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手綱と絆 ~追放された元公爵令嬢は気性難  作者: 甲斐 雫
最終章

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33/33

3 エピローグ

 ロートホルン城の塔の上。

 エルオリーセとオリビエは、夜空を眺めていた。

 足元には、アルバもいる。


「王都の方・・・何だか明るく見えるわ」

 エルオリーセが、小さく呟く

「そうだな・・・」

 オリビエが、彼女の肩をそっと抱きながら答えた。

 〈何だか、良いことがあったような感じがするよ〉

 アルバが首を伸ばして、遠くを見つめる。


 近いうちにきっと、イレーネはここを訪れてくれるだろう。

 2人と1匹は、何も言わずに想いを共有していた。



 我儘で無知で、境遇を当たり前と思って生きて来た伯爵令嬢。

 没落して追放された彼女は、けれどいつも自分らしさを忘れず、苦労を糧として成長した。

 負けず嫌いで、けれど一途で。

 不器用だけど、心根は優しくて。

 暴れ馬のように、制御不能になる時もあり。

 けれど真摯に、全てに向き合って。


 そして彼女は、シュバルグラン王国初めての魔導士になった。

 2人目の、女公爵になった。


 王国は、色々と変わってゆくのだろう。

 その中で、女公爵たちは母となり、想いは受け継がれてゆく。


 朝焼けは雨を呼び、けれど雨はいつか上がる。

 燃えるような夕焼けは、明日の晴を約束する。


 これは、そんな物語。


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