表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/22

13:亀裂


Japan center of Tokyo


阿修羅あしゅら緊那羅きんなら摩和羅女まわらにょは都心を散歩している、いや、正式には鬼を探している、しかし都心から人を真似た鬼を探すのは、砂浜からビーズを探すくらい気が遠くなる事だ、故に諦めて都心を楽しむという事になった。

阿修羅あしゅら緊那羅きんならは以前に来た事があるので懐かしいといった感じだ、しかし摩和羅女まわらにょは生まれた時から山で育ったタメにこんな所に来た事が無い。


「凄い!こんなに人がいるぞ!これから何が始まるんだ!?」

阿修羅あしゅら、あんたのペットでしょ、首輪で繋いでおきなさいよ」

「はぁ、摩和羅女まわらにょ!迷子に…………、ってもういない」

「あの馬鹿雌!」


二人の任務は鬼探しと摩和羅女まわらにょ探しになった、二人は頭を抱えて摩和羅女まわらにょが行きそうな所をしらみ潰しに探す事にした。










阿修羅あしゅら緊那羅きんなら!何か凄い……………、って二人共迷子か?世話がかかるな」


馬鹿、ココに自分の否を認めない馬鹿がいる、しかし馬鹿の良いところは超ポジティブシンキングということだ。


「くれーぷ?何か美味そうだ!」


摩和羅女まわらにょはカップルが受け取ったクレープを横取りして一口で食べた。


「美味い!コレ美味いぞ!」


盗られた事に気付かない一般人は、その変化を埋めるタメに再びクレープが手渡される、しかし摩和羅女まわらにょが再び横取りした。


「美味い!美味すぎる!最高だぞ」


摩和羅女まわらにょは横取り作戦で食べ続けた。










阿修羅あしゅら緊那羅きんならはイライラが治まらず途中のクレープ屋でクレープを調達していた。


「はぁ、クレープでも食べなきゃやってられないよね」

摩和羅女まわらにょの奴、何処行ったの?コレで鬼の首持ってくれば帳消しにするのに」

摩和羅女まわらにょの事だから首を持って来るというか、生きたまま連れてくるんじゃない」

「確かに」


二人は口の周りにクリームを付けながら摩和羅女まわらにょの捜索をしている、周りから見れば変な二人だが見えないのを良いことにやりたい放題。


阿修羅あしゅら、アイスがあるわよ」

「はぁ、食べに来たんじゃないのよ」

「いらないの?積み放題よ」

「…………………イチゴで」


緊那羅きんならは普通に中に入り、コーンを勝手に取ってアイスを乗せた、阿修羅あしゅらにイチゴのアイスを手渡すと自分のコーンを取る。

次々と重ねていき、最終的に5段になった、阿修羅あしゅらは開いた口が塞がらない。


「行くわよ」

「ホーリナーって便利ね」

「孤独に生きてるんだからこれくらいの楽しみがなきゃ」


阿修羅あしゅらは納得してアイスをスプーンですくって口に入れた、緊那羅きんならは一口で半分、二口で一つを食べ終えた。


「ホーリナーになる前からそんなだったの?」

「何で?」

「一応私達女の子じゃない、少しは考えたら?」

「良いのよ、そんなちまちま食べてても味がしないじゃない」

「彼氏とかいなかったでしょ?」

「いたわよ!ホーリナーになるまではね」


緊那羅きんならが若干悲しい顔をしたので阿修羅あしゅらはこれ以上聞かない事にした。

阿修羅あしゅらはアイスを食べ終えて少し緊那羅きんならのアイスを貰おうとした、しかし緊那羅きんならのアイスは既にない。


「もう食べたの?」

「そうよ」

「太らないの?」

「別にあれだけハードな仕事すれば太るモノも太らないわよ」

「確かに」

阿修羅あしゅら、こんな所に団子があるわよ、ちゃんと邪道のゴマ味も」

「はぁ、食べてばっかり」


摩和羅女まわらにょの事も鬼の事も忘れて、二人は食べ歩きになっている。













摩和羅女まわらにょはクレープ片手に阿修羅あしゅら緊那羅きんなら探し、あの後計10個のクレープを食べ終え、一つをお持ち返りしてその場を離れた。

しかしクレープを食べ終え阿修羅あしゅら緊那羅きんならの名前を叫んでる時、一つある事に気付いた。


「もしかしてアタシが迷子なのか?アタシが阿修羅あしゅら緊那羅きんならに置いて行かれたのか?」


摩和羅女まわらにょは立ち止まりその場でうつ向いてしまった、そして抑えきれずに目から大粒の涙が頬を伝う。


「うわぁぁぁぁ!阿修羅あしゅらぁぁぁ!緊那羅きんならぁぁぁ!何処に、何処にいるんだ!?」


