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118/404

118部:帰還

挿絵(By みてみん)

http://17453.mitemin.net/i192374/

<清州城二ノ丸御殿>

「冬姫、帰ったぞ」

奇妙丸に向かって、満面の笑みで駆け出してきた冬姫。

「兄上様、お帰りなさい。今回は長かったですね」

奇妙丸の手を取り、すりすりと両方の掌で撫でる。

「うん、木曽川で色々な事があったよ」

「津島は大丈夫ですか?」

「いつもと変わりない」

「それはよかったです」


「桜もお帰りなさい」

桜の手も取り、両掌で優しく包む冬姫。

「冬姫、俺たちも無事に帰りましたよ」

元気よく進言する森於勝に梶原於八。

「見れば分かります」

「あっはっはっはっ」と呂左衛門が笑う。

「こちらの方は?」

初対面の服部政友を見て、また兄上にお供の方が増えていると思う冬姫。

「弥富服部の党首、服部政友殿だ」

「兄上様を宜しくお願いいたします」

「こ、こちらこそ(奇麗な方だ)」

冬姫に見つめられて、思わず赤面する政友。

「私もヨロシクね」

冬姫の真似をして、呂左衛門が政友の手を握っていた。


そこへ二の丸の留守居・金森甚七郎と、生駒三吉が本丸から駆け付けて来た。

「若様、お帰りなさいませ」

「うむ、留守居ご苦労だったな」

「有難きお言葉! ×2」

「何か問題はあったか?」

生駒がずいっと前に出る。

「熱田表で、少しややこしい事が起きています。後でじっくりご相談を」

「うん」

「今はまずお風呂に入られてから、お食事にされてはどうでしょうか」

「そうだな、皆くつろいでよいぞ」

「はい」

奇妙丸の言葉を受けて解散しそれぞれの用事を足すことにする。

「桜は私と一緒にお風呂に入りましょう」と桜を誘う冬姫。

「はい」奇妙丸にお辞儀をして冬姫についてゆく桜。

その後ろ姿を見送る於勝と於八。

「桜はいいなぁ~」

於勝が呟く。


二人の横にいた奇妙丸が気をきかせた。

「お風呂か。風呂の用意をしてくれ於七」

と奇妙丸が金森甚七郎に命じると、甚七郎が「準備しております!」

と胸をはって答えた。

「お主等、一人で入るのが寂しいなら、男衆皆で一緒に入ろうか」

奇妙丸が傍衆の皆で風呂に入る事を提案した。

(え?!)

顔を見合わせる於勝と於八。

「では・」

「はい・・」

自分たちが言った言葉からこうなったので、致し方なしと二人。

「なんだ?不服なのか?」と訝しげに二人の表情を見る奇妙丸。

「いえいえ、そのようなことは」

奇妙丸の気遣いに遠慮がちな於八と、

「お風呂だ、お風呂だ!」

気合で気分を盛り上げる於勝だった。


*****


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