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騎士団と訪問者


村騒動から3日経った。

魔力が枯渇し、目覚めた直後、父さん達から説教を食らった。が、それと同じ位褒め言葉ももらった。

3日ほど経っても

まだ魔狼達が氷漬けにされており、所々に燃えた後、村には戦いの痕跡が残っていた。

負傷者が多かったらしいが、母さんとほかの治癒魔法が使える人らによって、ある程度回復したらしい。

幸いなことに死者も出ずに終わった。、


そして村は騒動での修理に追われていた。


アリスと一緒に僕は村の入り口で木材を運んでいた。

「よいしょっと・・・」

木材を運び終わり、僕は休憩をしていた。


「レイ」

アリスに呼ばれ、僕は振り返る。

「ほんとに大丈夫?腕とか痛くない?」

起き上がって以降、アリスは僕が木こりをしている時や、モノを運んでいるときによくそれをくちにするようになった。


「大丈夫だって」

「・・・ほんとに?」

「嘘つかないよそんなことで」

僕らは少し笑った。


その時、馬の音が聞こえた。

複数。鎧が揺れる音がする。


騎士だ。

僕らは村の入り口へ向かった。


森の道から、アリスの父さんが20名ほどの騎士を引き連れてきていた。


銀色の鎧を身に着け、王国の紋章が刻まれているのが見える。

その中央に、一人の女性がいた。


長い黒髪を後ろで束ね、落ち着いた雰囲気を持つ女性。

ローブを纏っており、20代後半くらい。

鋭い黄色の瞳で村を見渡していた。


「おーい!騎士の人たち連れてきたぞー!!!」

アリスの父さんがこちらに手を振りながら村へとやってきた。


入って来て早々、魔狼が氷漬けにされている様を見て、騎士団とアリスのお父さんは固まった。


「・・・魔狼の群れが出ると報告を受けやってきたが、このレベルの氷魔法を放てる魔法使いがいたのか」

氷漬けにされた魔狼に騎士の人たちが近づいてゆく。


「・・・なるほど」

そう声を漏らした。

「何がわかったのでしょうか?」

村長が訪ねた。


「・・・魔狼の体に黒い魔法陣がある。前にも似たような報告があった。それも、誰かが自然の魔物を魔法で()()()()()。」


その一言で周りがざわつく。


「・・・その魔法にかかった魔物は通常時より凶暴になるはずだが一体だれがこの量を、しかもこの規模で氷漬けにしたのだ?」

村人たちが一斉に僕らの方を向いた。


「あの子らです」

村長が言った。


騎士団は僕らをゆっくり見る。


半獣人で肩に斧を担いだ少年と、隣に立つ少女。

この子らが本当に倒したのかと、騎士が話している声が聞こえる。


「魔狼との戦いの様子を聞かせてくれるか?」

そう言われ、少し緊張しながら、僕らは魔狼との戦いを説明した。


巨大な魔狼とその群れ。


そして、アリスの巨大な初級火魔法。


僕の全魔力を注いだ初級氷魔法。


女性は静かに聞き、最後にまた僕らを交互に見詰めた。

「・・・なるほど。にわかには信じられないな・・。見せてもらえないだろうか?」

「大丈夫ですよ」

僕は一つ返事で返した。

一方アリスは少し戸惑っていた。


「えっと・・・・」

「できるだけ軽めな・・・?」

僕は小さくアリスの耳元でそう言った。


「わかった・・・」

アリスはそう言って深呼吸をし、杖を構えた。


「《火球(ファイアーボール)》」

杖の先に火が生まれ、丸みを帯びてゆく。


数秒程度で小さな火球が生まれた。

―――はずだった。


「うわ!」


火球はどんどん膨張してゆく。

周囲の人々がこの光景を目の当たりにし、ざわめく。


ボォン!!

火球は空へと打ち上げられ、村から少し離れた距離の地面へと落ち、爆発した。

地面が抉れ、土煙があがる。


「なるほど」

目を見開き、黒髪の女性はアリスを興味深そうに見た後、僕の方を見た。


「次は君のを見せてくれないか?」

「はい」

僕は斧を握る。

すると、

「杖じゃないのか?」

と質問された。


「はい。僕はあの時斧で魔法を使ったので」

疑問の表情を浮かべる騎士団の方々を横目に、僕は村から少し離れたところへ移動した。


全魔力を斧に流し、魔狼の時同様地面に斧を突き刺した。

すると、刺した箇所から凍ってゆき、約200mを凍らせた。


「う・・・ぁ」

魔力が枯渇した僕は仰向けで倒れ、意識を手放した。



「まさかにわかには信じられなかった話が事実だったとはな」

魔力が枯渇し、仰向けで倒れているレイと、レイに駆け寄ったアリスを見る。


「君たち、名前は何と言ったかな?」

「え・・・っと。私はアリスです。こっちがレイです・・・」

「ふむ。アリスにレイか。私は白銀騎士団魔法部隊隊長のセリーネ・アルディオン。君たち2人に興味が湧いた。どうだろう。ヘルタ王立魔法学校へ来ないか?」


セリーネからの提案にアリスは固まる。

「え?ヘルタ王立魔法学校に・・・?私たちが・・・?」

状況が呑み込めず困惑するアリスに、セリーネは淡々と告げる。


「私はそこそこお偉い貴族の家のものでね。本来、王立の・・・。それもヘルタ王立魔法学校は一般の子供は受験できないのだが・・・。こんなに魔法の才がある少女と、不思議な戦い方をする少年がこんな村で、初級程度の魔法を学ぶだけでとどめておくには惜しい。つまり・・・」


「お前達2人をヘルタ王立魔法学校に推薦をする。」

「えぇえええ??!」

村にアリスの驚愕の声が響き渡る。


ヘルタ王立魔法学園

貴族を中心とした三流派の才能あるれる子供たちを育成する場所であり、

かつての3英雄が入学していたとされる歴史ある学校。

大陸中でも一際教育に力を入れており、大陸で1、2を争う学校とされている。


そんな場所へ、ただの村の子供2人が推薦。

当の本人らも状況をすぐに呑み込めるわけもないだろう。


セリーネの部下たちがあきれ果てている。


「セリーネ隊長。村の子供たちを2人とも推薦となるとそう簡単にはいかないでしょう。一度、魔狼の件を報告したうえで、魔法学園の校長と、国王様に掛け合わなければいけないでしょう」


部下の一人がセリーネに耳打ちをする。

「あぁ。急いで帰ろう。だが、あの校長と国王だ。了承してくれるだろう。アリス、レイ。またここへやってくる。次に会う時までに、魔法学園へ送る書類を書いておけ」


そう言い残し、騎士団を連れ、セリーネは村を去ってゆく。


その背中を見送り、アリスはレイへと視線を落とす。

「なんでこういうときに限って起きてないのぉ・・・・」

自身の腕の中で眠るレイに笑みをこぼす。

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