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14:エピローグ

リリアナ視点に戻ります。

 本日の天気は、青空が広がっている。嬉しいな。


 私は今日、この空のような瞳の色をした人と、結婚式を挙げる。



 ロビンから話を聞いた後、しばらくの間私は、実はまだ婚約中だったと言う事実に舞い上がるほど幸せだった。だけど、冷静になると様々な感情が湧き上がってきた。

 簡単にまとめると、一つは私にまで婚約破棄していると嘘をついていたことへの怒り。もう一つはロビンが私の告白を聞いていたと言うことへの恥ずかしさだ。他にも色々あったけど、大抵はこの2つの感情が複雑に入り混じっていた。

 私は何度もあの時自分で言った言葉を思い返しては悶えた。どうしよう、恥ずかしい、消えたい、忘れろ。そして何より、次ロビンに会う時どんな顔をして会えばいいんだろう? そんなことを考えていた。

 それなのに、少し経ってからわが家にやって来たロビンは、何もなかったかのような顔をしていて。私はそれに苛立ってしまい、ロビンからの初告白とプロポーズをバッサリと断ってしまった。

 あの時のロビンの表情の変化は凄かった。天国から地獄に突き落とされた人ってこんな顔をするのかなと考えた。

 私はそれからしばらくの間(約3日)、ロビンに対して冷たい対応を取り続けた。「ロベルト様」と呼んだり、余所余所しい口調で会話をしたりした。それでも、最終的に仲直りをして今の状況である。


 私はロビンが好きだ。ロビンも私を好きだと言ってくれた。これって、凄く奇跡みたいな確率だと思う。私は幸せ者だ。


 今、私の手には花束が握られている。使われているのはかすみ草と、咲き始めのブルースター。私の大好きな花。

 純白のウエディングドレスには、銀糸で刺繍された百合が華やかに咲き乱れている。百合はロビンが似合うと言ってくれた。

 ちなみに、胸に詰め物はしていない。一瞬しようかな……と誘惑に駆られたけどやめた。だって、後から絶対虚しくなる。


 変装のプロだと言うロビンの同僚さんには、あの後会わせてもらった。本当に男の人だった。でも「ちょっと待ってて」と言われてその通りにすると、次に見た時にはあの女の人の姿になっていた。男性には到底見えなかった。どうなっているんだろう? 魔法? あれは魔法か何かなのかな?

 そんな同僚さんも、今日の結婚式に出席している。


 私の晴れ姿を見た家族達は、凄く綺麗だと褒めてくれた。

 そういえば、お父様の行動が不審に思えたのって事情を知っていたからなんだよね。それを聞いて、やっと納得がいった。私にも教えておいて欲しかったけどね。

 お兄様は最近、とある令嬢といい感じだそうだ。とうとうお兄様にも春が来るのかな?


 私はお父様の腕にそっと手をのせ、赤い絨毯の上、すなわちバージンロードを歩く。それにしても人が多いな。この中にはマリエッタもいるんだよね。何処だろうか。


 残念ながらマリエッタは見つからなかった。目の前には、私の旦那様となる人がいる。いつも通り、いや何だかいつも以上に格好良く見えた。

 ロビンは私を見ると瞠目した。そして、周囲に聞こえないくらいの声量で「いつも以上に綺麗だ」と囁いた。私に想いを伝えてくれた日から、ロビンは何かが吹っ切れたかのように「好きだ」「可愛い」などと褒めてくることが多くなった。しかも不意打ちで。心臓に悪いからやめてほしい。ほら、今もドキドキする。


 今日の天気は青空が広がっている。私の一番大好きな色。

 そして隣には、同じ瞳の色をした最愛の人。


 私の空は、思っていたよりずっと前から傍にいてくれたようだ。そのことに10年以上の月日を経て、私はようやく理解出来た。


「婚約破棄された(と思っている)令嬢のその後の話」最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

タイトル詐欺ですね、はい。一旦完結したのであらすじに注意書き、若しくはタイトル名を変更しようと思います。

リリアナとロベルトの物語はこれでお終いです。ですが、この後他のキャラの物語を書いていく予定です。多分次はあの王子様になると思います。


もし宜しければ、感想をいただけると嬉しいです。「此処をもっとこうした方がいいと思います」とか「ここが好き!」とか本当に何でも。


最後にもう一度、このような拙作に目を通して頂き、心からの感謝を申し上げます。



▼以下、登場人物紹介 ※読まなくても可


◯リリアナ・ソーントン ヒロイン

見た目儚げ、中身は猪突猛進令嬢。

ロビン大好き。


◯ロベルト・ブルック ヒーロー

リリー大好き。多分家でリリーに向けたポエムとか書いてる。

本来は、休日で完結させるはずだったこの作品の話数と文字数が大幅に増加したのは、こいつのリリー賛美のせい。

頭の中九割はリリーのことで構成されている。


◯ニコラス・ソーントン 

ヒロインの兄 ヒーローの親友(のち義兄)

合理的だけど家族想いだと言う訳の分からない人。


◯マリエッタ・メッシーナ ヒロインの親友

THE女子。良い子。


◯ユリウス・ギルフォード

結構重要人物なんだけど、影が薄くなってしまった。


◯第三王子

外見は麗しいけど、中身は腹黒苛めっ子。

次回のヒーロー(予定)


◯小動物系令嬢

次回のヒロイン(予定)

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― 新着の感想 ―
[良い点] リリアナ可愛かったです!! 次回の殿下の話も気になります!! [気になる点] タイトル詐欺ですっていうの知らないほうがリリアナにもっと感情移入できたかなと思います。
[一言] 肖像画と話てるのを見た家族の心労やいかに(笑) お兄様の話も読みたいですねー。 とりあえずは王子編楽しみにしてます!
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