過去に干渉しづらいってことですね?」
『ほう。賛族のように野性味あふれる筋肉をしていながら頭も回るとは…紅よ。良い相手を見つけたな』
「はっ!これで賛族の再興は間違いありませんぞ!」
そうは言っても当分子供は作れないんだけどなあ。
紅さんに襲われないように気をつけないと。
ともあれ、俺は紅の家から出て再び工房へ戻ることにした。
「ただいま戻りました」
「おおレイジ?!宮殿の者に連れ去られたからもう戻らないと思っていたぞ!」
「とりあえず許してもらえたので。置いていったお金は迷惑料だから取っておけとのことです」
「そうかそうか。戻ってきてもらってすぐで悪いが、さっそく手伝ってくれるか」
「はい」
俺が色々と荷運びをしていると、雑用をしている女性のうち一人と目が合った。
彼女は俺の傍に来ると小声で聞いてくる。
「紅様に連れ去られたお前がどうして戻ってこられたのだ?」
「もしかして、あなたが紅さんの言ってた賛族の人?」
「それを知っているということは、まさか紅様を?!」
「うん、嫁に…」
「縛ってあの豊満な身体に拷問をして私たちの秘密を聞き出したのだなっ?!」
「いや、そうじゃなくて」
まずい、敵だと思われたか?
「そういうことをするのなら、この私にしろっ!」
「は?」
「つまり貴様は紅様より強いのだろう?そんな相手なら望むところだ。さあさあさあ」
そういって服をはだける彼女の柔肌から荒縄が見える。
まさか自分で自分を縛ってるの?!
「賛族って変わった人ばかりなのかな?ところであなたの名前は?」
「私は黒だ。どす黒いの『黒』と書く」
「いや、女の子の名前にその例え方はどうかと思うけど」
「20歳の私を女の子扱いだとっ?!そ、それもなかなかイケる…」
感極まったようにそう言うとプルプルと身震いして恍惚の表情を浮かべる黒さん。
いかん、この人は重度なM体質だ。
とりあえずあとで紅さんから黒さんに事情を説明してもらうとして、仕事の続きを…待てよ、齋姫のことを黒さんに手伝ってもらった方が早いんじゃないか?
「とりあえず簡単に説明をするけど、紅さんは俺の嫁になった」
「ふむ」
疑わないんだ。
「それで賛族の残り4人も俺の嫁になったほうがいいと紅さんが白虎神様から言われていた」
「ふむふむ」
「というわけだけど何か質問ある?」
「……」
あれ?反応がないぞ?
「……わ、私たち全員を嫁にするだと?!すると紅様が正室で、我らが側室?…お前は、いや、あなた様はもしや何処かの王家のお方?!」
「いや、普通の高校生だし」
「コーコーセイ?煌々星?星の王子様なのか?」
どんな当て字をしたんだよ?
そもそも星の王子様って概念あるのか?
それとも女神様が付けてくれた翻訳機能でそうなったのか?
「俺は100人嫁を貰えることになってるんだ。全員同格の正室って扱いでね」
「なんだって?!」
「ん、どうしたんだレイジ、コク?」
黒さんが急に大声を出すから親方がびっくりして聞いてきた。
「あっ、何でもないです!さ、仕事仕事」
「レイジ…様。あとで聞かせてもらいますから」
「わかった」
一日の仕事を終えて食事を食べた俺は誰も居ない土間の隅で黒さんと話をした。
「つまり齋姫を助けるというのだな?」
「だから手伝ってもらえますか?」
「もちろんだ。だがその前に、私を嫁にしてほしい」
「うん。黒さん、俺の」
「黒さんっていうのはちょっと…」
「黒ねえさん?」
「うっ、ちょっとキュンとしてしまった…だがどちらかと言えば貶めるとかあざける方向で」
「え?」
「豚女とかババアとか」
「自分の嫁になる人にそんなこと言えないけど…」
そもそも普通に美人なんだよな、彼女。
胸がつつましくて背も低いからちょっと子供っぽいけど。
「じゃあ、小娘で」
「小娘っ?!ううっ、20歳の私が小娘?!」
ブルブルブルブルっと全身を震わせていた黒さんは『はうっ』っと言って後ろに倒れていくので俺は慌てて彼女を支えた。
「黒さん、黒さん、しっかりして!」
「小娘とはなんと甘美な響き…」
よくわからないけどすごく喜んでいるみたいだ。
「俺のものになってくれ!それで二人っきりの時だけ『小娘』って呼ぶから、人前ではは『黒さん』って呼ばせてよ」
「はい!私はレイジ様の玩具ですっ!いかようにもお楽しみください!」
そういうと懐から長い荒縄を取り出した。
ずるずると出てくる荒縄は所々が太くなったり細くなったりしており、あちこち結び目も付いている。
「さあ、私を好きに縛ってくださいっ!」
「本当にそういうのが好きなんだな」
「ええ、締め付けられて束縛されるとキュンキュンするんですっ!」
「そっか、それならこれでどう?」
俺はぎゅっと黒さんを抱きしめると
ぎゅうううううううううううっ
と、強く強く抱きしめた。
「は?はふ?こっ、この締め付けはああああっ?!」
ぎゅぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐっ
腕が体に食い込むくらいに、いや、こうなったら
ぐるん、どさっ
「あっ」
俺は黒さんを抱えたまま床に倒れるように横になる。
もちろん自分が下になるようにね。
「これで両足も使えるな」
「あ、足も?!」
俺は両足で彼女の太ももからふくらはぎに掛けて絡みつくようにして締め付ける。
「あああああっ、いいっ!すごくいいのっ!」
「こら小娘、声を抑えろ。誰かが来たらやめるぞ」
「でもお」
「じゃあ、こうしてやる」
俺は汗を拭くのに使ったタオルで猿轡をしてやる。
「ああああああっ!れいひはまのあへのひほひー(レイジ様の汗のにおい)!」
案の定喜んでいるみたいだ。
しかしこのままだと抱きついているのと変わらないよな。
両足はうまく絡んでいるけど、腕はどうしたら…まてよ?
この足の絡み方って、プロレス技っぽくないか?
俺は立ち上がると黒さんにコブラツイストをかけてみる。
「んうううううううううううううううんっ♪」
喜んでる喜んでる。
続けて逆エビ固め。
「ふもおおおおおおっ♡」
猿轡してなかったら絶対誰か来るな。
最後は大技!
ロメロスペシャルだっ…って身長が違い過ぎて何か違う形状になってしまう。
「はうんっ」
びくっびくっびくっ
「…」
「小娘?…黒さん?黒さん、大丈夫っ?!」
慌てて下ろして猿轡をはずすと、黒さんは人には見せられない顔で昇天していた。
とりあえず俺は黒さんを寝床に連れて行こうとしたんだけど、この工房は男女別の相部屋だから女性の部屋に入りにくいので、仕方なくこのまま土間で黒さんを抱きしめて寝ることにした。
「レイジ様あ、もっと強くう…むにゃむにゃ」
夢の中までやってるとかすごいな。
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