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47話 おやすみですが脈ありでしょうか?

 

 私達は、楓ちゃん達と分かれて絶賛ジェットコースター巡りをしていた。

 とりあえず、挨拶がわりにNIOに2回ほど乗った。

 やはり、ジェットコースターのこの爽快感、絶叫する清々しさは堪らないね!

 ピンピンしてる私に引き換え、ベンチでぐったりとしてる蓮華。顔を人差し指でちょんちょんと突っつく。


「ほらほら〜次行くよ〜」

「……ちょっと待て、もうちょっと休憩させて」

「時間は有限!早く早く!次はゴクウだから大丈夫だよ」

「それは大丈夫じゃない!」


 蓮華の手を引っ張り、次の目的地に向かう。

 その後も絶叫マシンを乗りまくり、蓮華は瀕死寸前になった。流石に可哀想になったので、ベンチで休ませた。


「はい、水買ってきたよ」

「ありがとう」


 買ってきた水を少しずつ飲む蓮華。

 そういえば、こうやって2人っきりでいるのも久しぶりだな。近頃は、楓ちゃんの特訓に付きっきりで遊べてなかったもんね。

 私は、蓮華に向かって自分の太ももをポンポンと手で叩いた。


「膝枕してあげようか?」

「ふぁい?」

「ふふっ、呂律回ってないよ」

「いきなりそんな事言うからだ!」

「いいじゃん、今日付き合わせたお礼って事で、ここは人通りもあんまりないし」


 蓮華は、しばらく眉をひそめて考える。


「いや、遠慮しとく」

「え〜向日葵には鼻の下伸ばして、よだれ出てるくせに」

「よだれ出てたのは、お前だろ!」

「って言うことは、鼻の下は伸ばしてたんだ」

「……くそっこんな誘導尋問に引っかかってしまうとは!」

「まぁまぁ、それにね……」

「それに?」

「……寂しかったし」


 ゾワゾワと全身に鳥肌が立つのが分かる。

 言ってしまったという後悔と言ってやったぞという達成感が同時に来てる。

 蓮華は、勢いよく私の太ももにぼふっと頭を乗せた。


「……じゃあ、俺も素直になるわ」


 蓮華のごわごわごわとした髪が短パン越しに伝わってくる。

 膝枕ってこんな感じなんだ、向日葵もこんな感じでやってたってことだよね?

 結局これ恥ずかしいな。でも、折角お礼でしてるんだし我慢しなきゃね、それにこんなに蓮華の顔を近くで見れるのも面白いし。

 膝枕で寝る蓮華の頭をよしよしと右手で撫でた。


「やめて」

「あっ、嫌だった?」

「嫌じゃない!嫌じゃないけど、心地よすぎて寝るかもしれん」

「ふふっ、ちょっとぐらいなら寝てていいよ、私が起こしてあげるよ」

「もうジェットコースターは、いいのか?」

「うん、もう十分楽しんだから、休んでていいよ」

「……おう……じゃあ……」


 その言葉を最後に、寝息が聞こえてきた。

 よっぽど疲れてたんだね、おやすみ。


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