第4章 希少な家族が病院にやってきた日 ~看護師・佐藤美咲の視点 ~
看護師さん視点のお話です
私は佐藤美咲、奈良県立医科大学附属病院の看護師、28歳。
この病院で働くようになって5年になるけど、今日ほど心臓がバクバクした日はなかった。
朝のシフトが始まってすぐ、緊急連絡が入った。
「男性患者3名、ジン・パーティクル疑い。緊急保護指定。ドクターヘリで到着する予定。
集中治療室へ直行する。併せて男性用の個室スイートを準備してください。」
男性患者3名……しかも家族単位しかも男の子の双子。
この病院で男性患者を見る機会自体が少ないのに、3人も一気に来たなんて、前代未聞だ。
病院中の看護師が色めきたつ。
私もそうだが、女だらけの職場の看護師、男性との出会いなんてずいぶんない。
病室に急いで向かうと、すでに男性保護局の藤原凛さんが待機していた。
彼女の後ろに、ストレッチャーで運ばれてきた3人。
父親はまだ若い20代後半くらいの筋肉質な男性。
ガウンがはだけて胸板と腹筋が丸見えで、寝ている身体にバイタルセンサーがついている。
隣のベッドに双子の男の子二人。
色白で髪の長い子と、色黒で元気そうな子。
二人ともまだ眠っていて、無邪気に父親の腕にしがみついている。
……尊い。美男神と、天使がそこに寝ている。
思わず息を飲んだ。
父親の体……大胸筋の発達具合、ウェストのくびれ、腹筋の割れ方……完璧すぎる。
双子の男児なんて、この世界では10,000回に1回あるかないか。
男性の美しさの象徴のような父親と一緒にいる天使のようなふたご。
やはりこの奈良は、神が降りた土地なのだ。
「佐藤さん、バイタルチェックお願いします」
凛さんが冷静に指示を出したけど、私の手は震えていた。
父親の胸にパッチを貼りながら、つい指先が腹筋に触れてしまった。
固くて温かい。
(……やばい、こんな体触ったことない……)
この感触を、忘れないようにしないと。
今日の夜のおかずは決まった。
しばらくして父親がうっすら目を覚ました。
「ここは……どこだ……」
低い声、それでいて意思の強そうな声。
声だけでも妊娠するという感覚を味わった。
凛さんがすぐに説明を始めたけど、私はもう頭が真っ白。
他の看護師たちも廊下から覗き込んでいて、みんな目がハートマークになっている。
「男3人家族……可愛い……」
「パパさんの腹筋、すご……」
私たちは小声で興奮を抑えきれなかった。
父親がガウンを直す姿を見て、みんなで舌打ちした。
「ちっ……もう少し見せてくれれば……」
凛さんが即座に「セクハラです!」と注意したけど、みんなの視線は止まらない。
双子が目を覚ました瞬間、部屋の空気がさらに甘くなった。
色白の子がタケルさんの袖を握り、色黒の子が「お父さん!」と飛びつく。
タケルさんが二人を抱き寄せて「おはよう」と優しく言う姿……。
これはもう、ご褒美だわ。
凛さんがタケルさんを別室に連れて行き、私たちは双子を見守ることになった。
ヤマトくん(色白の子)は「お姉さんたち、優しいね」と微笑み、
ムサシくん(色黒の子)は「オヤツくれたよね!」と自慢げ。
二人ともタケルさんにべったりで、無邪気で可愛い。
私は思わず頭を撫でてしまった。
「またいつでも来てね……」
おやつぐらいならなんぼでも買ってきてあげる。
午後、病院に激震が走った。
凛さんが私を指名した。
「佐藤さん、今日は遺伝子提供のサポートに入ってください」
(やった……!あのタケルさんのサポート……見学だけでもラッキーなのに……)
私は心の中で叫んだ。
「あなたテニススクールに通っていると言っていたわね?」
「はっ、はい!今日も仕事の後に行く予定です。」
私がそう答えると、凛さんが
「タケルさんは、スポーツウエアの女性がタイプのようです。
着替えてからサポートに入ってください。」と言って去っていった。
……え?
周りの看護師たちが一瞬静まり返った後、爆発した。
「ええええ!? 美咲ちゃん、選ばれたの!?羨ましすぎる!!」
「テニスウェアでサポート!? 男の人はテニスが好きなの!!」
「凛さん、めっちゃ本気じゃん……私もテニスやっておけばよかった……」
「美咲ちゃんの脚、細くて引き締まってるもんね……羨ましい……」
「タケルさんの好みドンピシャじゃん! あの体でスポーツウェア見たら、絶対興奮するよ……」
私は顔を真っ赤にして、
「みんな、声大きいよ……!」
と慌てて制したけど、心の中ではもうパニック。
(テニスウェアで……タケルさんの前に……!?
