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3 エピローグ
ロートホルン城の塔の上。
エルオリーセとオリビエは、夜空を眺めていた。
足元には、アルバもいる。
「王都の方・・・何だか明るく見えるわ」
エルオリーセが、小さく呟く
「そうだな・・・」
オリビエが、彼女の肩をそっと抱きながら答えた。
〈何だか、良いことがあったような感じがするよ〉
アルバが首を伸ばして、遠くを見つめる。
近いうちにきっと、イレーネはここを訪れてくれるだろう。
2人と1匹は、何も言わずに想いを共有していた。
我儘で無知で、境遇を当たり前と思って生きて来た伯爵令嬢。
没落して追放された彼女は、けれどいつも自分らしさを忘れず、苦労を糧として成長した。
負けず嫌いで、けれど一途で。
不器用だけど、心根は優しくて。
暴れ馬のように、制御不能になる時もあり。
けれど真摯に、全てに向き合って。
そして彼女は、シュバルグラン王国初めての魔導士になった。
2人目の、女公爵になった。
王国は、色々と変わってゆくのだろう。
その中で、女公爵たちは母となり、想いは受け継がれてゆく。
朝焼けは雨を呼び、けれど雨はいつか上がる。
燃えるような夕焼けは、明日の晴を約束する。
これは、そんな物語。




