◆ 大円団・・・?
チートメンバーは王城に向かう。
もうその中にフォンセの姿はない。
一抹の寂しはある。しかし大魔王フォンセには帰る場所があり300年もの時をかけ待ちわびた愛しき魔物のもとに還ったのだから。
もう人ではなくなった大魔王フォンセはサーノーと悠久の時を過ごすことだろう。
南東の森には今まで
〈最果ての淀み〉があった。
だが約300年も語り継がれたその名前はもう無いのだ。
その大きくポッカリと空いていた大穴は今や満々たる美しい湖になっていた。
本来の名前
〈清浄の宿り湖〉に戻ったから。
チートメンバーは内心、仲間のフォンセを見送り・・・これから龍使いカインの別れをも寂しく思っていた。
しかしカインにも使命がある。
オサーム王国の次世の国王になるのだ。やはりここは快く送り出してあげたい。
しかし意図せず王城帰還メンバーの一名にこれから・・・
一波乱が待っているとは誰もこの時
全くもって想像すら出来なかった・・・
王都に帰還する道中にはオサーム王国の民衆たちが歓迎の出迎えをしている。街中が華やぎ感謝の声があちらこちらからと響き渡っていた。
こんな大勢の熱烈歓迎ムードに興奮しちゃったジェネルと伝説の勇者フォールは折角だからとガッツリ手を振り声援を返していた。
他のメンバーは少し照れながらも小さく手を振っている。
王城前の門まで来ると2日前の態度の悪かった、あの門番がいた。
門番は王国の英雄には以前の態度をコロリと変えガッツリ揉み手をして
「へへへへ。どうぞお通りくださいませ」
(おお!?随分態度が違うわね・・・)
私が門番と目を合わせると
「へへ」と門番は気まずそうに道を譲ってくれた。
王城の大きな扉を抜けエントランスに着くとオサーム国王と第一王女ジョリアンと第二王女ローレルラそして宰相と聖者が立って待っていた。
感無量な顔で私たちを見ていた国王が言った
「よくぞ、無事に戻って来てくれた。大義であった。万謝する」
まずは司祭が挨拶を返す。
「わざわざ玉座前でなくエントランスまで出迎えてくださりありがとうございます。無事に大役を果たすことが出来ました。私たちチートメンバーだけでなく青龍に鳳凰や〈契約の証〉たち・・・それにみなさまのお力があったからです。
今は肩の荷がおりました」
聖者が切なそうに心配そうに聞く。
「司祭様、お身体の具合はいかがでしょうか?その後資料や文献を探しても何も見つからず・・・お力になれなかったことが悔しいです〉
しかし大賢者サージュが事のあらましを説明して待ちわびていたみんなを安心させた。
第一王女ジョリアンは優しくみんなに労いの声をかけた。
「司祭様、みなさま無事に戻って来てくださり本当にありがとうございました。どうかこれからお食事をとり休息されてくださいませ」
ローラちゃんも負けずに声をかけた。
「火の頭のおばちゃん、これから女同士の恋バナをしましょうね」
そんな誘いに私はタジタジして
「えっ?ローラちゃん、マセているのね。おばちゃんビックリだよ」
「だってお姉さまが最近、カイン様の事でソワソワしているから女の子同士で恋バナをしたの。私とお姉さまと聖者様と3人で仲良しなの・・・」
龍使いカインの顔がサッと赤くなった。
いや、そこじゃ無い!
女の子同士?
聖者様?
私の聞き違いか!?
大賢者サージュがワナワナしている。
「失礼ですが・・・聖者様は女性だったのですか?」
「大賢者サージュ!女性に性別を聞くなんて!ジェネルさんが王女様の歳を聞いた失礼と変わりませんよ!」
秘書大聖女ソレイエが怒った!私も便乗する!
「賢者サージュ!私の時に怒ったクセにどの口が言うか!」
「えっ・・・あっ・・・いえ、その・・・すみませんでした」
聖者プルーヴはニコニコしながら
「いえいえ、よく間違われるのでお気になさらず・・・あっ!」
大賢者サージュが聖者プルーヴの手をガシッと握った!
「良かった・・・本当に良かったです。私は聖者プルーヴ様と接していくうちに心を掴まれてしまっていたのです・・・しかし・・・失礼ながら女性とは思っていなかったので・・・私の心の中で尊敬する気持ちとすり替え・・・愛する気持ちは黙殺しようとしておりました」
女子一同がいきなりの愛の告白にポッとした。おばちゃんのジェネルも女子に入れてくれ。
聖者プルーヴは赤い顔をしながらも答えに窮していた。
「あのう・・・大賢者サージュ様・・・とにかくお手を・・・離してくださいませ?」
「いいえ、離しません。これからも・・・どうか私と行く末を共に歩んでください」
ど直球と目が本気だ。危ない男のフェロモンがダダ漏れだよ、大賢者サージュよ!
あんなにも大人しく理性の塊の大賢者サージュに野生の獰猛さが隠れていたなんて!誰が思うものか!
おばちゃんの人間観察眼は崩壊して実はたいしたことが無かったことが判明した。
聖者プルーヴは助けを求めるように王女たちを見た。
第一王女ジョリアンは
「ふふふ。プルーヴは大賢者サージュ様の事を気にされていたではありませんか。この王国で2組の婚約発表があるなんて幸せですね」
「あっ・・・ジョリアン様・・・口が軽い・・・」
「そうですか。安心したしました。私は平民出ですがこれからも努力しプルーヴ様と幸せな家庭が築いていけたらと思います」
まだしっかりタジタジしていた聖者プルーヴは
「あっ・・・はい?よろしくお願いします?」
「プルーヴは一生独身のつもりだったのでなんでも疑問形の返事になっていますね。
どうか大賢者サージュ様、聖者プルーヴのことをよろしくお願いいたします」
「もちろんでございます。命に変えても聖者プルーヴ様と添い遂げ大切に大切に大切にします!」
大賢者サージュは大事なことなので3回言った。
大賢者サージュと第一王女ジョリアンは黒い笑みで
「ふふふふふ・・・」と笑っている。
龍使いカインと聖者プルーヴは果たして大丈夫なのか?不安が一瞬かすめたが多分大丈夫なんだろう。だってみんな笑っている。
やっと・・・終わったんだ。
孫のレイが待っている。
私は思わず口をついて漏らしていた。
「レイ・・・おばあちゃん・・・もうすぐ帰るからね」
孫のレイ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
とても嬉しいです。
おばちゃん主人公も明日で最終話です。
どうか最後までどうかお付き合いください。
楽しく読んでいただければと思います。
これからもよろしくお願いします。
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