一人で泣いている摩和羅女まわらにょを慰める者は誰一人いない、摩和羅女まわらにょは手で涙を拭いながら歩き続けた。













阿修羅あしゅら緊那羅きんならは団子の山を持ちながら食べ歩き、ではなく摩和羅女まわらにょ探しと鬼探し。


「ゴマって美味しいの?」

「はべふ(食べる)?」

「一つだけ」


緊那羅きんなら阿修羅あしゅらの団子の山から一つ貰い頬張った、その瞬間手から緊那羅きんならの団子が落ち、フリーズする。


「そんなに美味しい?」

「……………………」

「どうしたの?」

「飛鳥?飛鳥じゃないのか?やっぱり飛鳥だ、久しぶり!飛鳥がいなくなって心配してたんだぞ、みんな知らないって言うし、どうしたんだ?」


阿修羅あしゅら緊那羅きんならの視線の先には男性が一人立っている、緊那羅きんならの口から団子が落ち阿修羅あしゅらは腕輪に触れた、得物は長刀、名は夜叉丸。


「おいおい物騒だな、飛鳥、この子は誰?」

「飛鳥って、もしかして緊那羅きんならの前の名前?」


緊那羅きんならは無言で頷いた、そして男性が阿修羅あしゅら緊那羅きんならに話しかけたということは、鬼。


「飛鳥忘れたのか?俺だよ、章吾だよ」

「わ、忘れるわけないでしょ、あんたは、私の、彼氏だった」

「嘘………………」


緊那羅きんならは涙を流しながらその場に崩れ落ちた、阿修羅あしゅらは気にせずに構える。


「貴方、鬼でしょ」

「鬼?君大丈夫?」

「私達は私達の仲間と貴方みたいな魑魅魍魎にしか分からないの」

「そんなの信じられわけないだろ」

「あくまでシラをきるのね」


阿修羅あしゅらは拳を握り近くにいた一番怖そうな人を殴った、しかしその人は何事も無かったかのように歩き去る。


「分かった?」


阿修羅あしゅらは切っ先を鬼に向けた、鬼は徐々に顔の骨格が変わり犬歯が長くなり牙と化す。


「辞めて!阿修羅あしゅらお願い、この人は私の好きな人なの、だから殺さないで!」

「コイツは鬼よ!緊那羅きんならの彼氏はもういない、ここにいるのはダークロード、それくらい貴方なら分かるでしょ?」


緊那羅きんなら阿修羅あしゅらと鬼の間に体を入れた、鬼は不気味に笑い緊那羅きんならを盾にする、緊那羅きんならの目からは大粒の涙が流れる。


「過去に未練があるのは貴方だけじゃないの!みんな過去を抱えてホーリナーになってる、貴方もそうだったんじゃないの!?」

「うるさい!うるさいうるさいうるさい!あんたに何が分かるの!?この人は鬼でも私が唯一愛した人、あんた何かに殺させない!」

「ありがとう飛鳥、俺も君の事を愛してるよ」

「章吾…………」


阿修羅あしゅらは鬼と緊那羅きんならの光景を見て絶望に近い感情が湧いてきた、鬼は体を人間に戻り緊那羅きんならを後ろから抱きしめる、緊那羅きんならは後ろから回された腕に触れて笑みを溢す。


「…………緊那羅きんなら

阿修羅あしゅら、あんたが章吾に刃を向けるなら私はあんたを斬る」

「悪魔に墜ちるっていうの!?」

「章吾のタメなら悪魔になれる、ねぇ、章吾」

「大好きだよ、飛鳥」


緊那羅きんならは鬼の方を向き、鬼に腕を回して顔を近付けた、鬼も緊那羅きんならの顔に顔を近付ける、そしてそっとお互いの唇を合わせた。

しかしその瞬間緊那羅きんならの腕から崩れ落ちる。


「章吾!」


鬼の頭から血がながれ即死状態、小さな穴が貫通している、緊那羅きんならはそれが何かすぐに理解出来た。


摩和羅女まわらにょ!!」

「大丈夫か緊那羅きんなら?そいつは鬼だろ?」


摩和羅女まわらにょは鬼を抱き抱える緊那羅きんならのもとに走って来た、しかし緊那羅きんならは怒りに溺れた顔で摩和羅女まわらにょを睨んだ、その顔に摩和羅女まわらにょは一歩退く。


緊那羅きんなら、怖いぞ」

緊那羅きんなら、そいつは鬼なのよ、私達は間違ってない」


緊那羅きんならは鬼を抱き上げてその場から離れる、摩和羅女まわらにょが追おうとするが阿修羅あしゅらが引き止めた。


「何故だ!何故止める!?」

「今の緊那羅きんならは冷静さを失ってる、少し頭を冷やさせてから連れ戻すわよ」


阿修羅あしゅら摩和羅女まわらにょの腕を掴み緊那羅きんならとは別の方向歩いて行った、摩和羅女まわらにょは戸惑いながらも阿修羅あしゅらに従う。



亀裂、それは露骨な形でホーリナーを切り裂いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