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36 残されたもの それは、呪うべき技術

 戦闘のためだけに開発された技術。

 人が操る武器ではなく、また操縦するものでもない戦闘マシン。


 生物兵器もおぞましい進歩を遂げていた。

 細菌系兵器はもちろんのこと、哺乳類や爬虫類や鳥類を改造した生物兵器さえ開発されていた。

 安価に製造できるよう、それらのほとんどは自動増殖機能を備えていた。

 自力でエネルギーを補給し、考え、そして子供を生み、世界中に生息域を広げていった。


 平和時には考えもしない愚行が横行していたのである。

 洗脳され、狂った人間が、どの国にもいたのだ。

 それが指導者であれ、民衆であれ。




 都合、十八年間にわたる世界大戦。

 砲弾が底をつき、戦争がついに終結したとき、百億以上あった世界の人口は、十億を下回るまでに減少していた。

 もっとも大きな被害を受けたのは、ヨーロッパ諸国とアメリカなど、二十世紀にいわゆる先進国といわれた国々である。

 そして言わずもがな、食料自給率の低い国。

 日本もその例に漏れず、三千万人を割り込むに至っていた。




 失われたのは人の命だけではない。


 多くの産業、文化。そして社会構造。

 消滅してしまったといっても過言ではない。

 もちろん、地球の自然も。




 大戦後、人々は復興を諦めた。

 地球上のあらゆる社会全体が腐敗した卵のように悪臭を放ち、崩れ去ろうとしていた。


 地球環境の致命的な汚染と食料生産力への絶望的な打撃によって、大規模な飢餓と疫病が継続的に発生し、十数年後には世界人口は五億人にまで減少するだろうと予測されていた。

 はたして、その予測をはるかに超えるスピードで、世界の人口は減少を続けた。

 戦後五年の間に世界人口は三億人、日本の人口も一千万人を切ったのである。




 そして残されたもの。

 それは、呪うべき技術。


 人間を増やす技術、あるいは人間を死なせない技術。

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