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13話 独占欲1

➖教室(1-5)➖


 昨日はあの後、特に何もなく終わった。いや平和なのはいいことなんだけど……何もないってもの暇だ。これが普通なんだろうけどねぇ。色々と巻き込まれていたものだから手持ち無沙汰って言うのかなぁ。


「雨歌、コレに目を通しておけ」

「何これ? リスト?」

「近づかない方がいい奴リストだ。楢山(なりやま)ってヤツから買った情報だ」

「信用できるの?」

「あぁ実際に問題がある奴らだったからな」


 なるほどねー僕に近づかないようにする為に情報をわざわざ買ってくれたのかぁ。お金がかかっているならちゃんと渡さないとね。受け取らないとは思うけど、半分は出さないと。


 断られた場合はこのリストに載っている者達に近づくって脅そう。伊月は絶対にこうゆう脅しには弱いって確証があるからね。しかしいつの間にこんなのを依頼していたかは分からないけど、よくやってくれたなぁ。楢山くんって人は。


「脅したりはしてないよね?」

「するわけないだろ。相手が何もしていないんだから」


 何かしてきたら攻撃するってことを白状していると一緒じゃんか。まぁそれで助かっているからいいんだけど伊月に何かあったら僕はどうしたらいいのか分からなくなるから無茶はやめてほしい。もちろん緋華さんにも言えることだけど。


 僕も鍛えた方がいいかも。自衛できるようになった方がみんなの負担も減るだろうし、母さんに相談してみようかな? 伊月と緋華さんに相談してもそのままでいいって言われそうだ。楢山くんって人に自衛方法とか聞くのもアリかもしれない。容姿は知らないけど誰かに聞けばいいか。


「特にこの妖狐(ようこ)には気を付けろ」

「このクラスにいるのに?」

「あぁ雨歌には危ない奴だ」


 僕からしたらこの教室にいる全てが危険だよ? まぁそんなことを表で言った瞬間、学校生活が終わるから言わないけど。高校生活でも伊月から離れると危ないよね。


 中学生の時、伊月と同じクラスだったけど行動は共にしていなかったせいなのかは分からないけど、僕は襲われた。


 正しくは襲われかけたんだけど、本当に危なかった。伊月が助けてくれなかったらあのまま……食われていた。


「おまじないをかけているから大丈夫だぞ」

「うん、伊月いつもありがとう」

「気にするな。何があっても守ってやるから」


 伊月って普通にこういうセリフを吐くけど、恥じらいはないのかな? 恥ずかしくて僕が顔を背けるしかないじゃん。


 緋華さんも普通に同じようなセリフを吐くから少し困ったりするのは内緒。緋華さんに直接言ったら暴走するからどうしようもなくなるからね。


「一応、放課後は予定は空けておいてくれ」

「了解」


 アレなのかな。病院に行く予定でも一緒に立てるのかな? それなら別に放課後じゃなくてもいいよな気がするけど。



―津堂伊月視点―


 雨歌の中にある俺の妖力から察するに来週くらいから生理痛ってのが来るな。緋華も結構苦しんでたりするから極力抑える方向でいこう。


 病院に行ってしっかりと検査してもらわないと分からないからアレだが、普通に機能するとは思う。というかしてもらわないと困る。


 機能すると分かったら速攻で既成事実を作ろうかと思ったが、緋華の奴が婚約の話を持ち出して来たせいでやりづらくなった。


 本当ならば雨歌を一人だけで独占したいんだが……流石にやめておく。あの日から俺の中で雨歌だけが番なのだ。なのに雨歌の周りには大勢集まってくるから対処が面倒だ。


「伊月? 考え事?」

「あぁ少しだけな」

「悩みなら話聞くよ?」

「大丈夫だ。お前の危機感の無さをどうしたものかと心配していたんだよ」

「えぇー危機感くらいはあるよ」


 いや危機感は無いに等しいだろ。俺みたいな奴に隙を見せすぎだろ。俺が一体どういう想いでいるのかも分かってないからなぁ。




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