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第1話:目覚めは、いつも2階のフードコートの片隅で

主人公の幼少期(初期型)に始まり、挫折、世界の真実への到達、そして次世代へと紡がれる、一人の男(モビルスーツ型のたまご)の巨編!

目覚めると、そこは薄暗いフードコートの片隅だった。

頭上には掠れた文字で『JUSCO』と書かれた看板が掲げられている。かつてこの一帯を支配したであろうその巨大商業施設も、今や地下ジャンク街の住人たちが身を寄せるただの廃墟へと退化していた。

ふむ。起動してから一ヶ月、俺は己のスペックを分析していたのだが、どうやら想像以上にマヌケな姿に初期化されているらしい。

全高わずか1メートル。ブリキの装甲に、丸っこい二頭身。口を開けば「ピ、ピポ……」とたどたどしい電子音しか出せない。旧文明の遺物としても、あまりにユーモラスな「初期型プロトタイプ」のたまご型モビルスーツ――それが、現在の俺の器だった。

「あ、起きた? おはよ、ゼロ。今日も寝癖アンテナが曲がってるよ」

声をかけてきたのは、この寂れた地下世界で俺を拾い、家族として扱っている唯一の人間――孤児の少女、JUSCOだ。

彼女は俺の錆びかけた鉄の頭を愛おしそうに撫でる。その手の温もりだけで、俺の中央に眠るたまご型のコア(動力炉)が静かに臨界温度へと達していくのが分かった。

本来の俺のシステムであれば、外部からの安易な接触などセキュリティに弾かれるところだが、まあ、悪くない気分だ。なにせ、無力なはずのこの少女だけが、俺のコアを最も効率よく起動させるコードを持っているのだからな。

自分がなぜ機械の卵としてここにいるのか、その深淵を覗くデータは今の俺にはない。だが、この少女が笑うのであれば、この退化した世界を少しばかり守ってやるのも一興か。

そう思っていた矢先、俺の高性能センサーが、上空から降り注ぐ不穏な金属音を察知した。

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