異世界にて定食屋はじめました
無理やり話を繋げた感はあります。
本当は一旦シリアス挟んでからにしようかと悩みました。
今までが1部だとすると、これからは2部になります。
いずれ書き足したいとは思います。
書いていた50部から全て書き直します。
事情により以前までの話と変わります、すみません。
『食べ物が出てくる館』
そんな話が広まっていると、手伝いに来ているオークが話してくれた。
まぁラルが広めていると予想はついた。
とはいえ今は準備期間、建物の改装や食材の確保も不十分。今も買ってきた大量の食材を倉庫の棚にしまったり、スィアに頼んで冷やして保管して貰っている最中。
その合間に休憩をと座っていたところ、入り口の扉を慌ただしく叩く音が聞こえた。特に警戒せずに扉を開けに向かうと其処にいたのは先程話に出ていた魔王ラルフェスことラルだった。
辺りをせわしなく見渡し、額には微かに汗を滲ませていた。魔王には似つかわしくないその慌てように何事かと身構える。
「ぬぅ…此処にもおらぬか」
呻くように悔しさを吐きだすラル。
どうやら何かを、いや誰かを探しているようだ。
「あの、何か?」
「コウヘイよ…ハ―ピーを見なかったか?」
ハ―ピーは確か城に居たはずだ、それをどうしてラルが探しているんだろうか…まさか。
「…いなくなったんですか?」
「うむ、いつものように様子を見に行ったのだが、未だ回復しておらぬ者も含めて全員姿を消していてな」
それほど遠くへは行けないはずだというラルの話を聞きつつ、一緒に探そうかと提案する。が、それはラルに断られた。
「申し出はありがたいが今は大事な時、準備を優先して貰いたい。むしろそれよりも…」
言い難そうに言葉を詰まらせるラル、やがて俺の肩に手を置き、
「…ハ―ピーは雑食、というよりも肉食に近いのだ。コウヘイよ不用意に外には出ないほうがよい、いいな」
その言葉の意味を最初は理解できずに、再び外へ出て行ったラルの背中を見送った。
やがて頭に思い浮かんだ一つの疑問をスミスさんのもとへ行き聞いてみた。
「…ハ―ピーって人を食べるんですか?」
『そうだね、ハ―ピーは獲物を狩る際は基本自分より大きな者は狙わず小さい者を襲うけれど、今はそういった小動物もいないから人を襲う事もありえるかもしれない。そういえば大きな獲物を狩る際には集団で行動すると聞いたことがある』
うん、つまりうっかり外に出ようものなら捕食される可能性があるのか。
スミスさんのありがたいお言葉を聞き、改めて異世界の危険を思い知らされた気がした。
とはいえ、今は祠と冷蔵庫の往復がメインとなっているため、そうそう外に出る事は無い。そう考え食材を買いに再び戻るのだった。




