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あの日、あのとき  作者: 佐藤ませーろ


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痣

 サイクリングにのめり込んだ時期があった。


 ソロツーリングから戻ったある日、銭湯へ向かった。

 洗い場でさっと汗を洗い流して湯船に浸かった。

 身体が温まり、洗い場に戻ろうと湯船を出た。


 数歩歩いたところで眼の前が急に真っ暗になり気を失った。

 気がついたとき、数人の客と従業員に囲まれていた。


「大丈夫です。湯あたりしたようです」

 と笑いながら頭を下げた。


 ――ああ、死ぬときってこんなものかもしれない。

 右太ももにできた大きな痣が痛かった。



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