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第八件 行方不明の行方

翌朝、僕は目覚まし時計の音を聞く前に起きることができた。

昨夜は時間がなかったので、事務所に止まることにした。

目が冴えてきたので、時計を見る。いつも6時に目覚ましを鳴らしているので、5時半くらいか。

チラッ

8時。何度見ても8時に見える。

やばい。完全に寝坊した。

僕は慌てて立ち上がろうとした。

ふと視界の端に映る何かがあった。

ニュースが映っているテレビと、紺色の帽子をかぶった男がいた。

「ふぁひ!」

小さく声を上げる。

「おう、なんだ?」

そこにいたやつは明るく話しかけてくる。

右手に持っているリモコンでテレビの音量を上げている。

「…連続誘拐事件に…殺人が…ました」

雑音混じりのテレビの音。

ミスマッチな状況に怖さを覚える。

僕が臨戦態勢に入ろうとした時、事務所のドアが開いた。

「やっほー!細君来てる?」

陽気に鼻歌を歌いながら入ってくる蓮香さん。

「あ!いるじゃん!言ってよ〜」

「ああ、まあ色々あってな」

そう言って細君と呼ばれている男が立ち上がる。

「蓮香さん。その人だれなんですか?」

「あれ?説明しなかったっけ?ほら、前にあったでしょ。九十九里浜に行けって言ってたやつだよ」

そういえば見たことあるような顔をしている。帽子を深く被っているから気が付かなかった。

「どうも、細帆正悟さいほせいごです。この前はどうも」

そう言って深く頭を下げる。

「今回はお世話になります」

「もー、そんなに頭下げなくてもいいんだけど」

蓮香さんが無理やりにでも頭を上げようとしている。

なんかとても仲睦まじい。

「で、何がお世話になるんですか?」

二人が完全に忘れていたといった顔をしている。

「あー、えーと、それはね、殺人事件の調査だよ」

「そうだ。殺人事件だね。さっきのニュースでやってた、ついに誘拐事件から殺人が出てしまったんだ。それの協力依頼を出そうって上が判断した」

そう言って彼は先程まで座っていた椅子に座る。

「そういえば蓮香にもまだ言ってなかったね。一緒に聞いて。まずは事件の概要から。今世間を騒がせている誘拐事件、知ってるよね。現在8人に捜索願が出されている。その中のひとりが殺された」

「その少年は、翅瓦唯翔はねがゆいと君。十歳だ。二週間前に下校中に行方が分からなくなってしまった」

蓮香さんが口を挟んでくる。

「まって。翅瓦唯翔って言った?漢字はどうやって書くの?なかなか珍しいよね」

そう聞かれて彼はポケットに入っていたメモ帳に書く。

「やっぱり。この子の親、今日ここに来る予定だよ。もう遺体が見つかった事は言ったの?いや、言ったか。本人確認できてるもんね」

「ああ、その通りだ。そして、死体の状況は……見てもらったほうが早い。かなり複雑だったから」

そう言って立ち上がる。

「とりあえず署に来てくれ。そこから動きについて考えよう」















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