第九十五話 ダンジョンボスを繰り返す
ゴブリンロードを倒した後に宝箱が出た。
僕とサクラは魔力を宝箱に通してみた。
今回も罠はないみたいだ。
「サクラ、今回は僕が開けても良い?」
「良いわよ。ラウールが一番楽しみにしているみたいだしね。」
その返事を聞き僕は……両手で拝む格好をしてから宝箱を開いた……
【ミスリルインゴット】
残念!
普段なら良い物だけど、今回は……
僕は肩を落としてしまった。
「そんなに残念がらないで……素材ならら、私の大鎌に使えるから。」
「……そうだね、そう考えておくね。いっぱい素材を集めたら、それだけ良いロマンの大鎌を作れるって思っておくよ。」
そう話をして一度ダンジョンを出た。
こうして僕達の周回プレイが始まった……
二回目のボスはアースドラゴンだった。
初めてのドラゴンはダンジョンだった。
どれくらい強いんだろう?
アースドラゴンは土色で、全長が尻尾も入れると十メートルほど。
全高は三から四メートル位。
よく物語で見る、翼のないドラゴンだ。
そして僕とサクラを認識すると……大きく息を吸い込んだ。
次の瞬間には炎を吐き出した。
今までに戦った魔物の炎の魔法と比べても、一番威力がある。
僕とサクラは炎の範囲外に避け、左右に別れてかわした。
僕はドラゴンに向かい走り、月光に魔力を通した。
「サクラは魔法で牽制して!」
それを聞いたサクラは、魔法名だけ叫んだ。
「氷の棘連発!!」
サクラが放った氷の棘は連続してアースドラゴンに突き刺さる。
意外に行ける!
そう思った僕は勢いのままアースドラゴンの左前足を切り裂いた。
アースドラゴンは尻尾を僕に叩きつけようとした。
それを僕は避け、後ろに回り込み、右後ろ足を切り落とした。
そこでアースドラゴンがバランスを崩した姿を見て、サクラが魔法を放った。
「いつもの、風の刃で……連発!!」
その風の刃が、アースドラゴンの右足を切り落としたところで、アースドラゴンは胸を地面につけることになった。
地面に這いつくばっているアースドラゴンの首を……止めに僕が切り落とした。
倒せた!
初のドラゴンだったけど、無傷だった。
僕達はどこまで強いんだろうか?
いやいや油断大敵!
これからも安全第一で僕達は行動する!
「やったねラウール! 完勝じゃない!?」
そう言いながらサクラが僕に向かい走ってきた。
「やったねサクラ! だけど、その油断が命取りだ! 今後も油断せずにね。だけど今は……やったね!」
ニヤッとしただろうが僕は右手を上に上げた。
サクラも右手を上げ、『パシンッ!』ハイタッチだ。
「「やったね!」」
そして目の前に宝箱が現れた。
罠はない。
目の前の宝箱を今度はサクラが開けた。
……
【ミスリルインゴット】
……
……
同じ……
「同じよラウール……」
「そうだね。中身が何が出るのか、情報があればな~」
「そうね……今回は情報をくれる人がいないしね。」
残念だったが、周回を繰り返すことにした。
~~~~~
三回目のボス戦
ボスは【オーガキング Sランク】だった。
三メートルはある巨体で素早かったが、倒せた。
宝箱は【ミスリルインゴット】だった……
四回目ボス戦
ボスは【オークキング Sランク】だった。
オーガキングより横にも大きく、パワーはオーガキングより上だったが……勝てた。ちなみに体の色は黒だった。
宝箱は【ミスリルインゴット】だった。同じ日は、同じ中身なのか?
やはり四回くらいボス戦を繰り返すと疲労も出てきて、時間も過ぎていく。
ラウールとサクラは一日四回だけボスと戦うと決めた。
~~~~~
二日目の挑戦が始まった。
五回目のボス戦
ボスは【レッドドラゴン 】だ。
アースドラゴンと違い、全長は少し短く、全高は少し高い。
二本足で立っている。
ブレスは驚異だったが勝てた。
宝箱は【アダマンタイト鉱石】だった。
六回目のボス戦
ボスは【ミスリルゴーレム Sランク】だ。
固いが、何とか斬り伏せ勝てた。
宝箱は【ミスリルの大盾】だった。
これは高いぞ!
七回目のボス戦
ボスは【ミノタウロス 黒 Sランク】だった。以前他のダンジョンで戦ったミノタウルスのSランクと一緒で、変異種と言われる魔物だ。
この魔物は一度戦っていたので、楽勝だった。
宝箱は【ミスリルの斧】だった。
二人共使わない武器だ……
八回目のボス
ボスは【アースドラゴン】だ。
アースドラゴンも一度戦っていたので、余裕をもって倒せた。
宝箱は【ミスリルのナイフ 二本】だった。
~~~~~
三日目の挑戦
九回目のボス
ボスは【オーガキング】だった。
これまで出てきたボスでローテーションか?
宝箱は【ミスリルの片手斧】だ。
宝箱の中身もミスリル系かな。
ミスリルインゴットも、ミスリル装備も高くは売れるが……
目的の物が出ない。
十から十二回目のボス戦も今まで出たボスだった。
宝箱もミスリルインゴットやミスリル装備だった。
四日目で十六回、五日目で二十回、六日目で二十四回、七日目で二十八回目のボス戦を終えたが……まだ魔物の卵は出てこない。
八日目で一日街に出て、サクラと買い物や食事で気晴らしをした。
九日目で三十二回、十日目で三十六回、十一目で四十回、十二日目で四十四回ボス戦を終えた。
十三日目になり、ダンジョンに今日も挑戦しようとしたところで、Sランク冒険者パーティーが四十八階に到達した。
流石に他の人がいる前では繰り返し攻略は諦め、ゆっくりと進んだ。
そして二日かけてボス部屋の前に、Sランク冒険者パーティーが現れた。
僕とサクラ二人で先に到達しているのは変だと思い、後から到着したように陰からSランク冒険者パーティーの前に出た。
ようやくSランク冒険者パーティーと話す機会があったので、何か聞けないかと思い声をかけてみた。
僕達を見たSランク冒険者パーティーは驚いていた。それだけ上層階は危険なようだ。
そしてここで会ったのも何かの縁と情報をくれた。
「魔物の卵が出る条件はわからない。ボスとして出た魔物も同じではない。時間や周期も関係ないのではないか? 全くのランダムだと思う。」
そう教えてくれた。このダンジョンは、情報があるからといって簡単ではない。
自分達だけが今はボスに挑んでいると思う……「君達以外には」と付け加えて。
そして、ボス部屋に入っていった。
ラウールとサクラは、次に入ることができるようになるまで、待つことになった。




