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夏バテ?

 毎日なんだか暑いわね。



 わたしの純毛は夏用に模様替えしてあるのだけれど、なんだかとてもだるいわ。



 それで、いつものご飯を見ても、ちっとも食べる気にはならないの。



 水だけ飲むわ。



 お母さんがそんなわたしを心配して、お魚をボイルしてくれたのだけど……

 ただでさえ淡白たんぱくたいやヒラメをボイルされると食べる気なんて、おきないのよね。

 それで、お母さんはハマチを用意してくれたわ。

 そうね、ハマチやブリみたいに脂がのっているお魚なら、ひと口、ふた口ぐらいは香りに誘われて、食べてみてもいいわ。

 でもやっぱり、あんまり食べれないのよね。



 どうしたものかしら。



 そのうちに、動くのも億劫おっくうになってきたわ。



 まぁ、それはそうね。ほとんど食べてないんですもの。水だけだし、暑いし、雨も続いているから、普段の見回りがせいぜいね。

 トカゲやネズミで遊ぶ気にもならないわ。



 心配したお母さんは今度はお肉を用意してくれるようになったの。

 

 A 5ランクのお肉なんですって。

 

 何かしら?

 

 牛の名前かしらね。わたしにはよく分からないわ。

 でも、わたしはお魚より、お肉の方がだんぜん好きだから、よろこんで頂くわ。

 表面だけ両面焼いて、サッとお湯を通して、脂を落としてくれるの。

 

 はっきり言って、ネズミはそのまま食べるんだから、レアでも充分なのだけど、夏バテぎみなわたし用にさっぱり仕上げにしてくれたのね。

 

 ありがたいわ。



 お母さん大好き。


 

 わたしのご飯のおすそ分けをお兄ちゃんも食べているわ。お兄ちゃんのは焼いただけで、お湯を通したさっぱり仕上げにはしていないみたいね。



「ポンのご飯の残りか……いいモン食べてるな!!  もっと食べたい!! おかわり!」


「無いわよ。ポンのご飯の残りだからね。あなたのはついでよ。」



 おかわりしたいお兄ちゃんをお母さんが一蹴しているわ。



「ポンすけのエンゲル係数高すぎだろ。」


「破産しそうだわ。」


「破産する前に病院に連れてけよ。」


「そうねぇ、やっぱり病院かしら……」



 わたしも病院は反対だわ。


 取り敢えず、明日もお肉でお願いね。

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