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第十八話
王道ヒロイン
この私、赤電 ありすはこの学園を卒業することになりました。
この学園史上最速の卒業だそうです。
本当に嬉しいんですが、皆さんとこんなに早くお別れしなくてはいけないと思うと少し悲しくもあります。
それに、学園長が
『これ以上トラブルを起こさせないために卒業させる。いくら学力が高くてもさすがに卒業式前に卒業させたりなんかしない。これは特例だ』
という何か気になることを言っていたのです。
どういうことなんでしょうね。
「ちょっと待ってありす!わたしはこれから一日に一回は会いに行くからねっ!」
「せめて、一週間に一回くらいにしておきなさいな。赤電さんも困るだろうし」
「へ?」
「見送りに来たのよ。まあいつでも会いに行けるのだけどね」
「あのケダモノ達は生徒会会議で来られないけどね!」
ケダモノって生徒会の皆さんですか?
「あ、よく見たら生徒会室から垂れ幕がかかってますね」
「今頃気付いたのね・・・」
なんで青電さんはあきれているんでしょうか。
しかし、私一人のために、垂れ幕で卒業おめでとう、とは嬉しいじゃありませんか。
「ふふふ、それではっ、さようならっ!」




