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第九十六話 続くのかダンジョンボス

Sランク冒険者パーティーがボス部屋に入り、三十分ほどでボス部屋の門を開けることが出来る状況になった。

Sランク冒険者達の名前は、必要がある時に思い出そう……そう考えながら、ボス部屋に入った……

今回のボスは……【ゴブリンロード】だった。


四十五回目のボス戦も危なげなく勝つ事が出来た。

そしていつも通り宝箱は……ミスリル装備だった。


ボスを倒し一度入り口まで転移陣で戻る。


するとそこにはまだSランク冒険者パーティーがいた。

ダンジョンで会っているため、声をかけて宝箱について聞いてみた。


するとSランク冒険者は内緒だよと言って、宝箱の中身はミスリルインゴットだったと教えてくれた。


ここで魔物の卵が出なくて……「セーフ!」と僕は心の中で叫んだ。


Sランク冒険者パーティーはここで一度解散し、パーティーと個人に別れて行動するそうだ。

また次の月に集まる日を決めているそうだ。


僕はその言葉を聞き、それはそれで効率が良いと感じた。

必ずパーティーメンバー数に合わせた回数を一年で攻略し、魔物の卵が宝箱から出現したら売る。


自分達に必要な装備が出たら、今必要な人がそのアイテムを得る。

そしてインゴットも、何か装備品を作りたい人がもらう。


もっとレアな素材もあるようだが、ここのダンジョンのボスの素材とミスリルがあれば、Sランク冒険者に見合った装備が得られるという事だった。


~~~~~


そこからはまた僕とサクラのボス討伐が始まった。


……


宿屋に泊まった分の宿泊費を払いながら、ダンジョンボスと戦った数を数えなくなったころ、今まで出現しなかったダンジョンボスが現れた。


……


【グリフォン】が目の前にいた。


「サクラ! もしかしてパターンが変わった? 今回のボス戦は期待したい!」

そう言って僕は月光を構えた。



「そうねラウール。私も付き合うって言ったけど……毎日毎日ボスボスのボスって思って疲れてきちゃってた……」


ちょっと後半は口が回らないほど早口になっていたサクラ……



ごめんね付き合わせて……


「よし……ボスを倒そうサクラ! これで決まりだ!」


何が決まりかはわからないが、僕は猛スピードでグリフォンに迫った。


そして、一気に目の前にジャンプすると、首を斬りつけた。


コテン……


……一発で首を落としてしまった。


僕に首を斬られ絶命したグリフォンは、一瞬で僕のアイテムボックスXに収納された。


そして目の前には宝箱……


今度こそ……


僕の幸運値…………91の力をここで見せて!!



そう願いながら一気に宝箱を開けた。


そして、目の前には……






【魔物の卵】

そうラウールの解析さんは解析した。


「うぉっしゃーーーー!!」

柄にもない言葉で自分の身長以上に跳躍し、万歳の格好をしているよねこれはーー



「やったよサクラ! これって何かのパターンがあるのかな! もしかして、少ない数しか討伐していないからあの冒険者達はパターンがわからなかった嶽かな!?」


地面に着地した僕はサクラに何となく聞いてみた。



「どうなんだろう? 今まで魔物の卵が出なかったのもたまたまで、パターンはないかもしれないし……もう一回魔物の卵が出るまでダンジョンを周回する?」


ちょっとニヤニヤしながらサクラが僕に言葉を返してきた……


「イエシバラクハエンリョシマス……」



……

……



「何に魔物の卵を入れたら良いかな?僕のアイテムボックスXにも入るとは思うけど、時間停止しているし……。ここまで来て魔物の卵の時間が止まって、孵化しなくなっても嫌だし……。かといって、そのまま持って歩くのも狙われそうだしな~。」


困った僕だが、そこにサクラが何か思いついたように話しかけてきた。


「ラウール……昔私が使わせてもらった、マジックボックスはどう? あれなら時間停止がなかったと思ったけど。生き物は試したことはないけど……どうだろう?」


僕は悩んでしまった。

悩んで悩んで悩んで……

サクラの意見も良いけど、もっと何か良い方法はないか?


……

……


「もしかして……僕達がそのまま転移陣でもどって、受付にダンジョンから無事に戻った事だけ伝えて……何処かの物陰で宿に転移しちゃう? 転移陣で魔物の卵が無事なら、転移の魔法でも魔物の卵は大丈夫でしょ。そうすると宿まで歩いて魔物の卵を見られることもないし……。少しくらいの疑問があっても、ダンジョンから魔物の卵を持ってきたのか、持ってきていないのかをあやふやにして誤魔化せるんでない? ようは魔物の卵を生きたまま……誰にも見られないまま持って帰ったらいいんでしょ?」


「だったら、あの宿は防犯もいいし、転移陣で入り口に戻ったらすぐに転移して、宿に魔物の卵を置いて、またすぐ同じところに転移してきたら?そうしたらダンジョンの受付の人にも見られないし、移動の不自然さもないんでない?」


「そっか! その手があった! ダンジョンの中から外に転移は出来ないけど、ダンジョンの入り口にある転移陣の場所は転移しても大丈夫だものね。ただその一瞬を見られないようにしないとね。」



……何を言っているか分かりにくいが……



「だったら、ダンジョンの外の時間で夜になってからダンジョンから出る? 夜なら街にそんなに人はいないでしょ。」


「そうだね! 夜はよほどのことがない限り冒険者はダンジョンの中も移動しないものね。ダンジョンの外の時間だと、夜に怪我をすると治療院も教会もすぐに対応してくれないしね。」


そこまで話を煮詰めた僕とサクラは、夜までダンジョンの中にいることにした。幸いこのダンジョンのボス部屋にいても、他の冒険者の邪魔にはならない。

唯一攻略している冒険者達はさっき出て行ったし。


僕達はどんな魔物が孵化するかと想像の話をし、従魔の誕生を楽しみにしながら夜を待った。


……どうなるかはわからないけどね……



そしてようやく夜になり、転移陣で入り口に戻った。


戻ったところで一瞬で僕は消えて宿に魔物の卵を置いた。

そして次の瞬間には元の場所に戻ってきた……



「成功だよサクラ!」




魔物の卵は普通のバッグには入らない大きさなので、以前手に入れた大きめの背負い籠に入れ、外からは見えないように担いで歩いた(ふりだけど……)。


受付の人も夜だったが、ダンジョンから何故出てきたのかは問わなかった。


宿に戻るときは大通りを移動し、物騒な道にはそれず移動した。

そして夜であっても快くおかみのフーリンが起きていて迎えてくれた。


~~~~~


部屋に戻りラウールは思い出している。

魔物の卵には魔力を注ぐ。

魔物が孵化したら、なついてくれるか確認する。

どんな魔物が出るのかはわからない。


なついてくれなかったらどうしよう?

せっかくの機会だ。絶対になつかせて見せる。




孵化しないとは考えもしないラウールだった。


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