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482 チョットマは別ですが
「ところで」
「はい」
「政府のものと思われる、四つの軍が確認されています」
レイチェルが目を上げた。
「エーエージーエスの中でオーエンに殲滅された部隊。エーエージーエスの入り口付近でハクシュウ隊を追ってきた部隊。今、この洞窟の近くで駐屯している部隊。そして昨日、街の近くでハクシュウを襲った部隊」
レイチェルが体を震わせ始めた。
「なんてこと……」
その言葉がなにを指しているのか、明らかだった。
ハクシュウが殺されたことを指している。
しかし、イコマは念を押した。
「ハクシュウのことですね」
「まさか、こんなことに……」
レイチェルの考えを把握しておきたい。
軍の動き。
レイチェルこそが説明できることだ。
「あなたはどうなると思っておられたのですか? よろしければお聞かせください」
レイチェルは、しばらく黙り込んだ後、初めてまともにフライングアイに目を向けた。
「すみません。フライングアイとお話しするのは初めてなので」
「わかります」
「なんとなく間合いが掴めなくて」
「ほとんどの人はそうです。チョットマは別ですが」
「そうですね」
微妙な声音。
ほとんどの人の反応、に同意したのか、チョットマは別だと言ったことに同意したのか、わからなかった。




