第14話 ブラン、決意する
ヨハンが眠る横でブランは物凄い罪悪感に包まれていた。
だが本人は事故催眠に近いモノで自身の記憶を改ざんしておりそれが何なのか全く分からないままヨハンの寝顔を見詰める・・・
少ししてヨハンの瞼が痙攣しゆっくりと目を開いた。
「…知らない天井だ…」
ヨハンの言葉に自分の存在すら気付いていないのだと理解したブランは出来るだけ明るく自然に振舞おうと考え声を掛ける・・・
「おっ目が覚めたか!」
そして、ブランはヨハンにフローラと最後の別れをさせる事を決意する。
無意識にヨハンに全てを打ち明けて償いたい気持ちがあったのかもしれないがそんな気持ちを押し込めてブランは自然に振舞う・・・
果たして自分は自然な表情を出せているのかと言う気持ちで一杯になりながらもヨハンが全く自分を疑っていない事に安堵する・・・
記憶を改ざんしているにも関わらずそんな気持ちが出ているブランは悩み抜いた上で思いついた。
(フローラの命を吸った魔剣をヨハンに持っていてもらおう。)
そう考えたブランはヨハンに口を開くのであった・・・
「ヨハン、実は魔人族に対抗する最後の切り札があるんだが…やってみないか?」
ヨハンのあまりにも真っ直ぐな瞳に心が折れそうになるブランであったが何かを言う前にヨハンが口を開いた。
「やりますよ、この命は魔人族を殺すために使うと決めました」
自分を全く疑っていないヨハンに頷きを返してブランはヨハンに魔剣を渡す為に場所を移動するのであった・・・
ヨハンを待たせ魔剣を部屋まで取りに戻っている時にブランは上司から声を掛けられた。
「ブランよ聞いて驚け、あの魔の武具作成方法で300本ほどの魔の武具を作って約2週間後に魔王の城へ攻め込む作戦が可決された」
「こちらから攻め込むのですか?」
「あぁ、かなりの勝算があるまさに最後の突撃と言うヤツだ。そこでお前にその中の一つのグループの部隊長を勤めて欲しい」
「何故私に?」
「何を言っている、お前の作った魔の武具がすべての切欠だぞ、もっと胸を張っていいんだぞ」
その言葉でブランは改ざんした記憶が再び戻ってしまった。
所詮自己暗示で改ざんした記憶なんてそんなものである。
ブランは全てを思い出し自室に戻って苦しみ悶える・・・
だが今回の作戦が全て上手く行けば人族は魔人族に滅ぼされる運命から救われる。
ブランは覚悟を決めた。
全てが終わったその時にヨハンに全てを打ち明けよう・・・
そして、それまでは全ては自分の心の中に閉じ込めて過ごそうと・・・
ブランはフローラの命を吸った魔剣を手に持ちヨハンを一人待たせている部屋へ戻る・・・
そして、魔王の城へ攻め込むその日がやって来たのであった。




