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春の月のよく晴れた日のこと。
春の月のよく晴れた日。
王と対立していた男がついに王の座を奪い取ったという話題が国中に広まった。
新たな国王となったリクベスは絶対権力を手にして国民に言った。
「私に逆らうものに首はいらない」と。
その言葉通り、王に逆らおう者は次々殺され、
逆らってはいけないのだと目でしっかりと植え付けられ人々は震え上がった。
王はもう、誰に求めれなかった。
リクベスが王になってから10年の月日が流れた。
八年前に反乱軍の大戦争があった以外、大きな事件はなく、かといって穏やかでもない日が流れている。
反乱軍の大戦争の時、王の前に立ち散った騎士、エルトの息子であるフェルは城の騎士団の一人。
「フェル、今日も特訓か?よくやるよなぁ」
「強くなりたいからさ、やれる時はやろうかと」
真面目な性格で人一倍の努力家であるフェルは
皆からは悪人呼ばわりされる父エルトの事を誇りに思いながら、
父に追いつきたい一心で騎士団にまで上り詰めた。
人より優れたスピードを持つフェルは仲間からの信頼も強かった。
春の月のよく晴れた日のこと。




