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まだまだ瑠璃のターン!土曜日はデートだよ!

大変お待たせしました!

まだまだ瑠璃のターン!土曜日はデートだよ!



「ねえ、瑠璃。夕べはすっごい笑い声が聞こえていたんだけど」

「腹筋を鍛えてたのよ」

「え?どういうこと?」

「夕菜の番の時にしてもらうといいわ」

「嫌な予感しかしないんだけど…エッチなことじゃないのよね?」

「当然よ」

「当然なのじゃ!フィーネが屋敷内に放っている光の精霊や湯気の精霊の他に、音の精霊も居て、エッチな声だけ遮断されるようになっておるのじゃ!」

「えっ?じゃあそのあとすごく静かになったのって…」

「夕菜!違うから!二人とも疲れて寝ただけだから!」

「瑠璃、先に体験した時は言ってよね。私もすぐに追いつくから」

「だから違うってばあ!」


俺の前でなんて会話を…。

でも俺たちは恋人同士じゃなくて夫婦だからそういう事をしてもかまわないんだろうけど、なるべく『自重』はしないと。


俺はまだ高1なんだからさ。


「それで瑠璃たちはどこにデートに行くか考えたの?」

「「あっ」」


夕べは色々あったからすっかり相談するの忘れてた!


「ふうーん。相談するのを忘れるくらいいちゃついていたのね」


夕菜の眼のハイライトが消えてる?!


「もう!わかったから!じゃあ最初・・の時は二人一緒で!親友同士だからそれでいいよね?」

「えっ?そこまでのつもりじゃなくて…」

「ならお先にー♪」

「わかったからっ!その時は呼んでもらうわ!私もそうするから」


初めてねえ…うん、キスの事だなと現実逃避。


「レイジよ、心配無用なのじゃ。レイジは例え異種族はもちろんどんな相手でも無事に・・・子を成せる体になっておるからの。その上で、望まなければ子供はできないのじゃ」

「え?」

「そうでなければ100人の嫁の旦那は務まらないのじゃ」


なるほど、子供が出来すぎても困るから、計画的にできるってわけなんだ。


「旦那様はすごいですわ。こんな話をしていても『じゃあやりたい放題だな!ガルル!』とか言って野獣になりませんのね」

「フィーネ、またネットで変な小説読んだな?」

「わたくしは成人ですからR18小説でも読み放題ですわ」


実際フィーネって何歳なんだろ?


気になるけど謎が多い方が神秘的でいいよね。

とか言って聞く勇気が出せないのをごまかす俺。


「ねえ、あなた。デートに行くなら動物園がいいの」

「動物園かあ。長らく行ってないなあ」


瑠璃と動物園デートってのはいいかもしれない。


「あなたも動物園好きなの?」

「そうだな。動物自体好きだからね」

「どこの動物園が好き?」

「そうだなあ。サンディエゴ動物園かな?」

「え?えっと、どこそれ?」

「アメリカにある世界最大の動物園だよ」

「あっ、覚えてる!アニキが園内遊覧バスから落ちた女の子を助けようとしてライオンの群れと戦ったのよね!」

「え…?」


絶句している瑠璃。


「あの時はマリア姉さんも一緒に戦ってくれたし、カレンだってバスから援護射撃・・・・してくれただろ?」

「そうだったわねえ。カレンちゃんったらあとで『危険物を持ち込まないでください』って警察で怒られていたけど、『その場で作った』って言って警察署でぱぱっと簡易的な銃を自作して驚かせていたわよね」

「す、すごいのね、綿山家の人って」


瑠璃はもちろん夕菜やかなみたちも驚いているようだ。


「さすがにそこまでは行けないから、近場にしようか」

「それなら遊園地も付いた赤井動物園がいいな」

「よし、じゃあさっそく行こう!」

「待ってて、お弁当作るから」

「じゃあ、頼むね」

「でも材料あるかなあ?」

「こんなこともあろうかと、食材はたくさん用意してあるし、ご飯も炊いてあるのじゃ!」

「久遠はすごいな」

「もっと褒めていいのじゃぞ。でも、今日は瑠璃の順番ターンじゃからなでなではまた今度でいいのじゃ」


差し出しかけてささっと頭をひっこめる久遠。


「じゃあ、支度して待ってるからお弁当頼むよ」

「うん まかせて!」




4時間後。


「どうしてこうなったのかしら…」

「まさか二人とも電車の中で寝過ごすなんて」

「ここって○○県よね?戻るのに2時間くらいかかるかしら?」

「もうこの辺りの動物園でいいんじゃない?」

「でも、時間があまりないかも」

「大丈夫。ホテルに泊まるから」

「えっ?!まさかああいうの?」


瑠璃が指さす先のホテルには『ご休憩』という文字が。


「あそこは学生じゃ入れないと思うけど」

「学生じゃなかったら入るつもりだったの?!」

夫婦・・だからどこに泊まってもいいんだよ。でも、できればもっと落ち着く雰囲気の所がいいなあ」

「夫婦、夫婦、レイジくんと夫婦…ああ、夢じゃないのよねえ」

「何を今更」

「だって、夕菜と同じ人を好きになったんだよ?どっちかは失恋するって思ってたんだから」

「そもそもどうして俺の事を好きになったの?」

「ひとめぼれ…かな」

「え?」


俺みたいに乱暴でがさつな男にひとめぼれしたって?


「あなたっていじめとか見過ごせないじゃない。それで中学校の時にあなたが虐められている1年生を助けているところを見たのよ」


うーん、どの話だろう?

そういうのは色々あるから覚えてないなあ。


「サッカー部の1年生たちが先輩にしごかれていて、足の遅い子が先輩たちに蹴られていたのを止めていた時の話よ」

「あっ、俺が1年の時の話か」

「あの時、3年の先輩たちを恐れもせずに立ち向かって、しかも『蹴るなら俺を蹴れ!』と言ってあなたを蹴らせて、蹴った先輩たちが足を挫いて転げまわっていたのを見た時に思ったのよ。『なんて素敵な人なんだろう』って」


う、そんなストレートに言われると照れるなあ。


「その時は夕菜や他の友達も見ていたんだけど、夕菜は…それは夕菜から聞いてあげてね。で、他のお友達はみんなあなたのことを怖がっていたわ」

「まあ、そうだよね。いつものことだし」

「そのせいもあって、中学校では告白しづらかったのよ。『孤狼のことなんか好きなの?』って言われるのが怖くて」

「そうだったんだ」

「でもね、その時に告白しなかったから、こうやって夕菜と一緒にあなたの嫁になれたのよね。本当に良かったわ」

「そう言ってもらえると嬉しいよ。俺も瑠璃や夕菜のこと素敵な女性だと思っていたから」

「どこが?やっぱり見た目?私に告白してくる人ってみんな外見ばかり褒めるのよね」

「さっきひとめぼれって話をしていたけど、内面から一目惚れする機会ってなかなかないと思うんだよね。瑠璃の事は最初見た時に可愛い子だなって思ってよく見ていたら、いつも明るくて活発で、部活でも好成績出していたりして、俺にとっては雲の上の存在だったよ」

「もう、大げさだよう」


くねくねもじもじして俺の腕をつねってくる瑠璃。


「だから俺なんかが付き合えるとは欠片ほども思っていなかったけどね」

「そうなんだ。じゃあ嬉しい?」

「うん、とっても嬉しいよ」

「えへへへ。そういうふうに言われるとすごく嬉しくなるね」


そう言って頬を赤らめる可愛い瑠璃が誰かの物にならなくて本当に良かったよ。


「そろそろ移動しようか」

「じゃあ、どこに行くかはあなたが決めてくれる?宿泊先は私が決めるから」

「わかった」


そして俺たちは駅のベンチでスマホ検索をして行き先を探した。


「ねえ、宿泊先を調べていたら、面白い所見つけたんだけど」

「何?」

「これ見て」


『久留井花鳥園』


「私、動物が好きだけど鳥はもっと好きなのよ!遠いから行けないと思っていたけど、ここまできたら明日の朝早くに出発して3時間くらいしたら着くと思うんだけど」

「じゃあそうしようか。それなら今日はあまりあちこち回らないようにしようかな」

「ねえねえ、この旅館はどう?近くに小さな遊園地もあるし」

「どれどれ…ここなら短時間でも遊べそうでいいな」

「じゃあ旅館予約しておくから、経路調べてもらっていい?」

「わかった」


何だか二人で手分けしてこういうことしてるのって、恋人っぽくていいな。

…ってすでに夫婦だったんだ。

でも、楽しいから良し!



