Round 1
「朝ごはんの後は一度は外に出してって……んー、帰ってくるかな?」
お姉ちゃんがナニやら悩ましげね。
普段はメイクをしないお姉ちゃんが今朝にかぎって早くから、メイクも着替えも済ませている……その理由をわたしはちゃんと察しているわ。
いつがお母さんの言っていた「連休明け」になるのかは分からないけれど、今日、お姉ちゃんがわたしを病院に連れて行こうと思っていることなんてお見通しよ!
さくさくと朝ごはんを食べたら、すぐに外へ出るわ。この家はどこでも出入り自由ですもの。
捕まったりなんかしないわ。
いつごろ帰ると、病院に連れて行かれずにすむのかも、わたし、知っているの。
その頃までは今日は外でのんびり過ごすことにしましょう。
外でも涼しい場所は把握ずみ。
わたし、りっぱなレディですもの。
丸わかりな人間に捕まったりなんてしないのよ。
あんなに「明日は病院に……」だとか「今日は朝イチで病院に……」なんて言ってたら、どんなに愚鈍な猫でも気づくわよ。
おあいにく様。
お姉ちゃんたちの考えている通りにはいかないわ。
「今ごろ帰って来て……ちょうど、午前中の診察が終わった時間か……ポンすけは時計が見れるのかな?」
お昼に帰ったわたしを見て、お姉ちゃんがため息をついているわ。
わたしの美しさに見惚れるのも仕方がないけれど、そろそろお昼ごはんをちょうだいナ。
「にゃぁ」
「ふぅ……そうだね、お昼ごはんだね。昨日までは11時半には帰って来てたのに……病院に行くと思ってわざとゆっくり帰ってきたのかな?」
「ポンすけは賢いな! 病院がよっぽど嫌なんだろっ。 病院、午後から行ったら?」
「あの動物病院、午後はオペが入るらしくて、診察は十六時からなんだよ。 今日はハナのピアノのレッスンがあるし……今日はもうムリだよ……せっかく、着替えたのに……」
お姉ちゃんがガックリと肩を落としちゃてるわ。
ふふふ
残念だけど、わたしの勝ちね!
わたしが Winner よ!!




