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白川老人
夕方6時半にタラップを閉めたその時刻に、川上氏から香月に電話が入った。
「やあ、香月君。今日は早退したんだって?あはは。やっぱり君は居ても立っても居られなかったんだね。今日のレースは予想通り、荒れてるようだ。私は今タラップを閉めた所なんだが、君も閉めたんだろうう?やっと私の所も先刻20羽目が戻って来たところだ」
「20羽ですか?・・少し悪いですね」
「君の所は?」
「7羽です」
「ほお・・!7羽帰舎・・。じゃ、連合会でも君が3人目だね。5割帰舎したのは」
「そんなに・・皆さん悪いんですか・・・?」
「ああ、非常に悪いよ。当日帰還したのは、悪天の中でも分速1000メートル以上出さなければ、戻って来れないって事だから、成鳩にとっては、きついレースのようだ。その分若鳩は、そこそこの分速で戻ってるようだからね」
川上氏はいつもなら香月の帰舎タイムを聞くのに、高橋会長のゴードン系の話やら、帰舎数やら、雑談が先であった。
「あの・・それで、打刻は・・・?」




