魔法のアイコトバ
アイスが食べたい
「おじさん。アタリ引いたからもう一個ちょーだい」
駄菓子を買うと、ごくごく稀に“アタリ”が当たる。“アタリ”を出せば、駄菓子がもう一本もらえる。これは、子供でも知っている魔法のアイコトバだ。
幼い頃、俺は何度もこれを使ってアタリ付きの駄菓子を手に入れていた。初めて使った時は目を輝かせたものだが、最近はめっきりこのシステム自体耳にしなくなってしまった。
成長すると使えないから、魔法のアイコトバ。随分と『らしい』ネーミングだと今では思う。駄菓子屋がほとんど消え去った今では、魔法を使うことはほとんど出来ない。魔法とは、子供にだけ許されたものだと。実際はアイスさえ売っていれば交換は許されるらしいが、それもどうだか。
時代の流れとやらは知らないが、俺にとっては駄菓子屋そのものが魔法のようなものだ。中学生になってからはすっかりその姿を消したのだから。
「ねぇ、はーやーくぅ」
「すみません! 少々お待ちくださいね。すぐに持ってまいりますので」
レジを他の店員に任せて、駄菓子の置いてあるコーナーへと急ぐ。
久しぶりに聞いた。本当に、久しぶりに。
なぁ、今の小学校でも流行っているのかな。―――魔法のアイコトバ。
当たりが出てもコンビニとかドラッグストアじゃ交換しに行きづらい感じ
子供だったらぱーっと行けるのにね




