お母さんの起こし方
お母さんの新しい家は私では開けられない戸が多いの。
窓も玄関も開けられずに自由に出入りができないないんて、不便な家だわ。
もちろん、窓のそばでわたしが鳴いたら、お母さんはすぐに窓を開けてくれるけれど、それでも夜はやっぱり不便よね。
人間は夜になるとすぐに寝ちゃうし。
わたしはりっぱなレディだから、お母さんを気遣うこともできるのよ。
夕飯の後は、外の散歩を前よりも早めに切り上げて、お母さんが起きているうちに帰ってくることにしたわ。
でもでも、やっぱり外の散歩に行きたいから、少しお母さんと一緒に休んだあとは、おやつをもらってから、外に出るの。
ウズウズするのをなだめて、お母さんと寝たら、まだ日がのぼらない内にお母さんをおこすわ。
お母さんの顔をねこパンチしてみたり、手先を甘噛みしたり、布団から足が出てたら、足も甘噛みするわ。
そして、お母さんのお腹の上に飛びのるの。ちょっと面白いわ。少しはねるのよ。
それを二、三回繰り返すと、やっと、お母さんが目を覚ますの。
「ポンすけ……まだ三時前だよ。」
そう! もう、充分に休んだわ。
いつものことなのに、お母さんは毎日時計を確認して、同じことを言うの。
お母さんがぐずる時には、甘噛みとお腹にジャンプをもうワンセットすることにしているわ。
それから、おやつを少しもらって、外の散歩へ出かけるの。
日が出てない時間の散歩は楽しいもの。充分に満喫したら、朝ごはんの時間に帰るわ。
「六時 ポンはいつも時間きっちりだね。」
お母さんが褒めてくれるわ。
わたしはりっぱなレディですもの。
食事の時間に遅れるなんて不作法はしないのよ。




