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エピローグ:軽井沢に遺された静寂の残骸

#完璧な家族の作り方 #ネット小説 #なろう #サイコスリラー #胸糞小説 #ダークファンタジー #ホラー #R15

(舞台:爆発《ばくはつ》から三日後《みっかご》。長野県《ながのけん》の冷《つめ》たい雨《あめ》に打《う打》たれ、今《いま》なお薄《うす》い煙《けむり》を上《あ》げる風間別荘《かざまべっそう》の跡地《あとち》。 )


かつてこの高級《こうきゅう》別荘地《べっそうち》で最も壮麗《そうれい》だった建物の跡《あと》には、黄色《きいろ》い規制線《きせいせん》が張り巡《はりめぐ》らされていた。佐藤刑事《さとうけいじ》は瓦礫《がれき》の縁《ふち》に立ち、鑑識《かんしき》チームの作業《さぎょう》を静《しず》かに見つめていた。


「報告《ほうこく》は?」

佐藤《さとう》が平坦《へいたん》な声《こえ》で尋《たず》ねる。


若い鑑識官《かんしきかん》は表情《ひょうじょう》を曇《くも》らせ、資料《しりょう》を手に答えた。「現場《げんば》の状況《じょうきょう》は深刻《しんこく》です。爆発《ばくはつ》の影響《えいきょう》で、手掛かりの多くが失われました。しかし、地下《ちか》の遺構《いこう》からいくつか不可解《ふかかい》な記録《きろく》が見つかっています。」


警察《けいさつ》は、割《わ》れたガラス瓶《びん》の破片《はへん》に記《しる》されたいくつかのラベルを発見《はっけん》した。そこには『計画《けいかく》』という言葉《ことば》を伴《ともな》う、奇妙《きみょう》なプロジェクト名が並んでいた。


さらに、爆心地《ばくしんち》から離《はな》れた場所《ばしょ》で、一体《いったい》の人形《にんぎょう》が見つかった。それはかつての住人の私物《しぶつ》と思《おも》われたが、録音《ろくおん》された音声《おんせい》はノイズに埋《う》もれ、家族《かぞく》の絆《きずな》を問《と》うような断片的《だんぺんてき》な言葉《ことば》が繰《く》り返《かえ》されるだけだった。


佐藤《さとう》は暗《くら》く霧《きり》に包《つつ》まれた松林《まつばやし》を振り返った。そこには足跡《あしあと》も、生命《せいめい》の気配《けはい》もなかった。まるで、その家族《かぞく》が最初《さいしょ》から存在《そんざい》しなかったかのように。


雨《あめ》は激《はげ》しさを増《ま》し、地面《じめん》の煤《すす》を洗い流《あらいなが》していく。別荘《べっそう》は消《き》え去《さ》ったが、残《のこ》された謎《なぞ》は深《ふか》まるばかりだった。


風間家《かざまけ》は、ついに彼《かれ》らの到達点《とうたつてん》に至《いた》ったのだ。――すべてが消《き》え果《は》てた、永劫《えいごう》の静寂《せいじゃく》に。


(完結)


最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


軽井沢の霧の中に消えた、風間家の物語はいかがでしたでしょうか。

本作『完璧な家族の作り方』は、歪んだ愛(トキシック・ロマンス)と、逃れられない血の絆(けいふ)をテーマに描き切りました。


父・源一郎が求めた「完璧」の果てにあったのは、救いではなく、美しくも残酷な終焉(しゅうえん)でした。結莉、衛土、そして最後に火を灯した詩織。彼らが辿った運命が、皆様の心に少しでも爪痕(つめあと)を残せたのであれば、作者としてこれ以上の喜びはありません。


もし少しでも「ゾッとした」「面白かった」と感じていただけましたら、下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価やブックマーク、感想などをいただけますと、大変励みになります。


皆様の応援が、次の新たな狂気を生み出す糧となります。


それでは、また別の物語、別の深淵(しんにょ)でお会いしましょう。

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