4話
「え?」
友人の一言に俺は唖然とした。
「な、なんで?」
少し声を震わせながら友人に投げかける
「えーだってさ、瑛太今回テスト勉強した?」
「してないけど」
「いつも馬鹿のに今回だけこの点数じゃん、そしたら実は何回かタイムリープして同じテストを受けてるって設定だったら面白そうじゃん」
「ないないない、タイムリープしても馬鹿は馬鹿だし」
「たしかに」
友人の考察に全力で否定しながらも可能性がゼロではない事が俺の頭をよぎる。
(もしこの世界がタイムリープしているなら、俺は何故数学で100点を取る必要があるのだろうか?)
俺はラーメンを足早に食べ切る。
「わりぃ!もうちょっとで電車乗り遅れそうだから帰るわ!後これお金!」
「お、おう、暗いから事故に気をつけろよ」
「また食べに行こうぜ」
「ありがと!また食べに行こうな!」
友人にお金を渡して俺は急いで店を出た。
もしもタイムリープをしてなら何故タイムリープしたという記憶がないのか、一体誰がタイムマシンを作り何故俺の部屋に置いたのか、色々な疑問が頭の中をよぎりながら俺は家に帰った。
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俺は部屋に戻り机の上に置いてあった一枚紙を見た。
これはタイムマシンである。数学で100点を取れ
改めて文字をよく見ると、達筆に憧れているような流れるような、また、文字のバランスがあまり整っていない。一般的に見たら下手な字と言われているだろう。
(一体誰が書いたんだろうな)
タイムリープといった友人?母?思い当たりそうな人は全て考えたがどれもその人の字が思い出せない。
(あれ?そういえばお父さんの字って見た事なかったな)
いつも仕事であまり家にいない父、家に帰っても書くべき書類などは母に任していたので一度の父の文字という物を見た事がなかった。
「お母さん!お父さんの職業ってなんだっけ?」
部屋の中から母を呼んだ、タイムマシンを見られたくなかったで部屋の扉の前から入らないように指示した。
「忘れたの?科学者よ、別に何かを発見したり発明したりしてないけどね。」
「忘れてたわ、ありがとう母さん」
母が部屋から離れた。
(お父さんがもしも、タイムマシンを発明したとしたら一体なぜ俺の部屋に置いたんだ?)
どんどん疑問が増えていく、時刻は11時を回っていた。
父にタイムマシンの事を聞きたいが次に父が帰ってくるのは1ヶ月後。
(mineで…)
スマホの電源を入れようとしたがあいにく充電が切れていた。
ダンダンダン
その時母が階段を登る音がした。
(なんでこんな時に…)
母はおそらくタイムマシンの事を知らない。
なら母が部屋に入ってくるまでにタイムリープしなければ─
「瑛太寝なさーい!」
母の声が近づいてくる。
タイムリープしたら記憶が消える、どうにかして過去の自分にタイムリープしてる事に気がつけさせなければ。
俺はパッと周りを見て何かいい方法がないか探した。
机の上を見た時、タイムマシンと一緒に置いてあった紙があった。
(これなら)
紙にはまだ余白があった。
「開けるよー!」
母がドアに手をかける。
「のわーーーー!!!!」
「わっ!」
俺は大声で叫んだ、ドア越しに母が驚いた声が聞こえる。少し戸惑っているように見える。
俺は急いで紙に文字を書いた。急いで書いたため文字のバランスが全然整っていないがおそらく読めるだろう。
すぐにタイムマシンを起動して俺は中に入る。
「飛べえええええ!!!!」
「ちょっとどうしたの!」
母が扉を開けた。
そこには瑛太の姿はなく。あったのは静寂の時を流れるただ平凡な机一つ置いてあった部屋だった。




