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織田信忠ー奇妙丸道中記ー Lost Generation  作者: 鳥見 勝成
第二十三話(安祥編)
151/404

151部:諍い

「豊後、お主ほどの男でも、息子が可愛いか?」

誓願寺入道が、豊後守広孝を嘲る。

話を黙って聞いていた広孝の息子・彦次郎康重が立ち上がる。

「父を侮辱することは、私がゆるさぬぞ!」

鬼の形相で誓願寺入道を睨みつける。


「黙れ!小僧っ子が!」

鳥居入道が彦次郎を一喝する。

「なにを!」

「初陣したばかりの小僧が大きな口を叩くなと言っているのだ!」

更に焚き付ける大給親乗。


諸老達に叱責され、彦次郎が肩を怒らして震えている。

「抜くか?、受けて立つぞ!」

挑発を続ける鳥居入道。


「奇妙丸様の御前だぞ、やめい!」

息子を叱りつける豊後守。先程、息子が可愛いかと言われたことも影響したのか厳しい態度だ。

「ぐぬぬぬ」

拳を握りしめ座につく彦次郎。


「戦話を聞きたいといった事で、妙な空気になったな」

三河衆のなりゆきを見守っていた奇妙丸が、申し訳なさそうに割って入った。

「これは、ご無礼をつかまつった」

すぐさま謝罪する誓願寺入道。

「ここは、どうでしょう。若者も多いことですし、家を代表して、対決してもらうということで明後日の安祥神宮での奉納相撲・八月場所に出てもらっては?」

小瀬清長が、この場の雰囲気を変える提案をする。


「「おおっ!」」

“相撲”と聞いて、血の湧く諸豪達。

「ちょうど、その時期か?!」

「これはよい余興だ!」

「奇妙丸様の御前試合じゃな!」

場の面々の表情が俄に明るくなってゆく。

相撲をやろうということで一致団結する三河衆。力比べは子供のころから一番の遊びだったのだ。

「決まった様だな」

場の雰囲気が、一気に良くなったので安心した奇妙丸。

(清長は知恵が回る男のようだ。流石、祖父・信秀の頃から代々引き立てられた家系なだけあるな)


「では、明後日!安祥八幡宮にて決戦だな」

「よし、受けて立つ!」

こうして、奇妙丸歓迎の宴は、明後日も場所を変えて開催される。


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