表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/64

非常事態に備えて

 まだまだ暑いけれど、段々と吹く風が涼しく感じられて、落ち葉が敷き詰められた木陰で休むには心地よい季節になってきたわね。

 いつものように気持ちよくうとうとしていたのに、誰かが来た気配で目が覚めてしまったわ。

 わたしの眠りを邪魔したひとの行動をしばらく見ていたのだけれど…相変わらず、よく訳の分からないことをしているようね。

 

 こけむした石畳(いしだたみ)と崖とをぴょんぴょんと往復しているわ。

 崖を二〜三回ぴょんぴょんと跳び上がったら、石畳に着地…落ちているのかしら?

 羽はどうしたのかしら?飛べないの?

 気になることはいくつかあるけれど、崖をぴょんぴょん跳び上がっては落ちることを繰り返しているのを見ていたら、なんだかうずうずしてきたわ。


「ちょっと!! ナニしようとしてるの!?」


 うずうずしたまま、そらそろかしら?と機をうかがっていたら、カースケが振り向きざまにわめき出したわ。


「ナニって…そろそろイイかと思って、絶好のチャンスぽいでしょ?」


「何にも良くないよ!良くないから!ちょっと!早く狩の姿勢をといてよ!!」


 レディの眠りを邪魔しただけじゃ飽き足らずに、愉しみまで奪おうとするなんて、不粋なひとね。


「ちょっと戯れようとしただけじゃない、大袈裟(おおげさ)ね。」


「いやいやいや ちょっとの戯れで飛べなくなるのは困るんですけど!?」


「あら?飛べなくなったんじゃないの?ぴょこぴょこ跳んじゃって、何をしていたかしら?」


「おぉぉぉ…… 飛べなくなったら、即オモチャにされそうな予感…いや、そうじゃなくて!! いざという時のために脚を鍛えてたんだよ…。濡れたりして、飛びにくくなった時に走れたらいいだろう?」


「濡れたぐらいで飛びにくくなっちゃうのね。跳ぶ練習してたら、脚で走れるようになるのかしら?」


「可能性は無限大さっ!!現に走れる鳥もいるのだからっ」


 バサバサと羽を広げて大袈裟に演説してるけれど、胡散臭さが増しているだけね。

 可能性は無限大というよりも…可能性は未知数じゃないかしら?

 まぁ、鴉が跳ぶ練習をして、鶏みたいに走れるようになるとは思えないけれど、何かを信じて頑張れるって素敵なことよね。

 

 わたしは立派なレディだから、何かを信じて努力してる人を笑うなんて、そんな無粋で失礼なことはしないわよ。

 貴方が何か信じて頑張っていることがあるのなら、応援するわ。


 無理をせずにほどほどに頑張ってね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