今日のレッスンで履いてたやつ、持ってきててよかった……)
準備室で急いで着替えた。
黒のテニススカートに白のタンクトップ、動きやすいレギンス。
鏡を見たら、自分でもちょっとドキドキするくらいのボディライン。
同僚たちが周りを取り囲んで、
「美咲ちゃん、完璧!」
「脚長すぎ……タケルさん、絶対落ちるよ」
「私たち、見学だけでもいいから近くで見たい……」
と大騒ぎ。
「見学はダメだって! 凛さんが厳しいんだから!」
私は言いながらも、内心でワクワクが止まらなかった。
個室に入ると、タケルさんはすでにトレーニングウェアで座っていた。
凛さんは黒のスポーツブラトップとレギンスで待機中。
私がドアを開けた瞬間、タケルさんの視線が私に向いた。
「……最高だ」
素直に言われて、胸が熱くなった。
遺伝子提供室はリラックスムード満点。
柔らかい照明、香りのいいアロマディフューザー、専用ベッド。
タケルさんは少し照れながら、
「遺伝子の提供方法はどんな感じですか」と聞いた。
凛さんが説明を始めた。
「提供方法はカタログから選択ですが、今日は私がサポートします。
リラックスしたムードの個室で、マッサージを受けていただくことになります。
女性による施術に抵抗がある場合は、ご希望でしたら機械でのマッサージも可能です。
男性の安全のためにサポートが1人入ります。今日は佐藤が担当します。」
タケルさんは少し照れながら、
「引き締まった体型の女性がタイプだ。
2人のような魅力的な女性がいたら、協力しやすいかもな」と言った。
凛さんは頰を赤らめながら「了解しました」と頷き、
私も「はい……頑張ります」と返した。
マッサージが始まった。
凛さんがタケルさんの肩から背中を、
私が足から太ももを担当。
タケルさんの体は、触れるだけで固くて温かくて……
(すごい……こんな体、触ったことない……)
私は初めて触る男の体に大興奮だ。
そんなときタケルさんの手が動いた。
最初は不可抗力かなと思った。
でも、確かに意思を持って凜さんの太ももにタケルさんの手が触れた。
当然のことだが、凛さんは嫌そうな表情をせず、むしろ息を弾ませた。
(凛さんも興奮しているのかな?)
タケルさんが小さく呟いた。
「こういうのはルール違反なのかな……」
凛さんは首を振り、
「タケルさんなら……大丈夫です」
その瞬間、部屋の空気が変わった。
凛さんが何度も何度も愛されて
男性は1回サンプルを出したらそこで終了って聞いていたのに
「あなたが魅力的だから悪いんですよ。」と言って途中から直接・・・・・。
愛されすぎて凛さん動かなくなって。
男の人がこんなことをするなんて
そう思っていたら、気がついたら私も自分で慰めるしかなくて。
最初は凛さんだけを見ていたタケルさんが、
私にも視線を向けた。
「ああ、準備万端ですね」
男の人が蛋白だって聞いていたのに、
こんなにすごいとは思わなかった。
タケルさんは優しく、でも力強く……。
本当に素晴らしい時間だった。
あの後、直接たっぷりさせて頂いた。
タケルさんは終わった後、少し反省した顔で天井を見上げていたけど、
私たちは……もう、頭の中が幸せでいっぱいだった。
凛さんはベッドに崩れ落ち、息も絶え絶え。
私も足がガクガクで、立つのもやっとだった。
提供が終わった後、タケルさんは少し申し訳なさそうに、
「ごめん……やりすぎたか?」
と言ったけど、
凛さんは弱々しく微笑んで、
「タケルさん……ありがとうございます。過去最高の採取量です」
私も頷くのが精一杯だった。
(こんなにすごいなんて……)
病室のシーツに残る匂いを嗅いで、
みんなでため息をついた。
「やったんだ」
「やったんだ」
「やったんだ……♡」
「過去最高クラスだって……」
私も、心の中で同じことを思っていた。
退院の時、タケルさんは双子を抱き上げて笑った。
その姿を見送りながら、私は思った。
(明日香村に行っちゃうんだ……
また会えるかな……)
明日香村の古民家型施設に移動したという噂は、すぐに病院内に広がった。
「男3人家族が明日香村に……」
「双子がいるって……」
「パパさんの体、すごかったよね……」
私たちはシフトの合間に、SNSでこっそりチェックした。
まだ公式情報は出ていないけど、村の女性たちが「新しい家族が来たわよ」と噂している。
これから、きっと大騒動になる。
でも、私は少し羨ましかった。
あの家族を、毎日近くで見守れる人たちがいるなんて。
(また会えたらいいな……)
今日のシフトが終わったら、明日香村方面にドライブに行ってみようかな。




