おかえりなさい
待ちに待ったお母さんが帰って来たわ。
おかえりなさい!
久しぶりのお母さんにすりすりと体を寄せて、帰って来てくれて嬉しい気持ちを伝えるわ。
気持ちを伝えるって、とても大切なことですもの。
大切な人には特に。
「ありがとう」とか「大好き」とか、惜しみなく伝えることにしているわ。
わたし、りっぱなレディですもの。
自分の気持ちも、他の生き物の気持ちも大事にすることができるのよ。
気持ちを蔑ろにはしないの。
帰ってきたお母さんは、なんだかとっても疲れているみたい。
「おさんかいほう」って、そんなに疲れるものなのかしら?
お兄ちゃんが言うには
「独りで暮らし始めて二年もたつし、その間、自分の好きなペースで何でもしてきたんだから、今更、自分の子ども家族とはいえ、今まで一緒に暮らした事もない者たちと暮らせるわけないだろう。」
なんですって。
難しいわね。
お姉ちゃんとは大して問題なく暮らせていたように見えていたけれど、別の人たちとはやっぱり、勝手が違うのかしら?
お母さんに甘えた後はお姉ちゃんの所にも行こうかしら。
「にゃぁ(ご飯ちょうだい)。」
「あら、ポン。 もうこっちにあなたのお皿は置いてないよ。 ごはんとお水はお母さんにもらってね。」
そうだった! 忘れてたわ。
「にゃぁぁ(そんなカタイこと言わずに、ちょうだいよ)。」
「あなた、食事制限されているだから、こっちで、もうごはんはあげれません。」
「にゃ(融通がきかないわ!)。」
「ごめんね。 お母さんにもらってね。」
「……」
「柱を引っ掻いてもダメです! 家が傾くから、止めて!!」
ホントに融通がきかないわ。お姉ちゃんの家の方が出入りしやすいんだから、こっちにもわたしのごはん用意してくれてればいいのに……。
仕方がないないから、お母さんのところに戻るわ。
さぁ、疲れているお母さんを癒しましょ。




