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202X年、日本は大統領制へと移行した。
この物語はフィクションです。
実在の人物、現実のいかなる出来事とも無関係です。
そしてバッドエンドです。
注意しろ、大晦日にバッドエンドだぞ!
202X年、日本は大統領制へと移行した。
1人の人間が絶大な権力を持つこの危険な制度への移行を主導したのは、若手のホープ、佐布里一郎。
祖父と父が総理大臣をつとめ、親族にも多くの政治家や経済界の重鎮がおり、歯並びも美しくホワイトニングされた爽やかな笑顔の好青年だ。
学生時代は野球で甲子園へ行き、大学は難関の国立大学へ。
配信ではオペラから流行りのボカロ曲まで、幼い頃から習い事で鍛え上げてきた音感と美声で多くの層を魅了する。もちろん無料配信だ。
そんな知名度抜群、各世代に人気抜群の彼が若手政治家として名を挙げ、いよいよこの日本を改革するためと大統領制への移行を数年がかりで推し進めたのだ。
政界・経済界への根回しは当然完璧。
多くの一般国民の応援を背に、計画は成功した。
あとは佐布里一郎、彼自身が日本国初代大統領の座につくだけ、のはずだった。




