44話 真っ赤ですが脈ありでしょうか?
俺は、目を閉じてイメージする。
ピンクのギャザーシフォン。
ギャザーとは、布を縫い縮めたひだのこと。
シフォンとは、絹で織られた薄い布のこと。
つまり、ギャザーシフォンとは絹の薄い布を縫い縮めたひだということだ。
紫陽花のこの胸を、絹の薄い布でラッピングしてるかの如く包んでいる。
しかも、おしゃれにギャザーまでつけている。
まさか、下着までおしゃれをしてくるとは。
素晴らしい。
「ちょっとちょっと!前前!」
「ん?」
俺は、目を閉じていたせいで正面の電信柱に気づかず激突した。
思いっきりぶつかってしまい、大きなたんこぶができてしまったが、紫陽花や自転車は無傷だったので良かった。
これからは、自転車で聞くのはやめておこう。
それから、安全運転で駅に着いた。
時間通りに電車に乗る。
電車は、田舎なので人が数えれるくらいしか乗ってない。座席に座って目的地まで電車に揺られる。
30分程で目的地の最寄り駅に着いた。
駅の改札を出ると、桔梗と神奈月さんとが待っていた。
「おはよう、蓮華そのタンコブどうした?」
「おはよう、ちょっと日々のルーティンが災いしてな」
「あれを日々のルーティンにしないでよ」
「皆さんおはようございます!桔梗さん久しぶりですね」
「そうだな、今日はお前も楽しんでけ」
「ありがとうございます」
「そういえば向日葵は、まだ来てないのか?」
「向日葵ちゃんなら車で来るから、駅まで迎えに来てくれるそうよ」
「まじか、そりゃありがたい」
その後、駅にリムジンが駐車し、中から向日葵が出てきた。
黒のウエストベルトワンピースに白色トートバック。靴には、黒いボンデージサンダルを履いている。全身の黒に白のトートバックと白い肌がが、アクセントになり非常に綺麗だ。
「どうしよう、次元が違いすぎない?」
「可愛すぎるよぉ!本当にお人形さんみたいだぁ!」
紫陽花が、向日葵にたまらず抱きつく。
すりすりと頬擦りしている。
「ちょっとちょっと、紫陽花さん落ち着いて」
「これが落ち着けるか!そんなに可愛い服が似合うなんてずるいぞ!」
「なに言ってるんですか、紫陽花さんも凄く似合うじゃないですか」
「そんな事ないよ」
「似合うわよ」
「そんな事......」
「中学の時見たのは、ふつーに可愛かったぞ」
「そ......んな......こと」
「似合うよ」
「......」
「似合うよ、めっちゃ」
「......ちょっと、もう......やめて、恥ずかしいからさ」
紫陽花は、周囲からの褒め殺しにあい、向日葵に顔を隠すように抱きついた。
顔は、隠しているが身体は全身真っ赤になっていた。
「よし、可愛い紫陽花も見れた事だし、早速遊園地に行くぞ!」
「そうですね、では車で近くまで行きましょう」
全員、向日葵の乗ってきたリムジンに乗り、出発する。