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織田信忠ー奇妙丸道中記ー Lost Generation  作者: 鳥見 勝成
第四十二話(大坂、野田・福島の合戦編)『奇妙丸道中記』第六部
404/404

第404部:新館御科人(武田松姫)、高賀(明智)慶姫、蒲生冬姫

甲斐国 新館


「奇妙丸様が朝倉・浅井連合軍を撃退するために近江国にご出陣されたと?」

「はい、あくまで織田領の外で決戦されるようです」 

武藤喜兵衛が小声で答える。

「織田家に従う民衆を守るためですね。さすが奇妙丸様は揺るぎない」

「しかし、近江の各所で一揆が起きている様子です」

「一揆ですか? まさか本願寺顕如様が諸国に檄文を?」

「それは、聞かなかったことに」

「ごめんなさい。貴方の立場がありませんね。報告に立ち寄ってくれてありがとう」

「はい。それでは、これにて」


(面目が潰れ父は織田家と決別の道を選択するやもしれません・・・。奇妙丸様、わたくしはどうすれば・・・)

喜兵衛の去った縁側から見える景色が、この先変わってしまうような出来事が畿内で起きているのではないか、浅井長政を兄のように慕っていた奇妙丸が、朝倉・浅井の連合軍や、本願寺一揆とどう対峙していくのか、奇妙丸を信じ、連絡をただ待つことに歯がゆさを感じる松姫だった。


********

美濃国、岐阜城


夜分ながら奇蝶御前に報告があると寝所に通してもらった於慶姫。

奇蝶御前や光秀と同じく、山岸家の血を引く高賀の於慶姫だ。

於慶姉妹には神女と呼ばれるほどの不思議な力があった。


奇蝶御前の傍には、奥衆の池田姉妹や稲葉の三姉妹、金森姉妹に、梶原ノ於正と伊勢ノ於恵が護衛を兼ねて詰めている。

「西の空の将星の光が時折またたき、力が弱まっています。織田家の誰かに危機が迫っています」

「大殿に? 信長様に、危機が迫っていると?!」

同じく、上洛軍の身内を心配する姫衆たち。

「わかりません、織田家の誰か、奇妙丸様のことなのかもしれません・・」

お慶が決意した目でまっすぐ見る。

「奇蝶様、お願いがあります。私を奇妙丸様の陣まで、派遣して頂けませんか。ここで褒賞となる織物を作っているお仕事も大切なのは痛いほど解るのですが。この気持ちのままでじっとしていられません」

「そうですね。本当は私が出陣したいところですが、貴方の予言が奇妙丸の役に立つならば、貴方はここにいるべきではないのかもしれませんね。行っておいでなさい」


*******

南近江、日野城


「お方様、宜しいでしょうか」

蒲生家への輿入れに尾張から付いてきた御供衆の於高の真剣な表情に、ただ事ではない状況を察する冬姫。

於高は夫となったばかりの坂井久蔵を「姉川の合戦」にて失ったばかりだった。


「顔色が冴えませんがどうかしましたか、大阪表で忠三郎殿に何かありましたか?」

「いえ、私の家の者の知らせによると、近江金森に本願寺門徒が集結し、江南一揆となって挙兵したようです。それに湖北の方でも、今浜の福田寺を拠点に江北一揆が発生し、街道を封鎖しようとしているそうです」

「それは、どうも只事ではありませんね。なにか、胸騒ぎがしますね」

「弟の長可(大坂在陣)はじめ弟たち、父の可成(近江宇佐山城主)、母の於栄(東美濃兼山城)と、大至急連絡をとって一揆方の情報の収集を急ぎます。実は、母が熱心な浄土真宗の信者なので、母方の実家の動きも心配なのです」

「森家の方々は本願寺と昵懇でしたね。それでは、私もお義父(蒲生賢秀)様に、情勢を聞いてまいりましょう」

警護の於妙が先導し冬姫が続いて屋敷の表御殿に続く廊下を行く。

二人の背中を心配そうに見送り、切り替えて自分の準備を始める於高だった。



姫様たちのイラストを描こうと、タッチペンを持って頑張りましたが挫折しました。投稿が遅くなってすいません。

世代がバレますが、『宇宙皇子』の挿絵「いのまたむつみ」ファンだったので、理想はその辺。

私が描くと、どうも絵が今どきではないと。

もういっそ、Aiで生成したいっ(泣)


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