というわけで『かえで市立遊園地』なんてお役所の経営している小さな遊園地に行ったけど、安い!


入園料は市民は300円で市外の人は1500円。

だけどこのかえで市のインスタをフォローしたら500円になるんだって。


うまいこと町おこし(市おこし?)してるなあ。



「ねえねえ!すごいよ!遊園地なのに牧場がある!」

「あっ、本当だ!」


かえで市は養豚業に力を入れていて、『もみじポーク』というブランドの豚肉の知名度アップを図っているらしい。


「あとでここの牧場レストラン入ろうか?」

「可愛い子ブタさんを見たあとに食べるとか夕菜なら無理かもね」

「瑠璃は平気?」

「目の前で殺されるとかじゃなければ大丈夫よ」

「じゃあ、遊園地一周してからここに来ようか」


遊園地の乗り物は全部で10。

値段は格安でジェットコースターでも1回100円で、ほとんどの乗り物が1回50円だ。


お客さんもそれほど多くないから大して並ばずに全部の乗り物に乗ることができる。


「ねえねえ、あれも乗らない?」

「あれって、パンダバージョンは見たことあるけど、ブタバージョンは初めて見るなあ」


それは無造作に道端に置いてあった大きなブタ。


10円を入れると手足が動いてゆっくりと歩いてくれるんだ。


「あなた、一緒に乗らない?」

「えっ?そもそも子供用だよねこれ?」


結構大きいけど、大人が乗っているのって見たこと無いよ。


「いいからいいから」


とりあえず二人で乗って10円を入れてみる。


ういいいいん

ういいいいん


「おお、ちゃんと歩くぞ」

「きゃあきゃあ!楽しいっ!」


すると向こうから遊園地のスタッフさんが駆け寄ってきた。


「あっ、もしかして怒られるかも」

「えっ?そうなの?」


駆け寄ってきたスタッフさんは怒るどころかにっこりとほほ笑んでこう言ってくれた。


「よろしければお写真撮りましょうか?」

「え?」

「スマホかカメラを貸していただければ撮影しますよ」

「あの…二人乗り良かったんですか?」

「たぶん大丈夫と思いますけど、壊れたらそちらのガタイの良い彼氏さんが直るまでの間バイトとして子供たちを乗せてもらいますから」

「「ええっ?!」」

「うふふふ、冗談です冗談」


なんてお茶目なスタッフさんだ。




とりあえずブタさんは壊れずに済みました。

そしてその後もスタッフさんは俺たちに付いてきてくれて、乗り物にの折っている写真をたくさん撮影してくれました!


「サービスいいですね!」

「できればこの写真をインスタやツイッターに上げてもらうと嬉しいんですけど」

「あげますあげます!」

「そうよね。こんなにサービスしてもらったんだもの」

「ありがとうございます!」


そういって頭を下げるとスタッフさんは立ち去って行った。


最後に乗る予定の観覧車の撮影はせずに。


「あれ?観覧車の撮影ってしてくれないのかな?」

「気を利かせてくれたのよ」

「え?」

「もう、こういう時は鈍感なんだから」


そう言う瑠璃と観覧車に乗ってゴンドラが上がっていくと、暗くなってきたので夜景がとてもきれいだ。


「ここって小さい遊園地だけど、観覧車だけ大きいんだな」

「それにゆっくり回るから15分くらい乗っていられるんだって」


そう言って正面から俺の隣に移動してくる瑠璃。


「あなた。今日はすごく楽しかったの」


そう言って目を閉じる瑠璃。


え?初めては夕菜と一緒じゃないくていいの?


…まさか瑠璃たちの言う初めてって『アレ』のこと?!


でも動揺している暇はない。

目の前で可愛い嫁が唇を差し出しているのだから。




観覧車が一番上に差し掛かった時、俺たちは優しいキスを交わしたのだった。

お読み下さりありがとうございます!

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