5話
目が覚めると普段の日常だった。
学校に行く準備をし、学校に行き、テストを受けた。
80点。勉強してない俺がこの点数を取れるのはまさに奇跡、友人にも先生にも驚かれて俺は鼻が高い。
「ただいまー!」
俺は軽い足取りで家の階段を登り部屋のドアを開けた。
そこにはタイムマシンと一枚の紙。
「なんだよこれ」
一枚の紙を手に取る。
これはタイムマシンである。数学で100点を取れ。
そしてこれは俺自身がタイムリープしている。
あまり文字のバランスが整ってなく下手な字。俺の字だ。しかし、上の文と下の文の文字は少しバランスが違っていてとてもじゃないが俺が書いたと思えなかった。
「俺が…タイムリープ…している?」
タイムリープはアニメの中だけの話だと思っていた。しかし、目の前のタイムマシンを見てこれが現実であると言う事を悟った。
「なんで…」
何故タイムリープをしているのか、数学で100点を取らないといけないのか、考えても考えても馬鹿な俺の頭ではわからなかった。
「俺はこれからどうしたらいいんだ…」
ダンダンダン!
母が階段を登る音がする。母はタイムマシンの事を知っているかどうかわからない。
「ちっ」
俺は小さく舌打ちして。この状況を切り抜ける為に考えた。
「瑛太ー!」
俺を呼ぶ声がする。もう少しで俺の部屋に入ってくるだろう。
「なにー!」
「部屋あけるよー!」
咄嗟に思いついた行動。これしかない。
「アーッ!」
「何?!どうしたの?!」
俺は限界まで雄叫びをあげた。
「ゴーキーブーリー!!!!」
「キャアアアアアアアアア!!!!!」
ダンダンダンダンダン!!
母が悲鳴に近い叫び声を上げながら急いで階段を降りる。母は虫が大の苦手でその中でも1番嫌いなのはゴキブリだった。
「…行った?」
部屋の扉をゆっくり開けて辺りを見渡す。どうやら母は行ったようだ。
「ふぅ」
俺は安堵の声を出す。
「んでなんだっけ」
話を問題に戻す。俺は再び紙を持ってタイムマシンを見つめる。
「俺はおそらく何かしらの理由があってタイムリープしている。そして数学で100点を取らねばならない…」
俺の今回の数学のテストは80点。紙を見た感じおそらく今回もタイムリープをするだろう。
「これがもしアニメの世界だったら…」
瑛太はタイムリープ物のアニメを見るのが好きだった。だからこそ何故俺がタイムリープしてるのかを馬鹿でも考えることができた。
「…100点を取らないと大変なことが起きる…」
至極当たり前のことだが瑛太は馬鹿なのでその程度のことしか考えられない。
考える瑛太が辺りを見渡すと、机の上にテストの答案が置いてあるのが目に入った。
「これなら」
タイムマシンに物を持ち込めるかはわからない。でも、タイムマシンの横に置いてあった紙に答えを書けば間接的にテストの答えがわかる、瑛太はそう考えた。
「あ」
重大なことに気づいた。たとえここにテストの答案を書いたとしてもタイムマシンを発見するのはテストの後、つまり、紙に答案を書いても意味がない。
「じゃあどうすれば…」
頭に手を当てながら考える。しかし、普段全く勉強していないツケが回ったのか何も思いつかなかった。
ピロン!
スマホの通知が鳴った。
スマホを手に取り通知を確認してみる。
『今ひま?ラーメン食いにいこうぜ!』
友人からのメールメールだった。ラーメンを食べに行きたかったったがあいにくそんな場合ではない。
『わりぃ暇じゃないわ、また今度食べに行こうぜ』
断りのメールを送信しようとした時ある事が瑛太の頭をよぎった。
「アイツに聞けばいいじゃないか」
俺がタイムリープ物が好きなのは知っている。だからこそああ言う話をすれば付き合ってくれるはず。そう信じるしか無かった。
『まかせろ!すぐ行く!』
断りのメールを取り消して。俺は急いで家を出る準備をした。
「母さん!友達とラーメン食べに行ってくるわ」
「あんまり遅くならないうちに帰ってくるのよ!」
「はーい、行ってきまーす!」
友人とご飯を食べに行くのも少なくはないので母がすんなりと許可してくれたのはありがたかった。
俺は玄関を開けて友人がいるラーメン屋に急いで向かった。




